国語の真似び(まねび) 受験と授業の国語の学習方法 

中学受験から大学受験までを対象として国語の学習方法を説明します。現代文、古文、漢文、そして小論文や作文、漢字まで楽しく学習しましょう!

「舞姫」豊太郎の「恨み」に迫る10 無理やりの不自然なラストに君は気づくか?なぜそんなラストが必要なのか?

いよいよ「舞姫」は最後を迎えます。今日は、衝撃のラストとそこに隠された謎について考えてみたいと思います。

「舞姫」はついに最後までたどりつきました。今日はこのラストをきちんと追っていきながら、ここに隠された謎に迫ってみたいと思います。そのことを通して、豊太郎の「恨み」について考えます。

一応、今回でほぼまとめて、次回でしっかりと考えてみたいと思っています。

本文はこちら。

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今日のところはこちら。

 人事を知る程になりしは数週すしうの後なりき。熱劇しくて譫語うはことのみ言ひしを、エリスがねもごろにみとる程に、或日相沢は尋ね来て、余がかれに隠したる顛末てんまつつばらに知りて、大臣には病の事のみ告げ、よきやうにつくろひ置きしなり。余は始めて、病牀に侍するエリスを見て、その変りたる姿に驚きぬ。彼はこの数週の内にいたく痩せて、血走りし目は窪み、灰色のは落ちたり。相沢の助にて日々の生計たつきには窮せざりしが、此恩人は彼を精神的に殺しゝなり。
 後に聞けば彼は相沢に逢ひしとき、余が相沢に与へし約束を聞き、またかの夕べ大臣に聞え上げし一諾を知り、にはかに座より躍り上がり、面色さながら土の如く、「我豊太郎ぬし、かくまでに我をば欺き玉ひしか」と叫び、その場にたふれぬ。相沢は母を呼びて共にたすけて床に臥させしに、暫くして醒めしときは、目は直視したるまゝにて傍の人をも見知らず、我名を呼びていたく罵り、髪をむしり、蒲団ふとんを噛みなどし、またにはかに心づきたる様にて物を探りもとめたり。母の取りて与ふるものをばこと/″\なげうちしが、机の上なりし襁褓を与へたるとき、探りみて顔に押しあて、涙を流して泣きぬ。
 これよりは騒ぐことはなけれど、精神の作用はほとんど全く廃して、そのなること赤児の如くなり。医に見せしに、過劇なる心労にて急に起りし「パラノイア」といふやまひなれば、治癒の見込なしといふ。ダルドルフの癲狂院てんきやうゐんに入れむとせしに、泣き叫びて聴かず、後にはかの襁褓一つを身につけて、幾度か出しては見、見ては欷歔ききよす。余が病牀をば離れねど、これさへ心ありてにはあらずと見ゆ。たゞをり/\思ひ出したるやうに「薬を、薬を」といふのみ。
 余が病は全く癒えぬ。エリスが生けるかばねを抱きて千行ちすぢの涙をそゝぎしは幾度ぞ。大臣に随ひて帰東の途に上ぼりしときは、相沢とはかりてエリスが母にかすかなる生計たつきを営むに足るほどの資本を与へ、あはれなる狂女の胎内に遺しゝ子の生れむをりの事をも頼みおきぬ。
 嗚呼、相沢謙吉が如き良友は世にまた得がたかるべし。されど我脳裡なうりに一点の彼を憎むこゝろ今日までも残れりけり。

 

「舞姫」のラスト~意識不明の2週間に起こったこと

前回、降りしきる雪の中をさまよった豊太郎はそのまま倒れてしまいます。

人事を知る程になりしは数週すしうの後なりき。

とあります。「舞姫」の研究をすると、「人事不省」といったりしますが、要は意識不明の状態になるわけです。ようやく意識を回復するのは、2~3週間後。4週間なら「一ヶ月」と書きますから、どう考えて見ても、このぐらいの日数です。

そうして、豊太郎は意識を取り戻す。そうすると、「舞姫」得意の怒濤の展開が待っています。

熱劇しくて譫語うはことのみ言ひしを、エリスがねもごろにみとる程に、或日相沢は尋ね来て、余がかれに隠したる顛末てんまつつばらに知りて、大臣には病の事のみ告げ、よきやうにつくろひ置きしなり。余は始めて、病牀に侍するエリスを見て、その変りたる姿に驚きぬ。彼はこの数週の内にいたく痩せて、血走りし目は窪み、灰色のは落ちたり。相沢の助にて日々の生計たつきには窮せざりしが、此恩人は彼を精神的に殺しゝなり。

倒れた豊太郎をエリスが看病をする。それはきっとそうでしょうね。

そこに相沢がやってくる。「かれ」というのは相沢のことでしょう。豊太郎が相沢にかくしていたこと、つまり、エリスと別れるといいながら別れていなかったことを知る。大臣には病気のことだけ告げて、うまく繕った…つまり、エリスと別れていないことは、ここでもごまかした、ということでしょう。

問題は次です。意識を回復した豊太郎がみたもの。それは病床にいるエリス。相沢は、エリスを精神的に殺したのだと…。

本当に、この怒濤の展開が好きですよね。

もうめちゃくちゃです。

まあ、そうも言ってられないので、何があったか読みましょう。

後に聞けば彼は相沢に逢ひしとき、余が相沢に与へし約束を聞き、またかの夕べ大臣に聞え上げし一諾を知り、にはかに座より躍り上がり、面色さながら土の如く、「我豊太郎ぬし、かくまでに我をば欺き玉ひしか」と叫び、その場にたふれぬ。相沢は母を呼びて共にたすけて床に臥させしに、暫くして醒めしときは、目は直視したるまゝにて傍の人をも見知らず、我名を呼びていたく罵り、髪をむしり、蒲団ふとんを噛みなどし、またにはかに心づきたる様にて物を探りもとめたり。母の取りて与ふるものをばこと/″\なげうちしが、机の上なりし襁褓を与へたるとき、探りみて顔に押しあて、涙を流して泣きぬ。
 これよりは騒ぐことはなけれど、精神の作用はほとんど全く廃して、そのなること赤児の如くなり。医に見せしに、過劇なる心労にて急に起りし「パラノイア」といふやまひなれば、治癒の見込なしといふ。ダルドルフの癲狂院てんきやうゐんに入れむとせしに、泣き叫びて聴かず、後にはかの襁褓一つを身につけて、幾度か出しては見、見ては欷歔ききよす。余が病牀をば離れねど、これさへ心ありてにはあらずと見ゆ。たゞをり/\思ひ出したるやうに「薬を、薬を」といふのみ。

相沢がやってきたとき、相沢は「余が相沢に与へし約束を聞き、またかの夕べ大臣に聞え上げし一諾を知り」とあるように、ふたつのことをエリスに話してしまいます。

ひとつは、豊太郎が相沢とした約束。これは最初以外ありません。したがって、「しばらくこの情縁を絶たんと約しき」というあそこです。豊太郎は言ってたぞ、お前と別れるって…。こんな感じです。

そしてもうひとつが、これは確かにその通りなんですが、大臣から日本に帰ろうと言われて、OKしたことです。

このふたつを伝えたわけですね。

相沢からすれば、間違いないことです。確かに豊太郎がそういったのだから。

エリスは「我が豊太郎ぬし、かくまで我をば欺きたまひしか」と叫んでいますが、「ここまで私のことを欺きなさったのか」という感じ。

相沢の言葉通りだとすれば、つまり明治二十一年の冬の最初から、ずっと豊太郎は嘘をついてきたことになるわけで、だから、たとえばロシアから帰ってきて、階段を駆け下りるエリスに抱き付かれたあの一瞬も「演技」だってことになります。

豊太郎からすれば、それは違う、と弁明したくもなるでしょう。彼が明確に裏切ったことを自覚できるのは、ロシアで手紙をもらい、自分の置かれた状況を認識し、はじめて意思表示をした、大臣に日本に帰ることを誘われた時点からなんですから。

だからこそ、豊太郎は雪の中をさまようことになるわけです。それは今までと違う罪悪感なわけです。

ともかくも、エリスは倒れます。赤子のようになったエリスは、治癒の見込みなしと診断されます。

それでもなお、「薬を」と豊太郎の身を案じ、「襁褓ひとつを身につけて」つまり、生まれてくる赤子の産着をだきしめて、それだけを頼りにするわけです。

豊太郎は病が治り、帰国をします。

だから、このセイゴンの港の船の上で手記を書いているわけです。

「恨み」をかかえた豊太郎は、それが消えることはないだろうけれど、それでもなお、何らかの決着をつけるために、手記を書いてきた。

その結末は、

嗚呼、相沢謙吉が如き良友は世にまた得がたかるべし。されど我脳裡なうりに一点の彼を憎むこゝろ今日までも残れりけり。

となります。

「恨み」を消そうとして、恩人である相沢を認識しながら、彼を憎む一点の心に気付いて終わることになるのです。

…ふう。とりあえず、最後まで読みました…。

 

 「舞姫」の2つの不自然さ~医師としての森鴎外

さて、ここまで読んでくると、まず、豊太郎のこのラストが不評です。

「なんでエリス捨ててくるわけ?」

「面倒みろよ、最後まで」

「相沢を憎む心って結局自分のせいじゃん。なんで、他人のせいにできるの?」

みたいなことのオンパレード。

たまに、擁護するにしても、

「最後は仕事なんだって。愛なんかいらないでしょ?」

というちょっと極端な意見になったりして。

これをですね、もうちょっとちゃんと考えてみたいんですね。

それを考えるために、私が用意した問いは次のものです。

このラスト、なんか不自然じゃないですか?ちょっと想像してみてください。映像化して、ドラマ化して、アニメ化してもらうと、なんかおかしいことに気が付きませんか?

というものです。

気が付きませんか?

少し考えてみてください。

では、その不自然な部分について、考えてみます。

その1 屋根裏部屋で2~3週間意識不明でいること

気が付きましたでしょうか?

豊太郎がいたのは屋根裏部屋のエリスの家です。ここで、2~3週間意識を失っていたんです。薬の話がありますから、医者は来ているとは思います。しかし、意識を失っている。

決して、寝込んでいた、ではないはずです。歩けなくても、動けなくても、つらくても、エリスと話ができる状況であったなら、おそらくこうはなりません。

もちろん、意識不明といっても「重体」とする必要はないんですね。熱が高くて、譫言をいっているわけですから。でも、普通、そういう状況であっても、何日かすれば、「これが食べたい」とか「ありがとう」とかそのぐらいは言えるし、もう少し普通になるはずです。

豊太郎の場合、この間に起こったこと、相沢が来たこと、それによってエリスが廃人になったことなど、いっさい気が付かないわけで、こういう状態で、2~3週間、屋根裏部屋で大丈夫なのか、というのが気になります。

その2 精神的なショックで廃人同様になるということ

続いて、なんといってもここですね。

聞いたことがない。こんな話。

まず、いくらものすごいショックでも、こんな状況になりうるのか?そして、それが二度と治らないなんてことがあるのか?

もちろん、あるのかもしれませんから、こればかりはなんとも言えませんが、あまりにも衝撃的な展開です。

そして、もうひとつ、書いておきたいのが、これを「医者」、陸軍軍医であるところの森鴎外が書いているということ。

医学的な素人がなんとなく書くならまだしも、医者がこういう展開を平気で書く、というのが私には非常に不自然に思えるのです。

2つの無理矢理さがもたらすもの~もし、このふたつがなかったら…

誤解をおそれずに書けば、こうした不自然さは、小説家としての森鴎外のまだ力不足であるところではないでしょうか。まだ処女作ですし。

技量として十分でないところ、といってもいいと私は思います。

つまり、多少の不自然な無理をしてでも、あるラストに向かう必要があった、ということです。自然に考えれば、この二つの無理を消した先に、違うラストがあってもいいわけです。

小説ってそういうものじゃないかなあ…。こうしてほしい、こうなってほしいと思っても、状況がそれを妨げていくんですよね。

では、もし、このラストがなかったら、「舞姫」はどうなるのか予測してみましょう。

もし、意識不明にならなったとしたら…

まずは、この設定です。豊太郎は倒れる。…が、意識をほどなく回復する。

こういうのはどうでしょうか?

さあ、どうなりますか?性格設定を中心に考えてみましょう。

まず、とりあえず意識を失います。

そうすると、エリスは書いてある通りですが、必死に看病するんじゃないでしょうか?本当に心配し、そして、かいがいしく世話をする。冷えたタオルを用意し、寝ずに豊太郎のベッドに寄り添う…そんな感じが目に浮かびます。

そうすると、目を覚ます。そうですね。意識を回復するんですから。

豊太郎はどうなるでしょう?

私の予想は、「この一刹那」またエリスを愛しいと思い直すんじゃないでしょうか。なにしろ、豊太郎は「弱き心」ですから。

場合によっては大臣に会って、帰らないと言おうと決意するかもしれません。

言えます?いや、あやしいですね。弱き心ですから…。相沢がやってきます。さあ、どうしましょう?いやあ、なんだか収集がつかなくなります。

ちょっとパターンを書き出してみます。エリスを愛しく思う、は全部に通じるので、そのあとですね。

  •  大臣に会って断ろうと思うが、言えずにさまよう…
  • 大臣に会って断ると決めるが、大臣や相沢に諭され、やっぱり帰ろうと思い、さまよう…ぐるぐるとループ。
  • 大臣に諭され、帰るほうに決めるが、エリスになんといっていいかわからず、自殺する。
  • 大臣や相沢に、別れていないことで見放され、帰国の道がなくなる。愛を選ぶ、というより、出世し、帰国するという道がなくなった状態で、ドイツに残る。
  • 相沢が家にやってきて、ことの顛末を伝え、修羅場を迎える。豊太郎は二人の間にはさまれ、どうしていいかわからなくなる。基本は上の4つのどれかと同じ結末。

こんな感じ。いずれにせよ、大きくエリスに傾き、だからといってこのままエリスを選んでハッピーエンドとは簡単にいかないように見えますね。残るにしても、かなり帰国できない苦しみを抱えていそうです。

もし、エリスが廃人にならなかったとしたら…

こんどは2~3週間、屋根裏部屋で意識を失います。そうなると当然、相沢がやってきて、ことの顛末を伝えます。エリスは同じように怒り狂います。

…でも、廃人にはならない。まともな、しかし、怒り狂ったエリスがいます。そして、豊太郎が目を覚まします。

さあ、どうなるでしょうか?

エリスはつめよるでしょうね。まさに修羅場が待っています。豊太郎を責めるはずです。場合によっては、別れないと言い張るかもしれません。怒りにふるえて、襲い掛かるかもしれません。

豊太郎は、どうするでしょうか?

まず言い訳はしそうです。少なくとも、ずっと裏切っていたなんてことはない、そんな感じになるかもしれません。

あるいは、エリスの恨みの言葉、怒りの言葉を聞きながら、そうだな、そうだな、と受け入れるかもしれません。その場合、「じゃあ、さようなら」とできるでしょうか?エリスが「出てけ!」とやってくれれば、いいんですが、そうでない場合、受け入れれば受け入れるほど、帰国をあきらめるような気がしませんか?

仮に、エリスが「出てけ!」とやったとして、エリスはそのままいられるか?安っぽいテレビドラマみたいに、出てった豊太郎を追いかけたりして、そして、ぎりぎりで出会った二人は、大臣と相沢を残して…あら、ドイツに残っちゃいましたね。

少し戻りましょう。エリスが責め立てます。どうしようもなくなって、豊太郎を殺してエリスも死ぬ…。こういうサスペンス的な悲劇もありそう。

とりあえず、エリスと暮らすと決めた豊太郎。となると、相沢や大臣に伝えなければいけません。あれ、これさっきと同じパターンです。また、説得される。また帰れない。どうしようもなくなる。自殺する…

あれ、こればかりはどうしようもなく同じところに戻ってきてしまいます。

 

 この不自然なラストがもたらす結論は…豊太郎はどうしても日本に帰る前提の物語であるということ

わかりましたか?このドラマ、この不自然さがない限り、豊太郎はエリスと暮らす方向で引っ張られるんです。

逆に言うと、なぜ鴎外が、この無理やりな不自然さをふたつ設定したかといえば、それは、「豊太郎を日本に帰す」ため、としか思えません。

こうでもしない限り、豊太郎は日本に帰らないんです。なぜですか?

原因は、「弱き心」といえますが、それは別名、「エリスへの愛」なんです。勘違いしてはいけない。「弱き心」とは決して優柔不断ということではないんです。「エリスを愛する気持ち」なんです。

確かに、現代の私たちからみれば、「エリスへの愛」を貫く強い心もあれば、「出世と仕事と名誉」にまい進する強い心もあるかもしれません。

優柔不断でさえなければ、この問題は起こらなかった…。そうでしょうか?

いや、そうだとすれば、現代人でもドラマは起こりません。

「愛」が大事で、仕事なんかどうでもいい…。相沢から手紙が来た時点で話は終わり。「行かないよ。だって君がいるから」…完。

「仕事」が大事で、愛なんていらない…。どこまで展開するかはともかく、少なくとも、雪の中をさまよいません。2択です。「エリスに別れるっていって終わろう」「普通に言ったら大変だから、何食わぬ顔をしてさっと出て行こう」これだけ決めて終わり。完。

現代人だって、この二つで揺れるんです。これを優柔不断、つまり「弱き心」とは言わないと思います。

相沢がいう「弱き心」っていうのは、エリスなんかに愛を感じてまじめに接しようとしていること、ではないでしょうか。国とか名誉とか、君にはやるべきことがある。にも関わらず、一時世話になったからって、どうしてそんなことを気にするのか。どっちが大切だと思ってるんだ。それを捨てられないのは、罪悪感を感じるのは、君が「弱き心」 の持ち主だからだ…。

そういうことのような気がします。つまり、私からすれば、「弱き心」とは、エリスを愛するという気持ちなんだと思うんですね。

彼は優柔不断だから、迷うんじゃない。エリスを愛しているから迷うんです。

「だったら、エリスを選べよ」そう来ますよね。でも、それは、もうひとつの気持ちを私たちがわからないからです。彼は、「名誉」を回復しなければいけないんです。「家」のために、母のために、信頼する友や大臣のために…

さて、だいぶ長くなりました。もう1回でまとめます。

さあ、相沢を憎む心とはなんなのか?鴎外は何を描いているのか?

今日の、あの二つのラストがなかったら、という話は、実は鴎外自身が書いていることです。

石橋忍月という人が「気取半之丞」という名前で、豊太郎はエリスを選ぶべきだった、という書評を新聞で発表するんです。それに対して、鴎外は「相沢謙吉」という名前で、反論の文章を発表するんですね。「気取半之丞に与ふる書」という形で。これが結構辛辣なんですが、そこで、豊太郎がもし意識不明にならず、またエリスがああいう風にならず、会っていたなら、エリスを選んでいたかもしれないし、申し訳が立たなくて自殺したかもしれない、だってあいつは弱き心の持ち主だからって書くんです。

最後の最後のまとめ、「相沢を憎む心」について、この話を踏まえてまとめて、そして、「こころ」との比較をしてみたいと思います。