国語の真似び(まねび) 受験と授業の国語の学習方法 

中学受験から大学受験までを対象として国語の学習方法を説明します。現代文、古文、漢文、そして小論文や作文、漢字まで楽しく学習しましょう!

超簡単!古文の品詞分解のやり方と方法。「動詞の活用」「助動詞の接続」「助動詞の意味」を忘れなくなる! 使える助動詞の理解5 古典文法

ようやく、とりあえず品詞分解ができるところまで説明が終わりました。先に進みたいのですが、何ができるか、ということをここまでで示しつつ、復習してみたいと思います。

もし、不安があるなら、最低限次のものを復習しておいてください。

特に「意味」の部分については、あまりこういう整理をしていないはずなので、読んでおかないと何を言っているかわからないかもしれません。
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 では、品詞分解を実践練習してみましょう。

 

品詞分解の仕方

わからないときには品詞分解をする。

品詞分解の仕方は以下の通り。

  1. 動詞を探して、活用させる。
  2. 活用形から、助動詞の接続の分類をもとにして、助動詞の「アタリ」をつける。
  3. 助動詞がわかったら、その意味=訳が言える

ということでした。

というわけで使うのは、

  1. 動詞の活用 「ず・て・。・こと・ど・命令!」
  2. 助動詞の接続リスト「未然形:む・ず・むず・す・る・じ・まし・まほし・り、連用形:き・つ・ぬ・けむ・たし・けり・たり、終止形:らむ・まじ・めり・なり・べし、連体形:なり・たり・ごとし、已然形:り・サ未四已」
  3. 助動詞の意味のリスト「当たり前の打消:ず、断定:なり・たり、現代語の受身:る・らる、使役:す・さす、時制のグループ、最初は過去:き・けり、未来:む・べし、次が進行:たり・りと完了つ・ぬ」「未来の輪、む、横に強めのべし、下に現在過去のらむ・けむ、目と音のめり・なり、反対の横はべしに似て、まし、頭は3つ、まほし・らし・たし、最後に反対のじ・まじ」

ですね。準備はよろしいでしょうか。では練習してみましょう。

実践練習

  1. 咲きにき。
  2. 咲きにけり。
  3. 咲きたりき。
  4. 咲けりけり。
  5. 捨ててむ。
  6. 食べてき。
  7. 落ちてけり。
  8. 咲きなむ。
  9. 咲けるべし。
  10. 咲きぬべし。
  11. 咲きたらむ。
  12. 咲きにたり。
  13. 投げつらむ。

さあ、いかがでしょうか。これらの訳を考えてみてください。

 

答え合わせ

 さて、やることはわかるでしょうか?

  1. 動詞を現代語でみつけ活用させる。
  2. 活用形から接続を使って、あたりをつける。
  3. あたりがついたら意味を見つける。

の順番です。

もし、できなかったら、1とかを読んで、自分で2をやってみる。それもだめなら2も読んで、自分で3をやってみる…というように少しでも自分でやりましょう。

咲きにき。

  1. 動詞は咲くですね。活用させると「咲かず・咲きて・咲く。・咲くこと・咲けど・咲け」です。したがって連用形。
  2. 連用形ということは続く「にき」が連用形接続の何かです。「未然形:む・ず・むず・す・る・じ・まし・まほし・り、連用形:き・つ・ぬ・けむ・たし・けり・たり、終止形:らむ・まじ・めり・なり・べし、連体形:なり・たり・ごとし、已然形:り・サ未四已」ですね。つまり、「き・つ・ぬ・けむ・たし・けり・たり」のどれかです。「にき」になりそうなイメージは「ぬ」。「ぬ」は「に」だけですね。「にき」は無理でしょう。というわけで、下には「き」
  3. 意味の箱をあけます。「当たり前の打消:ず、断定:なり・たり、現代語の受身:る・らる、使役:す・さす、時制のグループ、最初は過去:き・けり、未来:む・べし、次が進行:たり・りと完了つ・ぬ」「未来の輪、む、横に強めのべし、下に現在過去のらむ・けむ、目と音のめり・なり、反対の横はべしに似て、まし、頭は3つ、まほし・らし・たし、最後に反対のじ・まじ」です。したがって、最初が「つ・ぬ」「完了=てしまう」、次の「き・けり」は過去=た
  4. ということで、「咲いてしまった」
  5. ちなみに「に」は何形?まだ活用やってないけど、連用形です。だって、「き」は連用形接続ですから。なので活用は覚えてなくてもなんとかなります。

いかがですか?わからなければ、覚えた箱を全部あけてどこに入っているか探すイメージです。

では、続いて練習です。 

咲きにけり。

  1. 動詞を探します。「咲く」活用させましょう。さっきと同じです。「咲かず・咲きて・咲く。・咲くこと・咲けど・咲け」です。したがって連用形。
  2. 連用形接続の助動詞です。順番に箱をあけると、「未然形:む・ず・むず・す・る・じ・まし・まほし・り、連用形:き・つ・ぬ・けむ・たし・けり・たり、終止形:らむ・まじ・めり・なり・べし、連体形:なり・たり・ごとし、已然形:り・サ未四已」ですね。つまり、「き・つ・ぬ・けむ・たし・けり・たり」のどれかです。あれ、やっぱり「ぬ」ですね。
  3. ということは、同じなんですけど、不安なら箱をあけましょう。「当たり前の打消:ず、断定:なり・たり、現代語の受身:る・らる、使役:す・さす、時制のグループ、最初は過去:き・けり、未来:む・べし、次が進行:たり・りと完了つ・ぬ」というわけで、「つ・ぬ」は完了で「てしまう」、「き・けり」は過去で「た」
  4. というわけで、「咲いてしまった」
  5. 「に」は「けり」の上だから連用形ですね。

大丈夫ですか?やることはひたすら同じです。

咲きたりき。

  1. 動詞を探します。「咲く」活用させましょう。さっきと同じです。「咲かず・咲きて・咲く。・咲くこと・咲けど・咲け」です。ありゃりゃ、またまた連用形。
  2. だから、連用形接続です。いきなり連用形にいってもいいですよ。だめなら最初からね。「未然形:む・ず・むず・す・る・じ・まし・まほし・り、連用形:き・つ・ぬ・けむ・たし・けり・たり、終止形:らむ・まじ・めり・なり・べし、連体形:なり・たり・ごとし、已然形:り・サ未四已」ですね。つまり、「き・つ・ぬ・けむ・たし・けり・たり」のどれかです。でも、今度はたぶん「たり」でしょうね。
  3. ようやく違う助動詞がきました!でもわからないならやることは一緒。箱をあけていきますよ。「当たり前の打消:ず、断定:なり・たり、現代語の受身:る・らる、使役:す・さす、時制のグループ、最初は過去:き・けり、未来:む・べし、次が進行:たり・りと完了つ・ぬ」というわけで、「たり・り」は進行形でしたね。「ている」。「き・けり」は過去です。
  4. 咲いていた。
  5. 「たり」は「けり」の上だから連用形。

どうですか?いやでも、グループ分けが頭の中に入ってくるでしょ?使い続けているからです。できないほど使う。だから、できない人ほど忘れられません。

では、しつこくいきますよ。

 

咲けりけり。

咲けりけり、って、なんだか変な感じです。でもやることは同じ。

  1. 動詞を探します。「咲く」活用させましょう。さっきと同じです。「咲かず・咲きて・咲く。・咲くこと・咲けど・咲け」です。というわけで初の已然形。
  2. とはいえ、さっと出てこないなら、最初から同じように探します。「未然形:む・ず・むず・す・る・じ・まし・まほし・り、連用形:き・つ・ぬ・けむ・たし・けり・たり、終止形:らむ・まじ・めり・なり・べし、連体形:なり・たり・ごとし、已然形:り・サ未四已」というわけで、已然形ですから「り」ですね。
  3. 「り」って何じゃ?と思うなら、意味の箱をあけます。「当たり前の打消:ず、断定:なり・たり、現代語の受身:る・らる、使役:す・さす、時制のグループ、最初は過去:き・けり、未来:む・べし、次が進行:たり・りと完了つ・ぬ」ですね。「たり・り」ですから、進行形存続で「ている」。「き・けり」は、「過去=た」。
  4. ということで、「咲いていた」
  5. 「り」は「けり」の上ですから、連用形。

捨ててむ。

さあ、動詞を変えてみました。でも、やることは一緒ですよ。

  1. 動詞は現代語で、「捨てる」ですね。「る」で終わるパターンは古文では「る」をとってuに変える感じ。活用させてしまいましょう。「捨てず、捨てて、捨てつ。、捨つること、捨つれど、捨てよ」です。というわけで、「捨て」までが動詞で、今回は未然形か連用形。もちろん、どっちかなのですが、この段階では決められないですよね。
  2. 残ったのは「てむ」。というわけで、接続はふたつの箱をみることになります。「未然形:む・ず・むず・す・る・じ・まし・まほし・り、連用形:き・つ・ぬ・けむ・たし・けり・たり、終止形:らむ・まじ・めり・なり・べし、連体形:なり・たり・ごとし、已然形:り・サ未四已」未然形か連用形ですから、「未然形:む・ず・むず・す・る・じ・まし・まほし・り、連用形:き・つ・ぬ・けむ・たし・けり・たり」の中で「てむ」とくれば、「つ」でしょう。で「む」が残る。だから、動詞「捨て」は連用形ですね。
  3. 意味の箱は同じ。「当たり前の打消:ず、断定:なり・たり、現代語の受身:る・らる、使役:す・さす、時制のグループ、最初は過去:き・けり、未来:む・べし、次が進行:たり・りと完了つ・ぬ」で「つ・ぬ」は完了、「む」は推量です。
  4. というわけで、「捨ててしまうだろう」、もしくは「捨ててしまおう」です。これは主語が何かによるんでしたね。前が推量、後が意志。
  5. 「て」は未然形。「む」の上だから。
  6. で終わりたいところですが、推量の助動詞の上に来た完了は「強意」です。だから、「きっと捨てるだろう」でもいいのですが、「きっと捨てよう」は今一つですね。だから強意でも訳としては「てしまう」は頭に残しておきましょう。

食べてき。

さあ、また違う動詞で練習。

  1. 食べる、ですね。「る」で終わってますよ。なので「食べず・食べて・食ぶ・食ぶること・食ぶれど、食べよ」です。というわけで、また未然形か連用形。
  2. さっきと同じ。そろそろ書きませんよ。「て」ですから、もう大丈夫ですね。「つ」でしょう。
  3. 「つ」とくれば、もう大丈夫かな?「つ・ぬ」で完了ですね。「き・けり」は過去。
  4. というわけで、「食べてしまった」
  5. 「て」は連用形ですね。

落ちてけり。

  1. 落ちる、です。「る」パターン。「落ちず・落ちて・落つ。落つること・落つれど、落ちよ」ですから、また、未然形か連用です。
  2. 「て」は未然形、連用形接続から探せば、やっぱり「つ」ですよね?
  3. 「つ」とくれば、いい加減大丈夫ですよね?「つ・ぬ」で完了、「き・けり」は過去。
  4. 落ちてしまった。
  5. 「て」はやっぱり連用形。

咲きなむ。

「咲く」に戻りました。

  1. 咲き、ですから、連用形。
  2. ということは「ぬ」
  3. 「つ・ぬ」は完了、「む・べし」は推量
  4. 咲いてしまうだろう
  5. 「な」は未然形、「む」の上だから。
  6. 完了じゃなくて強意。きっと咲くだろう、でもOK。

咲けるべし。

  1. 咲く、ですね。已然形です。
  2. りかちゃん、さみしいです。「り」
  3. 「たり・り」は存続、「む・べし」は推量
  4. 咲いているだろう、です。
  5. べし、の上は終止形、といきたいところですが、連体形ですね。「り」は終止形が「i」ですから、「u」につくために連体形をとります。

 

咲きぬべし。

  1. 咲く、です。連用形。
  2. 連用形とくれば…「ぬ」でしょうね。
  3. 「つ・ぬ」は完了
  4. 咲いてしまうだろう。
  5. ぬ、は終止形。べし、の上ですから。
  6. でも、完了じゃなくて強意。きっと咲くだろう、でもいいんですよね。

咲きたらむ。

  1. まずは咲く。しつこい。連用形ですね。
  2. 連用形なので、「たり」でしょうね。
  3. 「たり・り」は存続=進行形、です。「む・べし」は「だろう」ですね。
  4. というわけで、咲いているだろう、です。
  5. 終止形、と言いたいところですが、「たる」ですから連体形です。

咲きにたり。

  1. 咲く、です。連用形です。
  2. とくれば、「ぬ」でしょう。
  3. というわけで、「つ・ぬ」は完了、「たり・り」は存続=進行形
  4. とすると、咲いてしまっている、ですね。
  5. たり、の上ですから、連用形です。

投げつらむ。

最後です。動詞を変えましたよ。

  1. 投げる、ですね。「る」ですから古文は「投ぐ」です。「投げず・投げて・投ぐ・投ぐること・投ぐれど・投げよ」という形。未然形か連用形。
  2. つらむ、をイメージすると、やはり、「つ」でしょう。とすると、切れるのは「つ」「らむ」ですね。
  3. 「つ・ぬ」は完了、「らむ」は?「当たり前の打消:ず、断定:なり・たり、現代語の受身:る・らる、使役:す・さす、時制のグループ、最初は過去:き・けり、未来:む・べし、次が進行:たり・りと完了つ・ぬ」あれ?入ってないですね。ということは未来の輪です。「未来の輪、む、横に強めのべし、下に現在過去のらむ・けむ、目と音のめり・なり、反対の横はべしに似て、まし、頭は3つ、まほし・らし・たし、最後に反対のじ・まじ」…ありました。+現在だから、「ているだろう」ですね。
  4. したがって、投げってしまっているだろう、もしくは、投げてしまっていよう、という感じ。推量か意志か。
  5. つ、は終止形ですね。らむ、の上だから。
  6. と待ってください。推量の上は強意、です。したがって、「きっと投げているだろう」もあり。現在意志ととると、「きっと」はいれにくいですね。

 さっきから、完了の「つ・ぬ」と存続の「たり・り」ばかりなんですけど…

以上です。なんだか同じことばっかりでしたね。そもそも、最初の動詞がほぼ連用形。それもそのはずで、「つ・ぬ・たり」が連用形接続だからです。たまに「り」ですね。

ほかの助動詞やらないと意味なくないですか?

なんて声が聞こえてきそうですが、これでいいんです。

なぜかというと、助動詞にはつく順番というものがありまして、上にくるやつと下にくるやつがいるんですね。

現代語で

咲いた

咲かない

咲いている

を全部つないでください。

咲いていなかった

ですね。

そうなんです。「咲いたないっている」なんてつなげないんです。

上にくる助動詞は下にくる助動詞に接続する必要がある。

だから、未然形や連用形が必要なんですね。

それに対して下にばかりくる助動詞は、独自で活用する部分、終止形、連体形、已然形(係り結び、ですよね。)だけもっていればこと足りる。

活用表の〇は「活用がない」「活用しない」ということですが、これは下にくる助動詞なんです。

けりをつける

という表現は、蹴飛ばすんではなく、「助動詞のけりをつけたら、もう終わりだよ」ということで、「ピリオドを打つ・終止符をうつ」と同じ表現。

では、未然形・連用形を持っている助動詞は…

る・らる・す・さす・しむ

これらは、私が現代語グループと呼ぶもの

つまり、現代語で理解できるので、絶対本文で見つけられるし、無意識に訳せます。(自発とかは理解しないとだめだけど…)活用も余裕。

遊ばせる。食べさせる。読まれる。投げられる…など、これをひとつの動詞と思って活用させれば、絶対できます。だから大丈夫。

ず・なり・たり

これは打消しと断定の「当たり前グループ」。日本人なら知っていて当たり前グループ。だからあまり違和感がないはず。打消しは活用するとき、特に助動詞に続くときには「あり」を借りて「ず・あり」みたいになって「ざり」と動きますね。でも絶対わかると思う。

となると、

残りは…

べし・まじ

まし

まほし・たし

で、全部形容詞グループ。(まし、は正確にいうと違いますが、これもまた今度)

これらは、ほかの助動詞が下にくるわけではなく、助詞とかにくっつくために持っているので、品詞分解としては覚えなくても大丈夫。

というわけで、実際に品詞分解で紛れ込むのは

完了つ・ぬ、存続たり・り

だけなんですね。

と考えてみると今日の練習ってやっておけば、ほぼ終わり、ってことですよね。

なので、がんばって復習しましょう。

では。

次回は今日の話を系統だてて整理しておきます。