ここのところ、国語の真似びの更新が滞っておりましたが、「ドラゴン桜」が読解力をあつかったこともあるので久しぶりに見解を書いておきたいと思います。
ここのところ、国語の真似びの後進がおろそかになっております。
言葉を変えれば、だいぶ内容としては充実したので、興味がyoutubeなどで、より具体的に強化する方に動いている、実践的な取り組みをアップロードしたい、ということではあるんですが、いざ、補習的な更新を考えると、なかなか準備が面倒で後回しにしてしまっているといったところです。
そうこうしているうちにドラゴン桜が徐々に、学習方法を紹介するようになってまいりまして、先週は、国語の読解力についてのお話だったので、ちょっと今日は触れてみたいと思います。
- ドラゴン桜の振り返り「国語は科学」同等関係・対比関係・因果関係
- 国語は「科学」か?~国語という科目は存在しない。
- 同等・対比・因果で解けるか?~「構造」に加えて「内容」と「形式」が重要
- 東大入試、国立二次の記述問題を突破するために
ドラゴン桜の振り返り「国語は科学」同等関係・対比関係・因果関係
まずは見ていない方に、ざっくりとドラゴン桜の内容を紹介しておきましょう。
扱ったのは「要約」で、それを読解力という言葉で扱っていました。
「国語は科学」であり「建築」にのっとった「構造物」である、と。
国語の言いたいことはひとつ。そのひとつは言い換えていくのが文章。
そして、言い換えるパターンは、同等関係(つまり・このように)、対比関係(しかし・に対して)、因果関係(だから・なぜなら)で、できあがっており、これらを理解することで、文章を読み取ることが可能。
そして、東大の入試問題であっても、この3つの関係を聞いているのに過ぎない。
また、それは国語だけでなく、数学や社会であっても同じ。数式を同等関係で展開していくのが数学であり、教科書の知識を問題の形式に沿って、書き直すのが社会。
だから、この国語の3つの関係を理解して、読解力を高めることが、東大合格につながっていく。
まあ、大体、こんな感じだったんだと思うんですけど、たぶん。
これに関して、私の見解を書いていきますね。
国語は「科学」か?~国語という科目は存在しない。
まず、国語を「科学」とか「建築」という言葉で表現をしました。
特に、評論の場合、「言いたいことはひとつ」というのは、「そう、その通り」という拍手を送りたい気分でした。これはまさにその通り。
私のやり方で説明すると、これは「構造」と読んでいるものです。
「言いたいこと」は私の場合、「X=A」で示します。Xとはテーマに当たる言葉。これをAという、ある種の結論で説明するわけです。
文章の構造は、原則として、
1 言いたいこと X=A
2 例(たとえば) X’=A’
3 言いたいこと(つまり・このように) X=A
となります。
これ、ドラゴン桜の「同等関係」みたいな話ですね。
ポイントがもうひとつあって、この3まで展開したら、次は基本的に別の話になる、ということです。
つまり、
言いたいこと=例=言いたいこと
別の話 言いたいこと=例=言いたいこと
と展開するんですね。
たとえば、サッカーの日本代表を論評するとします。
そうすると、
海外組について=言いたいこと=例=言いたいこと
と展開する。これが一通り終わったら、別の話になりますよね?海外組とくるなら、次は国内組ですね。最初が守備なら次は攻撃とか。
これ、答えを探すときにも使えます。たとえば、最初の言いたいことに線を引いてあるなら、言い換えている場所は、次の例を飛び越えた「言いたいこと」があやしい。
最後の「言いたいこと」のAにあたる部分が空所になっている場合、抜き出すのは、ひとつ前の例をとびこえて、その前の「言いたいこと」が正解である、と。
まずはここを探して、それ以外のところは探さない。なぜなら、「別の話」だからです。
もちろん、話が終われば、「次の段落の冒頭」で今までの話をまとめるというのはよくあることですし、そのキーワードを次の話でも使う可能性はあります。
それにしても、「別の話」になっている、つまり「キーワード」が「A1」と「A2」だという意識になっていれば、探すのは結構楽になります。
ちなみに、私は対比関係は、この中に取り込んで説明しています。
X=Aを説明するためには、対立する「Y=B」が必要だということです。これさえも、言いたいことはX=Aであることに変わりありませんから、あくまでも、文章の構造は、
言いたいこと
例
言いたいこと
でいいのだと思っています。
さて、ここまで説明すると、ドラゴン桜の説明にかなり近い気がしてくると思いますが、しかし、あるところで決定的に違ってきます。
なぜなら、私にとって「構造」は、文章を読み解く説明にすぎないからです。
私の「国語」の説明は「国語という科目は存在しない」というものです。
たとえば、あなたが大学の授業で「マルクスの「資本論」」を学んだとします。難しくて内容が頭に入ってきませんでした。
そのとき、あなたは、これからどういう学習をしますか?
- 自分は読解力がない。したがって、帰りに現代文の問題集を買って「同等関係・対比関係・因果関係」を意識できるようにしよう。
- 自分はマルクスについてまったくわかっていない。したがって、帰りに、簡単に、基本から説明してくれている「資本論」を買って、もう少し「マルクスの「資本論」」を勉強しよう。
こんなの、当たり前で、2ですよね?
そうなんです。あくまでも、「構造」というのは、文章を理解する基本にすぎなくて、それが国語ではない。
国語の試験を突破するためには、もっと言い切って、「国語という科目はない」。つまり、あなたが文章を読めないのは、その文章が扱っている知識がないからなのだ、ということに気づく必要があります。
ドラゴン桜の内容が間違っているわけではありませんが、ああいう風に聞くと、
「内容は関係ない。テクニックがあればいい」
というように受け取る人が出てきそうです。しかし、違います。たとえば、ドラゴン桜でも社会については「教科書の知識を指定された形式で書き直す」と説明していました。つまり、知識が必要になるし、そもそも、「言い換え」とは本文から探すとは限りません。
言い換えるためには、あなたの表現力、語彙力、つまり知識が必要なんです。
だからこそ、その1週前のドラゴン桜は「語彙力」の話でした。「マジカルバナナ」をやって語彙を増やす…なんていうことも指導するわけで、だからドラゴン桜全体では、こういう部分が補完されているんだと思いますが、少なくとも、今回の話で国語ができるわけではないんです。
もう少し説明をしましょう。
同等・対比・因果で解けるか?~「構造」に加えて「内容」と「形式」が重要
今度は入試問題に沿って説明していきましょう。
たとえば、傍線部があるとします。
「傍線部はどういうことか」という問題があれば、これは、
「傍線部」と「選択肢」を照合する問題です。
決して、「選択肢」と「本文」を照合するわけではありません。
ぜひ、詳しく読んでみてくださいね。
「先生は不細工だ」という文に傍線が引いてあり、その説明を求められた場合、それは「不細工」の説明問題でしかありません。いくら本文に書いてあることばかりだとしていても、
- 国語の先生だ。
- 進路指導をしている。
- 男だ。
- ○○部の顧問だ
- 顔が変。
とあれば、答えは5です。仮に、本文には「顔が変」と書いてなかったとしても、です。
理由を聞く問題の場合、当然、答えは直前・直後です。ドラゴン桜でいえば、因果関係を使うのでしょう。
では、その部分を書き抜けば正解がもらえるのか?
たとえば、直後に「~だから」とあったとして、その直後の一文を写せば、東大入試で○がもらえるのでしょうか?
これ、おそらく、その直後の一文を、わかりやすく、自分の言葉で説明せよ、と言っているのではないでしょうか。
そこで求められているのは、結局は「知識」なんですね。
考えてみれば、「傍線部とはどういうことか」とは、すべてそういう問題だといえます。ちょっと長くしてみます。
「傍線部、こんな風に書いてありますね。ちょっとわかりにくいですよね。もう少しわかりやすく説明してくださいね。そうそう。もちろん、本文の別の、わかりやすい場所、あるんだったら、使っていいですよ。でもね、それでもわかりにくかったりするじゃないですか?だから、あなたの言葉も使ってね、できるだけわかりやすく説明してほしいんですよね。そうですよ、わかりやすければ、あなたの言葉でいいですよ。いくら本文にあってもわかりにくい説明じゃだめですからね」
こんなことじゃないですか。
あなたが先生に質問に行きます。傍線部がわからないんですね。そうすると、先生が本文の別の場所を示します。もちろん、その文がわかりやすければいいんですけど、やっぱりわかりにくいわけですね。だから、やっぱりそこも説明してほしい。
でも、先生は説明しない。本文の言葉だけで、本文の表現をなぞることしかしない。
どうですか?ちょっとイラッとしません?
これが入試問題の本質なんです。
だから、早稲田あたりの選択肢の問題をやっていくと、
「なんで、この正解だっていう選択肢に、本文の言葉がないんですか?こっちにはあるのに…」
とかいうのが出てくるんですけど、これは「いや、同じこと言っているから」としか言えません。
明治とか法政とか中央とかだと、
「なんで本文の言葉が書いてあるこっちの選択肢じゃなくて、全然書いていないこの選択肢が正解なんですか」
とか出てきて、それは「いやだって、傍線部は○○ってなってて、その君が言う言葉は本文にはあるけれど、その選択肢の言い換えにならないから」みたいなことが起こるんですね。
だからこそ、古文や漢文だったら、傍線部や根拠に含まれる、単語や文法、漢字や句法がわからなければゲームセット。
それが一番色濃く出るのが共通テストですが、記述だろうが、なんだろうが基本は同じなんですね。
ドラゴン桜に配慮すれば、それは「語彙力」なんですけど、もっとわかりやすくいうと、それは「知識」で、じゃあ「知識」をつけるためにはどうするのかっていうと、今、わからないっていってる、その文章をちゃんと読むしかない。
たとえていうなら、世界史がわからないときに、古典や日本史やってもしょうがないし、世界史の中でもイスラムがわからないときに、中国やっても仕方ないんですね。
わからないその文章が、あなたに欠けている「知識」そのものなんです。
東大入試、国立二次の記述問題を突破するために
まずは記述のパターンについて、書いておきます。
あの、ドラゴン桜の説明が罪深いのは、ドラゴン桜が「東大受験」のドラマであるということです。
前回のような説明は、初歩の初歩で、たとえば共通テストをただ突破するだけなら、ああいう説明でも、まだいいかなという気がするんです。
しかし、あのドラマは「東大受験」。
私からすると、東大の現代文は、
「本文がよくわからなかったけれど、とりあえず、この辺書いとけばいいんでしょ?」
というような対処では、ほとんど点が入らないとふんでいるんです。
東大の現代文は、
- とにかく、書いてある内容がわかる。
- 質問していることがわかる。
- それをふまえて、わかりやすく自分の言葉で説明する。
というシンプルなことが要求されています。
だから、まず、与えられた文章がわかるかどうか。
確かに、その一歩目としては、「文章構造」は重要です。
でも、いくら構造がわかっても、頭の中に入ってこなければだめ。
つまり、わからなかったら、その言っていることをわかるようにしないといけない。だって、大学の講義っていうのは、もちろん、はじめて習うことなんだけど、聞いてもわからないとするなら、その人にはレベルが合ってないってことですよね?
あらかじめわかっていたら、聞く必要はないんだけど、少なくとも授業、講義聴いたら、「なるほどね~」ってならないといけない。
だから、あなたはそこまで階段をのぼっていないといけない。だからこそ、入試問題なんです。
- あなたは大学でやる講義わかります?ついてこれます?
- わかってるなら、自分の言葉で説明できます?
そう入試問題は問いかけているんです。
だから、少なくとも、
「内容がわからなくても、テクニカルに答えは書けるんだよ」
なんてことはないんです。
テクニックを使って、内容を理解して、頭の中に入れて、文章読まなくても、頭の中に入ったものを自分の言葉で、たとえば、例とかも使って、答えないといけない。
こんな風に理解してほしい。
そうするとね。
国語の勉強っていうのが、いわゆる問題集やれば解決しないことがわかります。
内容が大事。過去問題読んで、わからなかったら、説明を求めて、理解できる下地を作る作業が大事だし、その扱うジャンルが、大学や学部で、かなり似通っていることがわかります。
というわけで、読むだけ現代文シリーズも勉強になるから、使ってね。