いよいよ助動詞に入ってきました。とりあえず、助動詞をすすめていくにあたって、大事なことは次のふたつ。
- 「使う」形で頭の中に入れておくこと。助動詞を使うのは、本文のわからないところを品詞分解して、わかるようにするため。したがって、品詞分解をどうするかに合わせて整理して覚える。
- 助動詞ごとに、必要なことを覚えるのではなく、「接続」「意味」「活用」の3つのラベルで整理して覚える。
この流れにそって、説明していきます。
「使う」形で覚える
ここまでも、なんのために助動詞を覚えるのか、という話をしてきました。
「意味がわからない」「訳せない」というときに、なんとか「わかる」「訳せる」状態にするためには、品詞分解をする。
ということは品詞分解をするために、文法を品詞分解のために理解する必要がある、ということですよね。
とりあえず、ここまでの話をしつこいですが、もう一度どうぞ。
何が言いたいかというと、多くの参考書、そして授業は、わかりやすいかわかりにくいか、ではなく、すべて、助動詞を見出しにして、説明をしていきますよね?その大前提は、
「わからない文を見たときに、助動詞が何かわかった」
ということになりませんか?
「そりゃ、その助動詞が何かわかれば、説明を思い出せるけど、そもそも、どうして、それがその助動詞だって、気づくの?」
と不満に思ったことはないですか?
で、そうやって原理的に考えれば、
「形がわかるためには、活用表を覚えるんでしょ?」
ということになります。
でも、本当にそうなら、
頭の中に活用表を広げて同じものをさがす、ということような作業をしているということでしょうか?
まあ、確かに、自分のともだちにはテストが始まった瞬間に、まず、問題用紙を裏返して、活用表を全部書き出して、それからテストを受けるやつがいましたが‥
でも、私はやらないですよ。
というわけで使う順番が、紹介した通りです。
- 動詞を現代語で探して活用させる。
- 活用形から接続を使ってアタリをつける。
- アタリがついたら、意味をみつける。
という順番ですから、「接続」「意味」、そしてなくても大丈夫と言えば大丈夫ですが、一応、「活用」という順番で理解するのがいいのです。
「接続」「意味」「活用」の3つのラベルで整理していく
つづいて、記憶の原理からの説明です。
助動詞のひとつずつについて、何を覚えるのか、というラベルをつけると、
- 意味=訳
- 接続
- 活用
- その他
というようになっているのがわかります。
ちなみに活用表で覚えているとすると、4のその他はほとんど関係なくなっています。と考えれば、これから私が説明することはとても重要なことなのですが、とりあえず、先に進みますね。
ということは、
助動詞×(3+1)×助動詞の数(=実際は28とかになりますが、まあ、無限のように見えてますよね。)
という形で私たちは記憶をしていることになります。
ここでまず、問題となるのが、助動詞の数です。
これを把握していないとすると、助動詞がまるで無限のように感じてしまいますよね?
学び方のページで記憶の仕組みを説明しました。
記憶の限界は7つ。これを越えるときは整理が必須です。
というわけで、(3+1)×無限のように見えるもの、では、そもそも覚えられるわけがないんですね。
これをどう整理するかといえば、助動詞で区分けすることをやめればよい。
これは例えていうなら、
クラス全員の名前(助動詞そのもの)と、クラブ(接続)、住んでいる市町村(意味)、生まれ月(活用)を覚えるとして、40人ぐらいの以上の情報を、一人ずつ覚えていこうとするようなもの。最初の7人ぐらいはなんとかなってもあとは苦しくなります。
もし、これを、
- クラブで分類して、名前を言う
- 住んでいる市町村で分類して、名前を言う
- 生まれ月で分類して、名前を言う
ということができれば、実は、覚える数は同じですよね。
つまり、助動詞は
- 接続で分類して、助動詞が言える
- 意味で分類して、助動詞が言える
- 活用で分類して、活用が言える
ということができれば、基本的には全て終わるわけで、最後に
4.その他
をついでにまとめればよい。
こんなのは、枝葉(=といっても難関校では枝葉が問われるんですけどね)ですから、まず、幹や骨格をしっかりおさえることが大事なんですね。
これも、実は、古文学習の大きな問題点。
幹や骨格を理解していないのに、いきなり枝葉まで覚えようとするから、整理もつかず、めちゃくちゃになっていくんですね。
そのあたりは、これから書かなければいけませんね。結構、できない人の学習形態です。
× いきなり、細かいところまでつめて、時間をかけて少しずつゴールにたどりつく
〇 とにかく、全体像を把握する。少しずつつめていく。5回目ぐらいでようやく細部に入る
ということが大事なんです。
とりあえずここまでだと、この話が近いかもしれません。(早く教科別学習法をかかなくちゃ…)
というわけで、ありとあらゆるすべての助動詞の教科書は、
- 見出し=助動詞
- 意味の説明
- 活用の説明
- 接続の説明
- その他、めんどうくさいことの説明
を見出し=助動詞の数だけ繰り返す
という形になりますが、
私の説明は、
- 接続を言えるようにする
- 意味を言えるようにする=意味で分類したマップを覚える
- 活用で分類して、整理する
- 細かいことを付け加えていく
という順番になります。
というわけで、いよいよ次回から、ここまでの学習方法の理解を使って、助動詞を一気に解決したいと思います。