漢字の学習方法の3回目です。
記憶の方法に照らし合わせると、イメージ化が大事。意味を持っているのは部首なので、部首の意味がわかればイメージ化できる。
だから、部首の意味を説明しよう、部首の意味の一覧を作っておこうというのが、今回の企画。
漢字の学習方法をお待ちの方、申し訳ありません。古文のリクエストがありまして、優先してしまいました。
部首をどのように「デジタル」で、書くか、なんてことも課題としてありまして‥
それから書き出すと意外と大変で‥とりあえず、全部やるのをあきらめて、2回にわけることにして、とりあえず出すことにしました。
さて、それでは、ここまでの復習です。
まずは学習方法のブログで、触れたこと。
それは記憶にはイメージ化=ストーリーが有効であるということです。
でこれをもとに、国語学習方法のこちらのブログで、漢字イメージ化、ストーリー化の実践例をあげました。
で、部首には意味があること、それを覚えれば、ケアレスミスが減るのではないかということを説明しました。
というわけでですね。
要は、
- 記憶にはイメージ化=ストーリー化が有効
- 部首には意味があるらしい
- ということは、部首の意味を覚えると、楽なんじゃないの?
ということで、いよいよ、部首の意味の説明です。
漢字の90%を占める形成文字とは
意味をあらわす部首と、
音を表す部分でできている
ということでした。
だから、この二つが意識できれば、漢字の90%がなんとかなる、ってことかもしれません。
というわけでいきましょう。
- 基本編
- 1 木へんが木
- 2 人べんが人
- 3 サンズイが水
- 4 のぎへんは 秋・稲・穂・税などなど 木が成長して実がなったイメージです。
- 5 行人偏は、もともと道、「四つ角」から変化したもの
- 6 にすいは、こおりへん
- 7 しんニョウ=之にょう 「ビュンと移動するイメージ」
- 8 月 は空の月なら月へんですが、肉が変化したのはにくづきですね。
- 9 心が立って、りっしんべん。
- 10 こざと・おおざとは形は同じ。おおざと=里 こざと=ブロック
- 11 しめすへん=神様
- 12 ころもへん=洋服
- 13 貝=お金
- 14 王=宝石
- 15 酉=酒 ×鳥
- 16 さんづくり=きれいな模様
- いとへん 糸
- てへん 手
- ごんべん 言=言葉
- くさかんむり 草
- たけかんむり 竹=紙
- 1 弓
- 2 矢
- 3 おの 匠・近・斥
- 4 のぶん ムチ
- 5 ほこ
- 6 るまた 殳。かなづちのようなものを上から振り下ろすイメージ。
- 7 りっとう カタカナの「リ」に似た「刀」。
- 8 あみがしら 網=ネット
基本編
1 木へんが木
2 人べんが人
3 サンズイが水
あたりは大丈夫ですよね?
じゃあ、次ですね 。
4 のぎへん
5 ぎょうにんべん
6 にすい
はいかがでしょうか?
4 のぎへんは 秋・稲・穂・税などなど 木が成長して実がなったイメージです。
だから、しいて言うなら「実りへん」ですね。租税はお米でやるとすると両方、のぎへん。
5 行人偏は、もともと道、「四つ角」から変化したもの
ですから、「道へん」です。だから、道に関わるものが多いですね。
徹と撤、見分けられますか?
テツ夜は、夜通し歩くイメージですから、徹夜。
テッ底は、すみずみまでいきわたるイメージですから、徹底。
撤退は、撒くし、撤去は手でするから、手へんですね。
6 にすいは、こおりへん
点が二つだから「2水」ですが、使っている漢字を見ると、想像ができます。
冷・凍・凝(固)‥わかりましたか?これは「こおりへん」ですね。「3水」は液体で水、「2水」は、固体で氷ですね。
では続いて、当たり前に使っているけど、意味がわからないシリーズ。
7 しんにょう
8 つきへん・にくづき
9 りっしんべん
10 こざと・おおざと
まずは
7 しんニョウ=之にょう 「ビュンと移動するイメージ」
進に使う「にょう」ですね。
これは「之」がもとになっています。人の名前に使われると「ゆく」ですよね。これは「行く」と同じです。つまり、「ビュンと移動するイメージ」です。→のイメージですよ。
鳥がビュンで、進む。白がビュンで迫る。などなど。
8 月 は空の月なら月へんですが、肉が変化したのはにくづきですね。
体の一部は、あとでまとめますが、
胃腸、肝臓、膵臓、肛門、腿に膝に肘などなど、全部にくづきですよね。
9 心が立って、りっしんべん。
ですから、心に関わるものですね。ちなみに左にひとつ、右にふたつも心です。たとえば、恭しいとか、慕うとかですね。
莫は音記号で、バクとかマクとかボとかの音ですが、意味で言うと、「なし=莫し」です。だから、砂漠は、「水がない」のでさんずいです。
次回の形成文字の話ですが、「日」が「莫=なくなる」と「暮れる」、「なくなって=莫」「土」になると、「墓」、「心」が「莫=なくなる」と「慕う」。
慕うって、だから、片思いのイメージなんでしょうね。
10 こざと・おおざとは形は同じ。おおざと=里 こざと=ブロック
こざとはへんですから、陸上、阻止、限界、除外など
おおざとはつくりで、部分、郡、都など
里にあっているのは、おおざとで、あるひとつの地域を表します。まとまりとか集合、まさに里にあいますね。
一方、こざとは、ブロックのイメージ。壁とか境界をイメージするといいです。もともとは神が下りるはしごらしいのですが、とりあえず、ブロック。
ブロックへんと思うとだいぶイメージがわきます。
次のグループはわかるはずなのに、あまり意識していないシリーズ。確認してくださいね。
11 しめすへん 示す
12 ころもへん 衣
13 かいへん 貝
14 王へん
15 酉=とり
16 さんづくり 彩・形・彫・影 三のつくり
11と12は前回も書きましたが、小学生が混乱するもののひとつですね。
11 しめすへん=神様
神・社・視・祖など 示す=ですから、偉い人のイメージです。神様が命令するイメージですね。
12 ころもへん=洋服
被・袴・袂・袖・補・裕…実は、ころもへんの漢字は、小学生ではあまりでてこない。服に関わらないといけないので、小学生ではでてこないぐらい。皮が衣になって、被る=かぶる、補うというのは、もともと服が破れていたのかな、というぐらいでしょうか。
13 貝=お金
貝は、もともと、お金として使われていたので、お金にまつわる漢字につきますね。財産、貯蓄なんて、貝ですね。
14 王=宝石
王と書きますが、実際は玉であるケースが多いですね。玉=宝石=宝物のイメージ。したがって、王がつくものは宝石をイメージするとよいですね。
15 酉=酒 ×鳥
酉は「とり」と呼ばれますが、漢字には「とり」の意味はありません。十二支は基本的に、漢字に適当に動物をあててしまっているので、漢字自体に動物の意味はないんですね。この漢字は「酒=さけ」へん、と思うといいです。お酒をいれるつぼをかたどったものです。とり、を忘れましょう。
酒、醸造、発酵、醤油なんてイメージです。
16 さんづくり=きれいな模様
これは美しい模様を示しています。影はもともと「光=映像=すがたかたち」
最後によく出るものをねんのため。
いとへん 糸
てへん 手
ごんべん 言=言葉
くさかんむり 草
たけかんむり 竹=紙
竹のほうが紙のかわりになっているので、文字を書くイメージにもつながります。
基本編といいながら、意味のわからない部首、ありましたよね?チェックしておきましょう。
武器編
つづいて武器編です。武器は意外と多いので、覚えておくといいですよ。
1 弓
2 矢
ここまで普通ですね。
3 おの 匠・近・斥
おのだと思ってくれることが大事。「近い」はおのがびゅんとせまる感じ。四角いはこを斧でやぶると匠、血がとぶ排斥の斥ですね。
4 のぶん ムチ
教・攻・政・敗 のぶんはむちのイメージです。むちでビシバシたたく感じなので、おさえつけたり、戦ったり…赦すなんて、ゆるされてる感じですが、赤とムチだとちょっとこわいですね。
5 ほこ
戦・戒・我 などですね。これは名前の通り、ほこ。だから、戦いはひとり(単)でほこを持ってするものですね。
6 るまた 殳。かなづちのようなものを上から振り下ろすイメージ。
手をふりおろせば、投げる。水で振りおろすと没、ぼっちゃん。殴るのもふりおろしてますね。攻撃は、手で車を投げる感じで覚えるといいと思います。
7 りっとう カタカナの「リ」に似た「刀」。
もちろん、刀のことで、刀の形になっているものもありますね。別・刺・刑・刻などなど
8 あみがしら 網=ネット
四に似たやつです。網羅の羅・罪・置とかですね。ようは、網のことです。ネットのようなイメージをもっていると、いいですね。
おの・のぶん=むち・ほこ・るまた=ふりおろす・りっとう=刀・あみ
というあたりはイメージできると漢字が急に映像に見えてきます。
イメージ化については、最初にのせたので、ぜひまだの人は読んでおいてください。
では、次回は、体の一部、動物、家の中‥と部首を紹介する予定です。
で、まずはこれを紹介。
授業などでカルタそのものをやってつかったことはないですが、読み札を見ているだけで、部首の意味が身に付きます。
だから、カルタをやるよりも、今日紹介したようにジャンル別にして、 ぱらぱらとみるのがいいです。
基本的な部首
武器
体の一部
動物
家の中、家や建物
みたいな感じにわけてしまって、ぱらぱらとみるだけ。私は名称はあまり意味がないと思っているので、読み札に絵がついていますから、ここからイメージにできてしまうと簡単だと思います。どうしても語源的なところに行き過ぎてしまって、実際にどういう意味かからちょっとずれますが、それはなんとか私の説明で補ってください。
ぜひとも。
そして、このあと紹介するのが形成文字ですので、これも先に紹介します。
形声文字については、要は音で整理するということです。説明まではあと2回あるのですが、これができれば漢字はものすごく得意になります。その意味では、このカルタは超おすすめです。
形声文字、つまり、音記号に敏感になると、使える漢字が一気に何倍にもなります。これも買って損はないですよ。
では。