国語の真似び(まねび) 受験と授業の国語の学習方法 

中学受験から大学受験までを対象として国語の学習方法を説明します。現代文、古文、漢文、そして小論文や作文、漢字まで楽しく学習しましょう!

センター試験直前!センター・共通テスト「国語」の得点をあげる!その1 「時間が足りない!」時間との向き合い方と「漢文」「古文」

センター試験が近づいてくれば、得意な人も苦手な人も、国立志望も私立志望も、ようやくセンター国語に取り組みます。このタイミングで、センター国語の対策シリーズを書いておきます。

これまでも、センター試験の国語については説明をしてきました。来年からは共通テストになりますが、記述も導入見送りの方向ですから、最終的にはセンター試験とたいしてかわらない形になるのか、あるいはむしろ大きく変えてくるのかは不透明な状況ではあります。

いずれにせよ、ここで、センター国語で少しでも追い込みをかけたい人に向けて、センター試験の特徴と、それに基づく対策方法について、一気にまとめておきたいと思います。

今日はその第一弾です。

 

センター国語は時間配分がポイント~解く順番は「漢文・古文・評論・小説」がオーソドックス

センター試験、共通テストに関して、もっとも問題となるのは「時間」の問題でしょう。「時間がいくらあっても正解が選べない」という人もいると思いますが、まあ、これからいろいろ細かいことを書いていくつもりではいますので、少々お待ちください。

さて、時間内で解く練習をしていくとしても、本番になるとまた余計なことが起こってきます。より慎重になり、より臆病になり、より時間をかけたくなる。

これが予想外の出来事になるわけです。

練習では、時計を気にしながらある程度折り合いをつけて、次にすすめるところが、どうしても最後まで迷いたくなってしまいます。これが大きな問題。

なので、まずは、できるだけ迷っても、慎重になっても大丈夫な順番を探したい。

というわけで、迷いやすい科目を後に回して、逆に迷いにくい科目を先にやりたい。

となると、迷いやすい、つまり、いつまでも考えていられる順番で書くと、小説、評論、古文、漢文というのがオーソドックス。逆に言えば、解く順番は、

漢文、古文、評論、小説

というのがオーソドックスです。たぶん、いろいろ検索すると、この順番がいいよ、と出てくると思います。

私自身は「迷わない順番」ですから、人によってたとえば、「古文は本文の内容把握に時間がかかる…」などのことが起こるなら、そこは入れ替えるべきだと思います。あるいは「現代文は得意で、さっと答えを選んで15分でできる」というようなことがあれば、先に解くべきです。

このあたりは個人差がありますから、過去問題やプレ問題(青パックとかVパックとか)を解きながら、よく検討していきましょう。

 

全文を読んでから問題を解くのか、傍線部が来たら問題を解くのか?

さて、次に課題となるのが、「全文を読んでから問題を解くのか」「傍線部が来たら問題を解くのか」です。個人的には、たとえば、文系であったり、東大を受けたりするとなれば、他でも国語がありますから、センターと他で解き方を大きく変えるというのは、得策ではないと思いますので、総合的に考えるべきだと思います。

ただ、理系でセンターだけを受験したり、あるいはそもそもこの問題をあまり真剣に考えていない人もいるでしょうから、ある程度考えを書いておきます。

これも、前提としては、問題によりますし、人によります。特に「全文を読んでから問題を解く」タイプの場合、それでも「部分」の問題が出て来たとき、そこでさっと解くかどうかの判断が必要になって、うまく説明できませんが、そこでやる時もあれば、「いや、なんかここはとばしておこう」となるのかは微妙です。

そういう前提ではありますが、ざっと書いておきたいと思います。

評論

東大であるとか、早稲田とか慶応(小論文)とかの問題だと、内容がわかることが大前提になります。また、最初にあいていて、根拠が最後にあるような、文章構造の把握を根拠に作っている問題がありますから、まずは「読む」ということが大切です。センターも根本は変わりませんから、読んだほうがいいです。

しかし、センターの場合、ほぼほぼ、段落要約でできあがっています。

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ということは、センターに限っては、傍線部がでてきたら、その場で考えていく。段落要約をその場でしていきながら、読みながら解く、ということをやった方が、忘れないし、読み直さなくてすむし、いいこともあるわけです。

小説

それに対して小説は、もちろん、部分の解釈もありますが、最近は、小説、つまり問題文の「テーマ」をもとに、その部分の役割を考えるような問題が出ています。

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これ、ちゃんと知っていてほしいことです。つまり、今やセンターの小説は、物語として、言葉を換えるなら、楽しんで読む、映画を観るように読む、自分で手に取った本のようなつもりで読む、ということをしないで、ただ「受験」として「正解は何かを考えるだけ」というような読み方では満点は難しいということでもあります。

まずは上の記事、読んでくださいね。

となると、少なくとも全部読まないまでも、先にオチを読むなどのテクニックを使って、「ああ、だいたいこういう話なんだな」ということがわからないとまずい。

もちろん、問題としては、小説が「表現から正確にイメージする」こと、「言葉通りに想像する」ことを求めている以上、その場、その場で先に行かずにやった方がいい問題が入ることは当然です。でも、選択肢がなんだかテーマ的な語ばかりだったり、これという選択肢がその場で選べないときは、いったんおいておいて、全部読んだあとでやり直す必要があります。

古文・漢文

古文漢文については、説明が難しい部分があります。

まず、問題を見ずに、本文を読むこと自体をおすすめしません。なぜかというと、センター試験は、問題にヒントが隠されていることが多いからです。

たとえば、

  • 問題に、「このときの女の心情として」などというように本文からは読み取りにくい主語が示されている。
  • 選択肢のある部分が共通していることにより、主語や客語が確定したり、2択になったりする。
  • 選択肢のある部分がすべて共通することにより、注が与えられているかのように訳が与えられる。

などのことが起こっているからです。

つまり、本文を読む場合でも、ざっと問題や選択肢に目を通して、ヒントをもらいながら読み進める必要があります。

ただ、選択肢を選ぶということになると、単語や文法がつまっていればともかく、多少の穴がある場合、全体的な意味、展開が必要になりますから、ある程度話の流れはほしいですね。

したがって、私は前注や問六=最後の問(漢文は最近設問数が増える傾向にありますが)あたりから、話の流れをつかむことをおすすめします。

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漢文の場合、話のテーマがわかると解けるというか、選択肢が一気にしぼれる部分があるので、なんとなくでもテーマがつかめたら、その場で解いていって大丈夫です。

古文もできれば、その場、その場で解いた方がいいと思いますが、そのためにも、だいたいどんな話になるかは早めにつかみたいところですね。

 

時間が足らなくなっている人は、「選択肢と本文の照合」をしている確率が高い!

さて、それでは少し具体的な話に入りましょう。

「時間が足りない!」という人たちに、おそらく共通していると思われることは以下のような作業です。

  • 選択肢を本文と照合して、ひとつずつ合っているか間違っているか確認する。
  • 本文をなんとなく全部読んで、段落のキーワードや段落の切れ目、小説ならテーマ、古文や漢文の場合ならあらすじてきな解釈などを意識せずに、とりあえず読むだけで終わってしまう。
  • 本文を読みながら問題を解いているけれど、わからないところが多く、本文そのものが何を言っているかわからなくなる中で、選択肢と本文の照合作業をしたり、本文の内容推測をしている。

こんな感じですね。

特に、センターの入試テクニックとして、「選択肢と本文の照合」はいろいろなところでやるように書いてある気がします。

しかし、本当にそんなことをしたら、本文は最低で6回読むことになります。

1回目は、まず読んでいる時。そして、選択肢ごとに本文を読み返すわけですから、6回ですね。

だから時間が足りなくなる。しかも、このやり方は正しくない。なぜかというと、問題は、

  • 傍線部とはどういうことか
  • 傍線部はなぜか

だからです。決して「選択肢は本文にあるか」ではないからです。選択肢は本文にあるか、と聞いているのは、「本文の内容と照らし合わせて正しいものを選びなさい」という問題くらい。他は、「傍線部の説明と選択肢」「根拠となる部分と選択肢」の照合です。

つまり、問題を読んで、答えにあたるポイントとなる表現、語句をイメージできたら、あとはそれを選択肢と照合するだけ。

これだと本文を読む回数は1~2ですね。これ、時間だけじゃなく、正解を選ぶ大きなポイントでもあります。

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センター国語で伸び悩む人は、意識すると得点、結構簡単にあがりますよ。特に小説が苦手な人におすすめです。

選択肢と本文の照合、いわゆる消去法になるんですが、これを使うなとはいいませんが、まず、正解をイメージして、答えと照合しないと、時間が足りなくなるんですね。

 

時間内に解く練習は徹底的にしておこう!

さて、次に当たり前のことを強調します。

時間内に解けないことが問題なんですよね?時間内に解く練習をしていますか?

これ、意外とやっていない人が多いんです。しましょう。時間内に解く練習。

本当に学習方法の悩みというのはくだらないほど、やっていることにリンクしている。時間内に解けない人は、そもそも時間内に解く練習をしていない。

「でも、先生が、まずは時間がかかっても、正解を選べるようにすることが大切だっていうんで…」

じゃあ、時間が足りなくなったら、終わらなくなるけどいいの?

「いや、だから、質問に来ているんで、どうすればいいかなと…」

じゃあ、時間内に解く練習しないとだめだよね?

「でも、そうすると、正解を選べなくなるっていうか、適当に勘で選ぶ感じになってしょうがないってことですか?」

いや、時間内に根拠をもって選ぶやり方を見つけなくちゃいけないってことで、今の解き方変える必要があるよね?

「時間かけて正解選んじゃだめなんですか?」

どんなに正解が選べても、時間内に終わらないんじゃ、そのやり方は使えないってことじゃない?あるいは、どうしてもそのやり方でやりたければ、スピードをあげる練習しないとだめだよね?

「はあ。なるほど。…でも…」

こんな感じのやりとりを何度してきたことか…。

時間内に解けないなら、時間内に解く練習をする。

当り前です。そして、どうしてもスピードアップができないなら、やり方を変える。

さっきの項目を読んで、どうすればスピードアップできる考えましょう。

 

「傍線部や根拠を選択肢と対応させる」と漢文と古文は、まずは単語と文法の覚え直しが重要。

さて、続いて大事なことです。

今日のポイントは、

「傍線部と選択肢を照合する」

「答えの根拠と選択肢を照合する」

ということです。

そうなってくると、古文や漢文の正解を選ぶポイントは、単語・文法、漢字・句法だということです。

どうですか?厄介ですか?それともラッキーですか?

これはラッキーです。

なぜなら、覚えれば済むからです。そして、覚えることは、比較的一夜漬け的にできるからです。センターの選択肢の選び方の仕組みさえ覚えれば、ほぼほぼ、あとは覚えるだけ。

古文単語や文法の試験があるとして、半年前に勉強するのと、直前1週間で勉強するのと、どっちが点数がとれますか?

古文や漢文は、なんだか「高2まで、最悪でも高3夏までに単語と文法入れて、あとは問題演習」みたいなイメージがあります。これ自体は間違っていません。なぜかというと、ある程度単語や文法がわからないと問題演習に入れないし、問題演習は効果をあげるのに時間がかかる可能性が高いからです。まさに今日、前半で書いてきたこと。この問題は、この場でやった方がいいのか、飛ばさないと根拠が不明瞭になるのか、なんていう見極めは、ある程度問題をやらないとできるわけがありません。自分の解き方の癖を直して調整するのにも時間がかかります。

でも、実は最後は、単語と文法だとすると、ラスト1ヶ月で、しっかり単語と文法を復習できれば、得点があがる可能性が高い。

なので、読解が不足していようがいまいが、まずは単語や文法をしっかり復習しましょう。文法や句法は、センター・共通試験では、文法用語で聞かれるよりは、「訳」で聞かれることが多いので、「どう訳すか」漢文ならそれに加えて「どう読み下すか」というあたりを特に意識してやり直すといいですね。

 

というわけで、次回は、具体的な問題パターンから注意することをまとめます。

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