国語の真似び(まねび) 受験と授業の国語の学習方法 

中学受験から大学受験までを対象として国語の学習方法を説明します。現代文、古文、漢文、そして小論文や作文、漢字まで楽しく学習しましょう!

「よい(よし)」「ない(なし)」で形容詞の活用を確認! 古典文法 形容詞

動詞の活用が終わりまして、形容詞です。

意外とみなさん忘れるんですよね。現代語をイメージして忘れにくいやり方に変えませんか?

はやく、助動詞までいかないとなんのためにこんなことをやっているのかと思ってしまいますので、早く終わらせて助動詞までかけぬけたいと思います。
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で、動詞の活用は「覚えない」で、「現代語の感覚に頼る」ということでした。形容詞も全く同じ。

なので、どんどん終わらせましょう!

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現代語で「~い」で終わるか「~しい」で終わるか

現代語の形容詞は「~い」で終わるものですね。

白い

明るい

美しい

恥ずかしい

つらい

うるわしい

 みたいな感じです。

こういうのが形容詞。英語と考え方が違うのでちょっと注意。日本語はとにかく「~い」で終わることが条件です。

で、これを2種類に分けると

白い・明るい・つらい→ク活用

美しい・恥ずかしい・うるわしい→シク活用

になります。現代語で考えたとき、

「~い」→ク活用

「~しい」→シク活用

です。

古文になると、

白し・あかるし・つらし→「い」が「し」に変わる

うつくし・はづかし・うるはし→「い」がとれて「し」

ということで、古文で見ると、違いがなくなってしまいますので、ポイントとしては、

現代語でイメージして「~い」か「~しい」かを考える

ということですね。これ、結構なポイントです。 

 

「ク活用」「シク活用」は最初が、「~く」「~しく」だから。現代語の感覚で活用させる。

次のポイントは、

「ク活用」「シク活用」っていうのは、最初が「く」「しく」だから。

ということです。

最初は「ク」ということですね。

たとえば、「よい」は「よし」になりますが、まず、さっきのポイントの通り、「~い」で終わっていますから、「ク活用」ですね。

ここからは、動詞と同じように、つける言葉だけ思い出して、語感にたよりましょう。

〇〇ず

〇〇て

〇〇。

〇〇こと

〇〇ど

〇〇!命令

というイメージですね。

次のポイントは「最初は「く」」ですから、

よく・ず

となります‥‥。違和感ありまくり‥。

そうなんです。「よい」のイメージで「よく」とすると、現代語でも使いますよね?

「よくあることだよね」

「よくいうよ」

「よくてこんなもんじゃない」

なんて使い方です。意識はしてませんが、意識してみると、つながっているのは動詞、または「て」とか「、」のイメージ。つまり、これは連用形ですね。

というわけで、「形容詞の未然形はない」という説がひろがっております。私自身はあると思いますが、なかなかそう主張してもしかたがないので、「未然形がない」といったん考えてみましょう。

でも、でも。

形容詞が「ず」につかないと困りますよね。

現代語だって「よい」が「よく」「ない」になりますし。困りますよね。

というわけで、

「よく」〇〇「ず」という風に、何かをかりてきて、「よくない」を作るわけです。

何が入るかわかりますよね?

「よく」「あら」「ず」

と、「あり」を借りてくるわけですね。

この段階では、よく=形容詞連用形・あら=動詞未然形・ず=打消の助動詞なんですが、これを使っているうちに、

よくあらず、よくあらず、よくあらず、よくあらず、よくあらず‥使っているうちに

よから・ず

になってしまったわけです。

そうなると、「よく・あら」と分解できていたものができなくなったので、

「しょうがない。全部形容詞」ということにするしかなくなりました。

というわけで、形容詞には二段目(カリ活用)なんて呼んだりしますが、それができてしまいました。

戻ります。未然形はなくて、連用形でしたよね。

よく・て

です。考えてみれば全く現代語と同じ。これが、形容詞のスタートです。だから、語感を信じましょう。

たとえば小さい子が、

「きれい」を「きれくて」と言ってみたり

「違う」を「ちがくて」と言ってみたりしますよね?

「きれい」は本来「きれいだ」という形容動詞ですから、「きれいで」と活用するわけですが、「きれい」と「い」で終わっているから形容詞と同じように活用させてしまうわけです。

「違う」は動詞ですから「違って」のはずですよね?でも「違い」という名詞が横にあると、つい「違い」という形容詞のように活用させると「違くて」とくるわけです。

このぐらい、私たちの語感は、言葉の似ていることをかぎつけて間違ってしまうぐらいの感覚なんですから、これを使わない手はないのです。

 

「よし」「なし」で練習しましょう。

 というわけで、解説終わり。

では、「よし」でやってみましょう。

〇〇ず

〇〇て

〇〇。

〇〇こと

〇〇ど

〇〇!命令

 につけていけばよいのです。

ク活用ですから、最初は「く」、です。

未然形 よく・ず は変だから、よくあらず=よからず。だからこれは二段目ですね。

連用形 よく・て よくてこんなもんだね。

終止形 よし。 古文ぽくね。

連体形 よき・こと 仲良きことは美しきかな。

已然形 よけれ・ど ここだけは、古文の感覚なんですが、「ど」につけると、「よいけど」となるので、意外と違和感がないかも。

では、よから・ず の流れも。

未然形 よから・ず

連用形 よかり・けり 助動詞につくときは「あり」が必要になりますね。

終止形 よかり。なんてなることもないわけではなく。

連体形 よかるべし。助動詞につくときは、やっぱり「あり」が必要になりますね。

已然形 一応なし、となっています。

命令形 よかれ。よくあれ、ですね。おかあさん、よかれと思っていってるのよ、という感じ。

できあがりです。いかがでしょう。

では、「ない=なし」で練習してみましょう。

最初のポイントは?

ク活用は最初が「く」でしたね。

あとは

〇〇ず

〇〇て

〇〇。

〇〇こと

〇〇ど

〇〇!命令

 につけていく‥

大丈夫ですか?

やりましたか?

では、答え合わせ。

なく・ず は変なので、「なく・あら・ず」で「なから・ず」。これが二段目。

なく・て なくて困った‥

なし。 普通ですね

なき・こと なきものにしてやる!

なけれど 

二段目です。

なから・ず さもなからん

なかり・けり

なかり。

なかる・べし

× 已然形はなし、ですね。

なかれ なくあれ。君死にたまふことなかれ、です。

以上です。

最後にシク活用でもう一度。

「美しい」でどうでしょう?

シク活用ですから、最初が「しく」ですね。

あとはつなげてみましょう。

では、答え合わせ。

うつくしく・ず は変だから うつくしくあらず、で うつくしから・ず

うつくしく・て 普通です

うつくし。

うつくしき・こと

うつくしけれ・ど

二段目

うつくしから・ず

うつくしかり・けり

うつくしかり。

うつくしかる・べし

×

うつくしかれ! うつくしく・あれ!ですね。

一応、未然形の話

未然形の「よく」はないのか、という話ですが、たとえば「ば」につくと考えることができますよね。

あわよくば

さもなくば

なんていう感じです。

そもそも、

未然形というのは「まだそうなってない」形、という意味です。

已然形は「すでにそうなっている」形、という意味。

それぞれ、未然形につくのは、「む」とか「ず」とか、まだそうなっていないという意味の言葉。

已然形は「り」などもうそうなっている言葉。

だから、

未然形+ば=仮定条件

已然形+ば=確定条件

なんて仰々しく説明しますが、

未然形+ば=咲かば=まだ花が咲いていない=咲いたら

已然形+ば=咲けば=もう花が咲いている=咲いたので

となるわけですね。

戻ります。

だから、

よくば・なくば も未然形+ば、の方がいいと思うんですが、形容詞では、未然形はない、ということになってしまうので、

仮定条件は「連用形+ば」で説明されたりします。

わかりにくいし、混乱しますが、しかたがない。

ということで形容詞でした。

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このあと助動詞に突入しますが、動詞の活用は復習しておいてくださいね。

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