古文単語のシリーズです。今日は強引さや強さを表す単語を説明します。
古文単語を意味分類でまとめています。
今日の単語は「強」という漢字に象徴されるような、強引さ、強さにあたるような単語をまとめます。
- 「強」という漢字は、「あながち」と「しいて」
- 「敢」という漢字は「あへて」をベースに様々な展開を考える
- 「態」は「わざと」、現代語では「わざわざ」
- 「直」は「なお」と「ひた」と読む
- 「あなどる」と「あらがふ」
「強」という漢字は、「あながち」と「しいて」
強引さ、強さを表す単語は「強」。
読みは「あながち」。無理に、とか、しいて、とかいうイメージがつけばOKです。
どうしても、「あながち」の意味がやや現代語では変わっているために間違う。
なので、「あながち」に「強」という漢字が浮かぶことが大事です。
「敢」という漢字は「あへて」をベースに様々な展開を考える
「敢」という漢字が現代語で残っているのは、「あえて」でしょうね。
「あえて~する」というように、「強いて」「無理に」というところでしょう。
これは、もともと「あふ=敢ふ」という動詞であるわけですね。
なので、この「敢ふ」には、
「なんとか負けまいとする」「~し遂げる・耐える」という意味があるわけです。
だから「あえて」は「がまんして・負けまいとして」というような感じです。
ここから進めましょう。
「あへず」となると、否定ですから、「耐えきれない」というところ。
「あへなし」も同じように打ち消して「はりあいがない」「どうしようもない」。「あへず」が助動詞の「ず」に対して、形容詞の「なし」ですから、ニュアンスも「~がない」というようになります。
「あへなむ」は、「あふ」に「ぬ+む」です。なので、「かまわないことにしよう」「多めにみてあげよう」「仕方ないだろう」というような慣用表現です。
「態」は「わざと」、現代語では「わざわざ」
「わざと」ときたら「わざわざ」と展開しましょう。
特別に、正式に、というような、手間をかける感じにもなっていきます。
「直」は「なお」と「ひた」と読む
「直」の読みは「なお」と「ひた」。
「ひた」と読むイメージは、「ひたすら」「ひたむき」「ひたぶる」というような感じ。「ひたぶる」は「ひた」の動詞形です。
「なお」と読むのは、形容詞で「なおし」。
まっすぐな様子をいいます。
「あなどる」と「あらがふ」
最後に、「あなどる」は「あなづる」とか、形容詞になって「あなづらはし」などというようになります。
「あらがふ」は「抗ふ」で、言い争ったり、張り合ったりする感じです。