国語の真似び(まねび) 受験と授業の国語の学習方法 

中学受験から大学受験までを対象として国語の学習方法を説明します。現代文、古文、漢文、そして小論文や作文、漢字まで楽しく学習しましょう!

活用は覚えちゃダメ!覚えるのは例外の動詞 古文動詞の活用2 古典文法 

動詞の活用の2回目です。前回は、「現代語と古語の違い」という話をしましたが、今日から実際の動詞の活用を考えてみることにしましょう。

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 例外の活用の種類を覚えよう

 前回は、「その他大勢」であるところの、四段活用、下二段活用、上二段活用を説明しました。

これらが、「その他大勢」であるのは、「少数派」の「例外」がいるからです。

まずはその名称を覚えます。

上一段活用

下一段活用

サ行変格活用=サ変

カ行変格活用=カ変

ラ行変格活用=ラ変

ナ行変格活用=ナ変

イメージとしては、2+4ですね。こういうことをこまめにやることをおすすめします。人間は7つが記憶の限界ですから、少しでもざっくりとまとめられるものをまとめましょう。

で、まず、サカナラと五回ぐらい唱えましょう。

どうぞ。

サカナラ、でも、ナラサカ、でも、カサナラ、でも、サラカナでもなんでもいいんです。唱えることが大事。

というわけで、変格活用は、サカナラ、サ変、カ変、ナ変、ラ変です。

ア変も、タ変も、マ変もありませんよ。

たまにこういう答えが書かれるのがおもしろいとはいえ、くだらないミスはやめましょうね。

かつては、モ変なんて答えもありました。もはや行でもありません。

 

例外の活用の動詞を覚える

では、これらの覚えるべき動詞をあげて、覚えてしまいましょう。まず、ポイントは、

前回の3つは「その他大勢」。

今日やる2+4は「限られた覚えるもの」。

上一段活用

着る・見る・似る(煮る)・居る・射る・干る

君にいい日

で覚えます。5回ぐらいつぶやきましょう。

君にヒイイ、でも、ミキちゃんに恋心があるなら、ミキにいい日、でも、ミキにヒイイでも、なんでもいいのです。覚えてしまえば。

ちなみに最後が「~みる」「~ゐる」とかになると、同じになる可能性が高いですから、

試みる、顧みる、垣間見る

用ゐる、率ゐる

なども上一段活用になります。

下一段活用

ける=蹴る

です。ちなみにあとで活用をやりますが、「蹴る」は現代語では四段型(五段)の活用ですよね。

サ変

す・おはす

これも5回ぐらいとなえておきましょう。

「す」というのは現代語の「する」です。「る」で終わりますから「る」をとって、uに変えると、「す」になるという、あのルールで説明できます。

現代語でそうであるように、いろいろな名詞に「す(する)」をつければ、動詞になりますから、「す・おはす」と覚えても実際は山ほどあります。

簡潔にいえば、

「名詞+す」

なんですが、たとえば、

狩り+す=狩す

なんていうだけでなく、一文字の音読み+す、もほとんどサ変です。

たとえば、

念ず

困ず

具す

などがサ変になります。この解釈は結構むずかしくて、「さす」あたりだと、現代語の通り、「ささ・ず」と活用してサ行四段になりますから、一概に「+す、はサ変」と覚えるのは問題がありそうです。あくまでも、まずは、自分の語感=現代語で、四段かどうかをチェックしてから考える必要があります。

カ変 

来=く

ですね。「くる」が「る」で終わっていますから、とってuに変えると、「く」です。

ナ変

死ぬ・往ぬ(去ぬ)=いぬ

5回ぐらいとなえましょうね。いぬ死ぬです。

いぬ、は、「あはれ今年の秋も去ぬめり」で使われていますね。字のごとく、「去るようだ」です。

ラ変

 あり・をり・はべり・いまそかり

古文の象徴のように、意味もなく「あり・をり・はべり・いまそかり」と唱えた記憶があるのではないでしょうか。

これで終わりです。今でなかった動詞は「その他大勢」、つまり、「四段・下二段・上二段」ですね。

 

活用させる

実はここまでで、ほぼ動詞の理解すべきことは終わりです。なぜなら、活用は覚えるものではないからです。

あなたが日本人として生きてきたなら、日本語の感覚はある程度もっていると思います。

なので、覚えない。

ふざけてませんよ。

たとえば、あなたが「か・き・く・く・け・け」と四段活用を覚えていたとしても、カ行の活用でなければ、それに合わせて、たとえば「「読む」だから、「ま・み・む・む・め・め」 か…」というようにひとつずつ合わせて対応させていることになりますよね?

そんなことしなくても、日本人なのですから、普通にやれば、「だいたい」なんとかなるのです。

そもそも、現代語の助動詞の「ない」をつけた時に

咲く→咲か・ない

流れる→流れ・ない

になる原理的な違いを外国人に説明できますか?説明できるかどうかは個人差ですが、「そうなるから、なる」としか言えない部分がありますよね?

下につく言葉「ず・て・。・こと・ど・命令」を覚える

 この感覚をもっと大事にすると、古文は楽になります。 

○○・ず

○○・て

○○・。

○○・こと

○○・ど

○○・!(命令)

 という感じで、下につける言葉だけ覚えましょう。となえてくださいね。

「ず・て・。・こと・ど・命令」という感じです。

 

四段活用

 では、四段動詞を何かあげて、そうですね。たとえば、

書く、でとなえてみてください。

書かず・書きて・書く。書くこと・書けど・書け。

できましたよね。終わりです。

読む、だったら。

読まず・読みて・読む。読むこと・読めど・読め。

なんだか普通ですね。これが四段活用です。

二段活用

 上二段も下二段もたいして変わりませんから、まとめます。

現代語に戻して考えるといいですね。

では、「投ぐ」でやってみましょう。「なぐ」と思っているとわけがわからないので、現代語で「投げる」だと思って、「ず・て・。・こと・ど・命令」につけます。

投げず・投げて

ここまで普通ですが、次は注意。古語ですから「る」がとれます。

投げる→投ぐ。

ですね。この「投ぐ」のイメージを持ちつつ現代語に戻ります。

投ぐること・投ぐれど・投げよ。

です。

終止形から連体形のところさえ、乗り切れれば普通です。

終止形だけ古語、連体形はそのイメージで「る」の戻る感じです。

「過ぐ」でもう一度練習。

現代語のイメージ、作りました?

過ぎず、過ぎて、過ぐ。、過ぐること、過ぐれど、過ぎよ

です。

どうですか?もう一回ぐらいやりましょうか?

「食ぶ」

自分でがんばってみてください。

食べず・食べて・食ぶ・食ぶること・食ぶれど・食べよ

です。

ヤ行活用はどうでしょう?

「見ゆ」

現代語をイメージしないと厳しいですよ。

「る」をつけて、現代語に戻すんですよ。

そうですね。「見える」のイメージですね。

では、

見えず・見えて・見ゆ・見ゆること・見ゆれど・見えよ

最後に一文字動詞をやりましょう。

「得」=う、ですね。

現代語のイメージは?

では、

えず、えて、う。うること、うれど、えよ

一文字になっても変わりません。

チャンスをえる、のか、チャンスをうる、のかは、現代語か古語かの違いですね。

上一段

 見る・着る、だと思えば終わりです。「ず・て・。・こと・ど・命令」です。

見ず・見て・見る・見ること・見れど・見よ

着ず・着て・着る・着ること・着れど・着よ

最後の命令形を「見ろ・着ろ」ではなく、古文ぽく「見よ・着よ」にさえできれば、一番普通。

それでも、二段動詞が

流れず・流れて・流る・流るること・流るれど・流れよ

と変わっていることと比べてみると

流れるが「れ」のあと、「る」にうつって、二段になるのに対して、

見るは「見」というようにiだけで動きますから一段で別の活用とされています。こうやってみると、普通、なんですが、普通でも形が違うからわかれるんですね。

下一段

  ける=蹴る

ですから、現代語っぽく活用させれば、

「蹴らず、蹴りて‥」と四段型になってしまいます。

ここのポイントは

上一段と同じ

です。

「見る」は「見ず」、「蹴る」は?

「蹴ず」ですね。

「見る」は「見て」、「蹴る」は?

「蹴て」

「見る」は「見る。」、「蹴る」は?

「蹴る。」

「見る」は「見ること」、「蹴る」は?

「蹴ること」

「見る」は「見れど」、「蹴る」は?

「蹴れど」

「見る」は「見よ」、「蹴る」は?

「蹴よ」

以上です。これはたとえば、上一段の「干る」という聞きなれない動詞も同じやりかたでいけますね。

サ変

す=現代語の「する」

ですから、「する」のイメージを持てば終わりです。

「せず・して・す・すること・すれど・せよ」

いたって普通ですが、最初が「せず」「して」と混じっているあたりが例外にされてしまう理由です。

命令は「しろ」ではなく、古文ぽく「せよ」

カ変

く=現代語の「くる」

す、と同様、現代語の来るのイメージさえもてば、終わり。

「こず・きて・く・くること・くれど・こよ」

です。最初が「こず」と訳のわからないいきなりの「こ=o」で完全例外ですね。

ラ変

「あり・をり・はべり・いまそかり」

ですから、「あり」でやってみましょう。

「あらず・ありて・あり・あること・あれど・あれ」

‥いたって普通。何が例外かといえば、終止形がなんと「り=i」。

動詞は「のばすとuになる」なんて習っていたのに、まさかの「り」

それ以外はいたって普通。逆にいうと、終止形を「ある」としないのがポイントというところでしょうか。

「いまそかり」はさっきの「蹴る」と同様、

「あり」と「いまそかり」を合わせればいいですよね。「あ」と「いまそか」をいれかえればいいわけです。

ナ変

 というわけでここまでまともに覚えるものがありませんでしたね。しいていえば、下二段をがんばればよかったぐらい。

最後にナ変です。

死ぬ・いぬ

ですね。

「死ぬ」もほっとくと、四段になります。

死ぬ、ですから、42と覚えましょう。

つまり、最初は四段途中から二段ということです。

「死なず・死にて・死ぬ・」ここまで四段

ここから二段です。

「死ぬること・死ぬれど・死ね」

こんな感じ。これで動詞の活用は終わり。

ポイントは覚えないこと。

「ず・て・。・こと・ど・命令!」

大丈夫でしたか?

ぶつぶつとつぶやいて確認してくださいね。

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