漢字シリーズの第五回、そして、部首説明の2回目です。部首の意味を覚えてしまおう、ということです。というわけで、部首の意味の一覧を作っています。今日は体や動物を覚えます。
基本方針は
- 部首は意味をあらわす。したがって、部首の意味を覚えてしまえば、どの漢字にどんな部首がつくか推測可能。
- 形声文字の部首でないところは、音をあらわす部分がある。この音で、部首を変えて整理していくと、漢字を理解しやすい
というあたりです。
というわけでここまでの展開。
すいません。間がずいぶんあきました。高校生のリクエストに優先して答えてしまいました。
というわけで、今回は部首リストの2回目です。
ここまでは、しんにょう、のぎへん、にすい、ぎょうにんべん、こざとなどの基本編と、るまた、のぶん、りっとうなどの武器シリーズをやりました。
体の一部
1 にくづき 肉
一度基本編で説明しましたが肉が変化したものですね。
2 頁 顔そのもの
「おおがい」ですね。顔に使われていますが、まさに顔のことです。首から上のことをさします。
目・耳・口などは大丈夫ですよね?
てへんと手も大丈夫ですね。
3 廾にじゅうあし=手で下からもつ
算とか弁とかの下です。名前は「二十足」ですが、本来、手で下から支えているイメージの漢字です。二十は廿とも書きますから、「にじゅうに似た下につくもの=足」で「にじゅうあし」。本当は「手でもつこと」。ひどい違いですね。
4 爪 つめ= 受とか菜
受とか菜とかに入っています。菜なんていう漢字は、「つめ」だとわかると、「木から草をつめでつまむ」イメージができあがりますね。
では足関連。
足は大丈夫ですよね?
5 ひとあし
虎・児とかの下です。まさに足のイメージです。
6 なつあし
夏の下でなつあし。後とか、各にも使われています。
7 めぐるあし
偉・緯・衛などです。部首というよりは「イ・エイ」という音ではありますが、「足がぐるぐる回って、かこんでいるものを守る」という意味です。
それでは、人の形全体にいきましょう。
8 ひ 比 =人が横を向いた形
比は人が並んで二人いるイメージです。背中合わせになると北、です。
9 つつみがまえ=包、匂 妊婦のおなか
赤ちゃんがおなかにいるお母さんです。匂いは、おなかの中に人がいる中、というイメージの漢字です。おかしいでしょ?こういう漢字はだいたい国字といって、中国でなく、日本でつくられた漢字なんですね。説明ができるものもあれば、説明ができなくなるものもあるんです。
10 あくび 欠 = 人が口をあけている
歌なんて見ると、「可=カ」が音でふたつならんで、口あけてる人がいる、ということですね。「もっとほしい」だから「欠けている」んです。だから「欠」でも通じます。
11 ふしづくり 節・叩 = ひざまずく人
人がひざまずいているイメージです。
12 いちた 一タ 死・列
関節のついた骨。骨とまがった体で死。列は、刀で切った骨がならんでいるイメージです。
13 しかばね 屍・屋など
死体です。ただし、屋など、屋根や履物など、家に関わる漢字も多いので、こちらは単純に屋根でよさそう。
動物シリーズ
さあ、つづいて動物シリーズです。
見てわかるのはいいですよね?
魚・馬・牛・犬・羊・鳥などなど
牛はささげものなので、犠牲とか、羊は美しいものとして使われることが多いようですね。
ではいきましょう。
1 けものへん 犯・狙・獲
まさに、けもの、ですね。もとは犬ですが。獲と穫は、右が音でカク。けものへんは、獲得でつかまえるイメージ。のぎへんは、収穫で、みのりをとりいれるイメージです。
2 ふるとり 進・焦 鳥そのもの
ふるとりといいますが、要は鳥です。
びゅーんと進むイメージのしんにょうがついて、進む。
烈火で下から燃やしてしまうと、焦って(あせって)焦げる(こげる)わけですね。
3 とらがしら 虎・虚 とらの頭
七までのところがワンセットでとらがしら。
下に足がついて、虎になります。
4 いのこ 豕 ぶた
豕はししでぶたです。
肉づきがつけば、豚。そのものですね。
豚が虎のきぐるみをかぶって刀をもてば、劇ですよ。
5 むじな 懇・墾・貉(むじな)
今のいのこ=豕に爪をつけて、しっぽをちょんぎると、貉(へん=左の方)です。
艮は、音で「コン」ですね。
木で、根。心で悔恨。金で銀。ブロックで限。病ダレで痕。
で、一人では無理なので、むじなの力を借りて、土をたがやそうとする「コン」は、開墾で墾田永年私財法です。
同じムジナと心をともにして、「コン」すると、懇親会で、懇談会ですね。
こういのが形声文字の活用です。いつも紹介していますが、次のかるたはぜひ使ってみてください。
6 虫 爬虫類・両生類などヌルヌルツルツル。
虫、でいいのですが、蛇(へび)とか蛙(かえる)とか蛤(はまぐり)とか蛞蝓(なめくじ)、蝸牛(かたつむり)など、虫というよりはちょっとさわりたくない感じですね。
家の中
基本的に、かんむり系のものは、家の屋根をあらわしている可能性が高いですね。
わかんむり・うかんむりなどは、帽子をかぶっているか屋根のイメージ。
まだれ=麻なども、家の屋根。
がんだれ=雁・崖は、がけをあらわします。
くにがまえ=国はかこんでいるイメージです。
というあたりで、部首の説明はおしまい。
数が多くてよくでてくるもの、そして知っているとよいものをならべました。
本格的にやりたい人は部首カルタをおすすめします。
イメージ化をするのには、絵があった方がいいんですよね。この間のにも書きましたが、カルタ遊びそのものよりは、読み札を見ていくのがおすすめです。だから、こどもに読ませるのもいいと思います。
私がよく説明するのは、でも、次のものが中心。
最重要リスト
基本編 のぎへん・ぎょうにんべん・しんにょう・こざと・おおざと・りっしんべん・にすい・ひよみのとり(酒)
武器シリーズ るまた・のぶん・おの・ほこ・りっとう
動物シリーズ いのこ・むじな・ふるとり・むし・とらがしら
の3つですので、この3つだけでも覚えてもらえるといいと思います。
これらが覚えられると、漢字のイメージ化遊びがすごく楽になるはずです。
では。
次回は実際に、漢字を覚える手順を使って進行してみたいと思います。