国語の真似び(まねび) 受験と授業の国語の学習方法 

中学受験から大学受験までを対象として国語の学習方法を説明します。現代文、古文、漢文、そして小論文や作文、漢字まで楽しく学習しましょう!

古文単語は意味分類で覚える26 助詞(意味が重要になるもの)

古文単語のシリーズは、助詞になります。助詞は種類でポイントが違うんですが、単語的、訳が重要なものをまとめます。

今日は「助詞」です。助詞は、種類ごとにおさえるポイントが違います。「助詞」ということでいえば、当然文法です。というわけで、すでに説明しています。

www.kokugo-manebi.tokyo

www.kokugo-manebi.tokyo

その中でも、単語として覚えるものといえば、何といっても終助詞です。

助詞自体は文法ですから、入試問題としては、「種類から同じものを指摘したり、違うものを指摘する問題」「訳を中心にして解釈する問題」の二種類が考えられます。前者の場合は、各入試問題で出ても一問程度だと推測されますが、後者になるとさまざまな問題にからんできます。

というわけで、助詞の単語、訳に関わる部分を説明しておきます。

 

f:id:manebi:20201111105115p:plain

助詞。単語としては終助詞。他には「もぞ・もこそ」、「だに」「さへ」などがよく問われます。

終助詞~願望の終助詞は自己願望と他者願望。その他は詠嘆系。

単語として重要なのは終助詞です。終助詞はざっくりと、願望と詠嘆系です。

願望の終助詞~他者願望の「なむ」と自己願望の「ばや」と「その他」

願望は

「~てほしい」という他者願望・あつらえ=未然形+なむ

「~たい」という自己願望=未然形+ばや

にわかれます。

特に「なむ」の方は、「なむ」の識別でよく出題されます。

連用形+なむ、は「強意」+「意志・推量・婉曲」という感じですが、二段系の動詞だと未然形と連用形が同じなので、むしろ意味からとらなければいけません。

終助詞なら「てほしい」です。強意+意志なら「てしまおう」ですね。後者が感覚的には自己願望に近いので、願望というだけでなく、他者願望「~てほしい」というところまで整理してください。

そのほか、

「がな」「もがな」「にし・にしか・にしが・にしがな」「てし・てしか・てしが・てしがな」などは自己願望系です。ただ、「~だったらいいなあ」という部分が入ってくるので、物とか出来事とかだと自己願望のようには見えないと思います。

残りは、詠嘆系の終助詞。語尾につく言葉

そのほかはプリントには載せていませんが、基本的には文末について、ほぼ意味がないようなものです。

現代語だと「~ね」「~わ」「~よ」「~なあ」なんていうようにいろんな文末がありますよね?

古文でもあって、

詠嘆系だと「~か」「~かな」「~は」「~な」ですね。

間投助詞にも分類される分類でいうと「~や」とか「~よ」「~を」

念押し、と呼ばれますが、ほぼ意味がない感じなのが、

「~ぞ」「~かし」

「な~そ」は禁止句法。

テストの山ほど出すぎて簡単すぎる感があるのが、「な~そ」の禁止句法。

「勿来」という地名があるんですが、読めますか?

漢文的に読むと「来るなかれ」なんですが、和語で読んで「なこそ=な来そ」です。

文末に来て「~な」と禁止で使うこともできます。

さっきの詠嘆系のものだと「~なあ」に近い「~な」、これは禁止「~するな」の「な」です。

 

係助詞は、「や・か」と「ぞ・なむ・こそ」そして「は・も」

係助詞については、他に疑問文のところも読んでください。
www.kokugo-manebi.tokyo

「や」「か」が疑問=疑問は反語、詠嘆

「ぞ」「なむ」「こそ」が強調

「は」「も」も係助詞で、そして強め。

これが基本です。文法問題対策としては「は」「も」が係助詞であるということが重要。

でその上で以下です。

「やは」「かは」は反語の可能性が高い

「や」「か」が疑問で、「は」が強調ですから、「やは」「かは」は疑問を強めるので、強い疑問、または反語になっていきます。

レベルが高くない人向けには、反語というのは否定とイコールだということ。

「花やは咲く」は「花が咲かない」でもかまわないということです。

「いかがはせむ」だったら「どうしようもない」です。

レベルが高くなった人向けには、必ずではないということ。

強い疑問の時もあるし、反語でなく疑問でとらないとだめなケースも散見します。

「もぞ」「もこそ」は危惧をあらわす

「も」というのは並列というか、「僕もそうなんだ」という、あの「も」です。ただ、もうひとつあるのが「雨でも降るんじゃない」という「も」。つまり「も」には危惧の意味が入るんですね。

それが強調されるので、「~したら困る」とか「~したら大変だなあ」と訳します。

強意の副助詞「し」は「とってもつながる」というのが見分けポイント

「し」は強意ですので、訳しません。

これは文法問題でよく問われます。「し」の識別ですね。サ変動詞「す」、形容詞、過去の助動詞の連体形、已然形あたりとこれを混ぜて聞くパターンです。

とってもつながる、というのが見分けるポイントです。

古文単語では「いつしか」あたりがこれにあたります。とると「いつ(し)か」で「いつか」ですね。「いつか君とデートしたい」を強調すると、本当は「今すぐ」ですよね?

今しも、とか、今し方なんていうような表現でも現代に残っています。

 

副助詞「だに」「さへ」は訳出・解釈問題で重要

「だに」は

  1. ~さえ
  2. せめて~だけでも

です。1の場合は読解問題では「まして~ならなおさらだ」を捜すことを求められることがあります。願望や意志が文末になりますが、今日は助詞なので願望の終助詞はやりました。

逆に「さへ」は、

  • ~までも

読解問題では、前に「~だけでなく」が隠れていてこれを探す必要が出てきます。

「すら」も「~さえ」ですね。