古文単語の7回目は病気と死に関わる単語です。恋愛とともに、病気や死というのは物語のシチュエーションでとても多くあるものですよね。
だいぶ単語が進んできましたね。この間のところで、
主人公の「美」「立派」とそこにあこがれる「不快」あたりまで説明ができました。今日は物語にはつきものの、病気と死です。
病気になる=あつし・なやむ
病気をあらわすのはふたつ。
ひとつは、「悩む」です。これも現代語とちがうのでよく出ますね。これが病気で苦しむ感じです。
もうひとつは「あつし」。漢字では「篤し」で、危篤がイメージできればいいと思います。
「いたつく」も病気をあらわすケースがあります。「労つく」と書くとわかりやすいですね。「労る」でもいいです。「いたはる」です。「いたつく」と似ている感じですが、「大事に育てる」という意味と「病になる」という意味があります。
死を表す言葉はたくさんある
死はたくさんあります。
はかなし=たよりない=はかなくなる
イメージが近いのは、
むなし=むなしくなる
いたづら=いたづらになる
あたりも一緒。
かくる、まかる、みまかる
あたりは、この世の舞台から退場する、というイメージでしょう。
そして、最重要は、
おくる=現代語では「おくれる」ですね。
死におくれる、ということでしょう。
死なずに生き残っているというイメージ。つまり「先立たれる」というのがきれいな現代語訳です。
死とセットにしておきたいのはすでにやりましたが、
うしろめたし、うしろやすし
後ろを見ると痛い、後ろが安心
で、それぞれ死後のことを表すことが多いです。
「往生」は死ぬことだけでなく、ちゃんと極楽浄土に行くことを指していますので、死なないと往生できないんですけど、死んだからといって往生するとは限らないんですね。
困ず・念ず
それぞれ両方、サ変動詞。名詞+す、ですからね。
困ず=疲れる
念ず=我慢する
です。これも病気に関わるイメージですが、意味が現代語と微妙に違うのと、サ変であることを忘れずに。
治るのは「おこたる」
治ると「おこたる」。これも間違いやすいですね。
ただでさえ、間違えそうなのに、「おこたり」は謝罪と罪になるので、なおのこと注意が必要です。
ちなみに「罪」は罪とともに罰でもあります。これも当たり前のように見えて間違うんです。
罪行はれんこと
なんて、どう訳します?
罪を犯す、と訳したいところですが、
「罪」「行ふ」のあとに「れ」がありますよね?
受身です。
だから、罪が行われるようなこと、です。
だから、ここの罪は「罰」。
今日は数が少なかったですから、しっかり覚えましょう。