国語の真似び(まねび) 受験と授業の国語の学習方法 

中学受験から大学受験までを対象として国語の学習方法を説明します。現代文、古文、漢文、そして小論文や作文、漢字まで楽しく学習しましょう!

小論文ってどうやって書くの?「出題の種類の分析・文章を書く手順、文章の構成」小論文の書き方その2

小論文シリーズの2回目です。

前回は、「小論文とは何か」ということがメインでした。今回は、小論文の書き方を具体的に説明していきたいと思います。

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小論文の構成~「結論→理由・根拠」か「理由・根拠→結論」か

さて、この間の最後は、

やるべきは、2ブロックか3ブロック。

  1. あなたの意見=これから書くことの要約
  2. 要約したことをひとつずつ詳しく
  3. まとめ=つまり、最初と同じ内容の繰り返し

2ブロックというのは800字程度なら、字数が少ないので、1か3をカットするのが無難、という話です。

では、どちらをカットするかといえば、3をカットします。

というところで終わりました。

どうして、3をカットするかというと、書きにくいからです。

間違いではありません。書きにくいから、先に結論を書くのです。

わかりませんか?

書きやすいのはなぜでしょうか?それは考えながら書けるからです

ぼくたち、日本人は、理由を考えてから結論を出す言語を生きています。古典でいうなら、「なぜなら」という表現がありませんよね?(だから、古典の試験の理由問題は、直前訳が答えになる確率が高い。)だから、まず理由を考え、それに合わせて結論を導き出すのです。

だから、理由から書くと書きやすい

(ちなみに英語は、「becouse」とあとに理由を述べますよね?「だから」を「so」なんてならったけど、ほとんど見ませんし。だからあの人達は先に答えを決めて、それから理由を考える言語を生きているんです。日本人は曖昧、なんて批判をしますが、逆にいえば、よく考えてできるだけ相手に寄り添う言語を生きているんです。英語が、まず敵対して、敵対する理由をのべていくのに対して)

戻ります。

書きやすい、ということは、「迷う」ということです。「迷っている」あとを見せるとも言えます。あるいは、迷っている間に字数を使い切るとも言えます。

字数を稼ぐことが第一だとすれば、これはベスト。

でも、「いい小論文」を書くとするなら、いいことはありません。

「迷う」のは「メモ」段階。そこでいろいろなことを考える。

そこから書くべき結論を決める。結論が決まるまで、原稿用紙に向かわない

そのためには、「結論が先」なんですね。

「いい小論文」とは何か?

そうです。ここでしっかりと押さえておきましょう。

大事なのは「簡単に書ける」「誰にでも書ける」「〇分で書ける」ではない。もっといえば、そういう書き方をすればするほど落ちる。

大事なのは、「誰にでも書けないことを書く」「格好いいことを書く」「深いところまで書く」ということです。

つまり、

  1. どんな風に書けるか、ネタから何パターンか書く方向を洗い出す。
  2. その中で、どれがネタとして優れているか選ぶ。
  3. そのネタで実際に展開パターンをメモする。
  4. 深いところに行く新たなネタが生まれれば、もう一度結論を変え、構成を考え直す。

というようなプロセスが必要なのです。

この図を見てください。

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「簡単に書ける」から「おもしろい・独創的」に移行する。手に負える範囲で格好いいネタを選ぼう!

たいてい皆さんは「書ける」で書いてしまいます。それではダメです。採点が、「書けた」と「書けない」の2種類なら、そうすべきです。

しかし、実際は中身まで踏み込んできます。小論文は間違いなく得点化されています。

だとすれば、重要なのは「おもしろい=独創的=深い=知っている」小論文かどうか。

もちろん、「死ぬほど書くのに苦しむけど、そこそこ独創的」というレベルに手を出すかどうかは勇気がいります。でも、「書くのはやや難しいけど、まあまあ独創的」ぐらいだったらやる価値があると思いません?

ていうか、やらなきゃだめですね。合格がかかっているんですから。

そして、そもそも、どうして書きやすくなるのか?それは、「何度も書いたから自分に身についた」以外にありえない。「書くことは考えること。書かないことは考えていないこと」です。

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そうすれば、書きにくかったことが書きやすいことに変わっていきます。それこそが小論文の準備の本質です。

もっというと出るテーマについて、「考えたことがない」「何を書いていいかわからない」「ネタがない」では、その時点で不合格といって間違いない。

「きっと、こういうことを書けっていうんだろうな」「あの話が使えそうだな」という状況にしておくのが、小論文の準備です。これは、そのうち、学部ごとの傾向として書いていこうと思います。たぶん慶応大学文系学部から始めます。

時間の使い方

その話はさておき、実際に書くために先に進みます。

ポイントは、

「書くべき結論と展開、書くべき順番が決まるまでは原稿用紙に向かわない」ということです。

これが重要。

さっきのマトリクスを思い出して、時間いっぱい考える。どれがおもしろいか。どの話を使えばいいか。どの話が浅くて当たり前で書かなくていいか。そういったことをしっかり考えてから書く。

受験会場で、「はじめ」の合図とともにいきなり書き始める受験生は、みんな不合格。書いては鉛筆をとめ、また鉛筆は動かしては止める。そんな受験生はみんな不合格。あなたは、じっとまずはメモをとる。メモに書きながら考える。

これが重要です。

では、時間いっぱいとはどのくらいか?

基本的に下書きがある前提で、書き写すのに、400字あたり7分程度かかります。800字なら15分ぐらい。たいていは下書きをしている余裕はありませんから、メモで書くことが決まっている状態で書くとするなら、倍の30分。ぎりぎりで終わるのは怖いから予備の時間を10分。字数によっては、この時間をこの計算で増やしましょう。

そうしたら、残り時間が与えられた文章や資料を読み、メモをとり、構成を考え、書くことを決める時間です。この時間いっぱい考え続けてよりよい内容を探しましょう。

小論文の「問いかけ」に答える。問題の形式1「答えの書き方のパターン」。

さて、それでは、一口に小論文といっても、どのようなパターンがあるか、考えていきましょう。

もちろん、大学が「うちは必ずこう出しますよ」と宣言しているわけではありませんが、ある程度のパターンは推測できますし、それは「大学によって出し方が違う」ということでもあります。

まず、この部分の最重要ポイントは、

問題にきちんと答える

という、このことにつきます。

塾で習った、学校で教わった、本に書いてあった…そんなことはすべてどうでもいいので、問題の設問に答えるというのが、基本中の基本、当たり前中の当たり前です。そうした当たり前を踏まえて、分類してみましょう。

ⅰ.分析型

資料や文章を分析し、出題に合わせて、問題点などを抜き出し、整理していきます。問題に「資料を読んで気付いたことを示し」なんていうのがあったら、このパターンですね。本格的になれば、慶応の環境情報や総合政策のように山ほどの資料を読まされ、また、細かい指示にしたがってまとめる、なんていうことになります。まずは、資料の分析がきちんとできるかどうか。そのうえで、自分の意見を書く場合には、その問題点に合わせて原因を分析し、解決策を明示します。したがって段落数は、問題点の整理した数に合わせて構成する形です。

ⅱ.読解意見型

筆者の文章をまとめ、その論点に合わせて、自分の意見や背景、同一の問題など、自分の知識を明示していきます。筆者の意見をいかに深め、自分なりの切り口を提示できるかが大きなポイントです。一番多い出題かもしれませんね。慶応大学でいえば、文学部や法学部がこうした出題が多いと思います。一般的に、①筆者の意見をまとめる②自分の視点を書く、という形になりますが、自分の意見は、このあとまとめる通り、例示や理由を示すことが大切になりますから、最低2段落、筆者のまとめがあるなら3段落以上になります。

ⅲ.政策(アイディア)提示型

課題がなんらかのアイディアや政策の提示を求めるものです。「意見」とは違って、「提案」を求めるのが大きな違い。総合政策や環境情報は、結論だけで言えば、この「政策(アイディア)提示型」です。だから、正確に資料を分析し、そのうえで「提案」をするわけですね。書くパターンとしては、①政策の提示②現状の問題点分析③その政策が実現すること④問題点とその解決策、といった構成になります。③以降はポイントに応じて段落が増えることもあるでしょう。

ⅳ.ディベート

筆者の意見に反論する、自分の立場を明示して反論を加える、などの指定が入る問題です。参考書などではこのパターンで書くように指示していることが多いですが、思っている以上にこのパターンを要求していることは少ないです。一時期慶応の文学部がこのパターンを連発しました。「次の中から自分の考えに近い立場を選び、意見を述べよ」というような問題でした。こういう指示があれば、当然①自分の立場の明示②その理由③相手の問題点の指摘④相手が指摘するだろう問題点への反論というような構成が一般的になっていきます。

小論文の問題の種類。問題の形式2「出題のパターン」

今度の分類は、小論文の問題の特徴で分類しました。どんな資料がついてくるかの分類。そういう分け方だと小論文の種類は大きく分けて次の3つ(その他いれて4つ)です。もちろん、いくらでも組み合わせられますし、異なるタイプもあるでしょう。

ⅰ.短文テーマ型

「○○について」などの形式です。多くはあまりレベルが高くない大学や推薦入試など小論文入試が重視されていない大学で実施されます。一部、芸術系や文学系などで、発想を問うためにこの形式が選ばれることもあります。上智大学の新聞とかはこのパターンですよね。

ⅱ.文章型

一番多いパターン。文章を与えられ、読解し、自分の意見を書くタイプです。まず、筆者の内容と論点、出題方針を見抜かないと、合格答案にいたりません。

ⅲ.資料読解型

グラフや表などの資料を読解し、自分の意見や分析を書くタイプです。人間科学や医療、教育などで多い出題です。まず、正確に資料を読み取り、その背景を自分の知識で埋めることが求められます。当然、対策の提示などが出題されてきます。最近は絵や写真の読み取りもありますね。発想を求めていることは間違いありませんが、その前提は、正しく読み取ることでしょう。

ⅳ.その他

数学や理科の問題であったり、英語や世界史の問題であったりするケースです。これらは小論文という名前の学力入試ですので、小論文と思うことをやめましょう。まずはしっかりとその問題を解けるようにすることです。書くのはそのうえでのこと。

 

というわけで今回はこのあたりで。次回は、書くときの具体的なアドバイスに入ります。