国語の真似び(まねび) 受験と授業の国語の学習方法 

中学受験から大学受験までを対象として国語の学習方法を説明します。現代文、古文、漢文、そして小論文や作文、漢字まで楽しく学習しましょう!

国立前期直前 小論文や国語の要約・意見まとめの直前即効性のあるアドバイス!

国立大学の国語の問題の中には、小論文的な問題が隠れていることがありますね。今日は、短期間でなんとかするために具体的なアドバイスをしてみたいと思います。

国立大学の国語の問題の中には小論文のような、自分の意見を書く問題がまぎれているケースがあります。首都大学東京やお茶の水女子など。要約だったら一橋もありますよね。

学校では、こうした指導を求める生徒が出て来ましたので、簡単にアドバイスをしておきたいと思います。

 

小論文の指導は意外と難しい~本当は言われたことをやるだけ!

小論文は本当はとても簡単です。特に国語の問題の最後におまけ程度についている時には。なぜかというと、200字とか300字とかでは難しいことを求めているはずがないからです。

つまり、

  1. 文章が読める、わかること
  2. 指示通りに書くこと

というこの程度しか求めていません。

でも、これが生徒には難しいみたい。

変に小論文の勉強を読みあさって、あるいは先生のところにいって、余計なことをはじめるんです。

余計なことの典型例が、

  1. 起承転結で書く。
  2. 賛成・反対を書く。そしてその理由を書く。反対の立場をやっつける。まとめる。

といった指導。

200字から300字でこんなこと書けるわけないし、仮に800~1000字あったって、そうすることがいいとは限りません。

それは、以下でまとめています。

www.kokugo-manebi.tokyo

小論文て、本当は国語の先生が指導するより、それぞれの専門家が指導するべきなんです。だって、私に工学部の大学生の論文指導ができるわけないし、法学部の論文指導なんてできるわけないんだから。

特に読んでほしいのは、

www.kokugo-manebi.tokyo

www.kokugo-manebi.tokyo

 ではありますが、まあ、小論文ではなく、国語の一部だとするなら、そんなに構えなくても大丈夫。なにしろ字数がないですから。

そうなんです。今回は、国語の一部だと考えるなら、結構、簡単に指導できるかもしれません。

 

即効性アドバイス1「一番重要なことは、本文を自分の頭でしっかりわかること」

まず、国語の教員が、国語の問題としてとらえるなら、第一の採点基準は、本文をしっかり読めているかどうかに全てがかかります。

これが採点基準の全てといってもいいです。200字から400字程度で、仮に自分の意見を書かせるとしても、これは、

本文で読んだ内容をきちんと理解し、正しい例をもってこれるかどうか

あるいは、

本文で読んだ内容をきちんと理解し、自分の言葉で説明できるかどうか

程度しか見ることができないはずです。

たとえば、一橋大学の要約問題の場合、よくできているなあ、と感心するのは、指定された字数で要約しようとすると、どうしても本文を切り取って貼り付けるだけでは、入りきらない、あるいは、必要なところをカットして、読み直した時につながりを欠いたわかりにくい文章になるようにできていることです。

きちんとわかりやすく書くためには、どうしても自分の言葉で言い換えないといけない。

国語の問題の中で、こうしたものが問われるというのは、ある意味ではやはり小論文ではなく、まずは、読めているかどうかがしっかり問われているということです。

まあ、小論文でも基本の基本ですけどね。

 

即効性アドバイス2「指示の通りに、書くポイントを決めること」

続いて、これが大事。

今日教えてきたお茶の水女子大の問題は本文を読んだ上で次のような出題になっていました。

「本文の論旨をふまえて「心のはたらき」について、あなたの考えることを具体的な経験をふまえて書きなさい」

というような感じ。

さて、こうなった場合、書かなければいけないことはどういうことでしょうか?これを指示にしたがった書き方で構成を立ててみます。

  1. 筆者は(本文は)「心のはたらき」を~ととらえている。
  2. それに対して、私は「心のはたらき」を~と考える。(「心のはたらき」の~について~と考える)
  3. たとえば、私には~という経験がある。

これだけです。これで十分指定字数を満たします。裏返せば、これ以上余計なことを書くと、上記の3つの必要なものが欠落する可能性が高いんですね。

この中で特に重要なことは、この問題が「心のはたらき」について書け、といっているところ。

だとすれば、文章は、

「心のはたらき」は〇〇だ。

とか

「心のはたらき」の〇〇は××をもたらす。

などの表現であふれるはず。

だからこそ、「本文の論旨」も「心のはたらき」から始まります。

これ、意外とできないんです。もし、あなたがこういう問題を解いたなら、まずチェックしてください。入ってますか?「心のはたらき」。入っていなければ、その時点で非常にまずいです。なにしろ指示にしたがってないですから。

やっかいなのは、もし問題が次のようだったら、どうなるでしょう?

「本文の論旨をふまえて、あなたの思うところを書け」

そうです。実は何も変わらない。

本文の論旨とは、

X=A つまり Xテーマ語 = A言いたいこと

ですから、テーマ語を自分で探してくるだけですから、先ほどのお茶の水の問題なら、当然、「心のはたらき」というテーマ語を設定しないとたいへんなことになりかねません。

で、「本文の論旨をふまえる」以上、自分の意見も、同じテーマ語を設定して論じないといけない。

で、自分らしさとは自分の言葉におきかえること、つまり、自分なりの具体例、それは経験ということになるんですけど、それを書く。

実はお茶の水の問題とまったくやることは一緒です。

これが国語の問題としての小論文の採点。

まず、本文の内容が読めたかどうか。

そして、指示通りに書いたかどうか。

わかりました?

もちろん、この採点しやすい指示には、

「〇〇という意見について、あなたは賛成か反対か。どちらかの立場を選び、その理由について述べよ」

というものがあります。この場合、書くことは、

  1. 筆者は××という理由で〇〇と述べている。
  2. それに対して私は賛成or反対である。
  3. その理由は、△△(具体例)である。

という構成になります。そうですよね?

 

というわけで、まずはこのふたつのことを意識して、問題にあたってみましょう!