古文単語シリーズを付け足しています。ここまでのものも改訂していますが、ここからは付け足しです。今日は、季節や景物に関わる単語です。
古文単語は学校で扱いながら、試験で問われたもの、解釈が必要になったものを中心に付け足しながら使っています。現在は、難読漢字や古文常識も後ろにつけて、使い勝手をよくしています。
共通テストまでに、このブログの方でもなんとかおいつくように努力したいと思っています。youtube、単語、新シリーズなど、やりたいものはたくさんあるんですが、なぜか時間が確保できず、更新に苦しんでいるところではありますが、なんとかしていきたいと思います。
まずは、古文単語。
今日は「季節」「景物」に関わる単語です。
風流かどうかは「情け」と「すさまじ」
風流といえば、「情け」ですね。反対は「情けなし」。風流という単語を使うとなんだかおじいちゃんというか、俳句というか、そんな世界観になりますが、個人的には「ファッショナブル」とか「ロマンチック」とか、そんな言葉をあてたいところです。
「すきずきし」も同じような漢字です。
それに対して、「風流でない感じ」になるのは、「すさまじ」「すごし」「さうざうし」という不足系の単語です。
まずは、この感じを理解しておきましょう。
月に関わる単語を理解する
月も古文ではよく出てくる景物です。男性と女性が会うのは夜ですから、必然的に小道具として登場します。
「月影」は月の光ですが、月そのものであることが多い。「影」という感じを使ったときは、「光」でそれは「そのもの」つまり、「映像」であることが多い。
「人影」は人ですし、「面影」は顔ですね。「水影」は「水に映ったそのもの」です。
ですから、「月影」は、月である可能性が高いです。
「さやか」とか「さやけし」とかは、「明るい」様子。月影さやか…なんていう風につながることが多いです。月が明るい、ということです。
「くまなし」は「隈なし」で、現代語の「くまなく捜す」というような意味もありますが、月の時は、「陰がない」という感じ。雲にかくれないイメージです。
ちなみに「陰」と漢字を使ったときは、カゲです。暗いところ。だから、「お陰様」に代表されるような「庇護」という意味がこちらにあります。
色は、赤、黒、白、青の四色が基本
古文の色は原則として四色。
黒…くらし=暗し
赤…あかし=明し
白…しろし=徴し=はっきりしている
青…あをし=淡し=ぼんやりしている=緑を含む中間色
という感じです。
信号が緑なのに「青」というのは単純に緑という語がないからです。英語ではgreenですから緑ですが日本では青。入ってきたときに、その言葉がメジャーじゃなかったからです。
とはいえ、同じ色に見えるわけではないです。緑も青も青だっただけで、青と緑は見分けています。
だから、植物とかで色を表すわけですね。資料集とかには、十二単の色目とか、植物の写真とか載っているのは、それが色をあらわすものとして使われるからです。
なので、色そのものを覚えなくていいですけど、そういうものとして植物とか色の表現が使われることは知っていた方がいいですね。
気候に関わる語を理解しておく
気候に関する語というのは単語です。
雨、雪、霰(あられ)、霙(みぞれ)=降る
霞、霧、雲、風=立つ
霜、露=置く
というように動詞を使います。
空から落ちてくるもの=降る
空気の流れ=立つ
いつの間にかそこにあるもの=置く
という感じです。
かすみ=かすむ
きり=きる
くも=くもる
というように動詞となるものもあります。「きる」あたりが注意が必要ですね。
季節の移り変わりを表す動詞
つづいて、季節にいきましょう。
立つ=季節のはじめ、季節がはじまること=切り替わり
さる=その季節になること=その季節序盤
たく=盛りを迎えること・たけなわ=中盤
ふく=それが深くなること:更ける=終盤
というように季節は過ぎていきます。
「まく」というと「設く」で、ある時期になることを指します。
さらに、季節に沿った言葉づかいもあります。
春待つ=春を待つこと=冬の終わり
夏掛く=春から夏になること
秋暮る・果つ=秋から冬になること
こうした語を読みながら季節をつかむ問題は出題されます。
1・2・3月=むつき・きさらぎ・やよい=春
4・5・6月=うづき・さつき・みなづき=夏
7・8・9月=ふみづき:はづき・ながつき=秋
10・11・12月=かんなづき・しもづき・しはす=冬
ですから、こうした語と組み合わせて、空所を埋めるような問題はよく見ます。
もみづ=紅葉すること。
もみぢ=紅葉
つまり、「もみづ」の連用形が「もみぢ」です。このように名詞だけ残って動詞が消える例はよくあります。「おきつ→おきて」あたりが典型ですね。
覚えておくといいと思います。