国語の真似び(まねび) 受験と授業の国語の学習方法 

中学受験から大学受験までを対象として国語の学習方法を説明します。現代文、古文、漢文、そして小論文や作文、漢字まで楽しく学習しましょう!

大学入試で役立つ源氏物語のあらすじ2 源氏と頭中将の関係がこどもたちを通して展開する。雲居の雁と夕霧、玉鬘と柏木、女三宮…

源氏物語のあらすじシリーズも、後半を迎えました。

栄華をきわめていく光源氏ですが、その中での苦悩もしっかりと描かれていきます。

あらすじシリーズ2回目は、光源氏が京都に戻って栄華をきわめていくあたりのお話です。徐々に物語は、光源氏から違う人、つまり彼らの子どもたちへと受け継がれはじめます。

源氏の構成については諸説ありまして、本来は、そのどれかにしたがって、わけるべきなんですが、私としては、主人公が源氏以外になっていく部分から、つまり、源氏や頭中将のこどもたちの恋愛がからんでくるあたりで、別にしたいんですね。

というわけで後半に入ります。

後半からは、光が、右大臣家との権力争いに勝利してしまいましたから、同じ左大臣家の中で争いが起こらないと、物語が維持できません。

前半は、要は、右大臣家、弘徽殿の女御、一の御子との権力争いがあるからこそ、須磨、明石に流れるという物語の核心ができあがります。

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桐壺にせよ、藤壺にせよ、弘徽殿の女御からすれば、帝を奪っていく厄介な存在であり、だからこそ、その子どもであり、そこに心を奪われる光源氏も許せないものであるわけです。

ところが、京に戻ってしまえば、すでに朱雀帝は冷泉帝、源氏の子どもに譲位し、退場してしまいました。

だからこそ、物語としては無風。

それでは物語はすすみません。ここに新たに吹く風は、左大臣家の中の争い。左大臣家は、葵上と兄、頭中将、この段階では内大臣なんですが、彼だけですから、事実上、親友であったところの内大臣と源氏との争いとなるのです。

前回のラストが「絵合はせ」でした。頭中将=内大臣と光源氏が、冷泉帝の気にいる絵を競う、つまり、どちらの娘が帝に愛されるかを競うわけです。

ここから、このライバル関係が始まっていくのです。どちらが、権力を握るのか…。この観点でもの語りを見ていきましょう。

 

登場人物から物語をとらえる。

前回同様、登場人物から物語を見ていきましょう。先ほど書いた通り、左大臣家と右大臣家という対立図式が、左大臣家の中の、内大臣(頭中将)と光源氏という対立の構図になっています。

ますは、この対立をおさえてしまうと、物語の動きがわかります。

まずは男性~光源氏とその息子、夕霧、内大臣(頭中将)とその息子、柏木という形で整理

まずは、男性です。

光源氏には、葵上の忘れ形見、夕霧がいます。彼が元服するあたりから、今日のお話がはじまっていきます。

内大臣(頭中将)には、柏木です。彼の恋愛は、大きく二つの流れがあり、両方とも物語を大きく揺さぶっていきます。柏木が、物語を大きく動かしていくのです。

光源氏~権力を握りながらも、さまざまな人間関係からむしろ苦しみは増す…

光源氏は、もはや敵なしの状態になります。

六条院が完成し、彼と関係のあった女性達はそこに住むことになります。そして、関係のあった人たちの娘の面倒も見ていくような年齢に…

しかし、光源氏自身がそうした美しい女性達に心もひかれるような状況が続いていきます。

彼自身は内大臣と対立関係になる。冷泉帝への入内をめぐって、(前回の「絵合はせ」ですね)対立したところから始まり、内大臣が東宮后にと思っていた雲居雁に、源氏の子ども、夕霧が恋愛関係になるなど、対立が深まります。

逆に、内大臣と夕顔の娘であるところの玉鬘を養女とし、内大臣はそのことを知らないまま、内大臣の息子、柏木が姉と知らずに恋こがれていきます。源氏自身は養女でありながら、玉鬘にいいよっていきます。

こうしたことが起こりながら、源氏は天皇につぐ地位となり、最初の占いが当たる形になっていきます。

朱雀院は、すでに冷泉帝に譲位していますが、娘、女三宮を源氏の妻として出家します。しかし、この女三宮に心を寄せるのが、内大臣の息子柏木で、女三宮は柏木の子を宿し、そして源氏の子として出産していきます。これが薫。

女三宮との関係は紫の上を苦しめることにもなっていきます。

内大臣~頭中将は完全に源氏のライバルとして、立ちはだかる…

内大臣というのは頭中将です。お互いに位があがっていってすでに内大臣。

頭中将と呼び続けた方がわかりやすいんですが、本文についた注とかを考えると、内大臣と呼ばなければいけなくなります。

内大臣は先に娘を冷泉帝に入内させ、権力の強化をはかります。しかし、後から源氏が六条御息所の娘を入内させます。梅壺女御、後の秋好中宮ですね。ここで、どちらが帝から愛されるか、というのが勝負になる。前回のラストの「絵合はせ」です。

ここで、内大臣は敗れるわけです。

このあと、娘の雲居雁を東宮后にしようともくろみます。しかし、雲居雁は源氏の息子、夕霧と恋愛関係になる。そして、雲居雁を自宅に強制的に引き取り、2人の中を引き裂き、結婚を認めません。これはこれで源氏がおもしろくなく、源氏と内大臣の対立は深まります。

一方、内大臣と夕顔の娘であるところの玉鬘を源氏に見つけられます。内大臣はこのことを知らずにいます。この結果、内大臣の息子、柏木が、姉である玉鬘に思いを寄せる…という展開が訪れます。

 

夕霧~源氏と葵上の息子。雲居の雁に心をよせるも…

私が書いているこの部分は、まさに夕霧の元服から始まります。夕霧は源氏と葵の子。葵の兄が内大臣(頭中将)で、その子が雲居雁です。2人とも左大臣家、祖母大宮のもとで育てられる。ここで2人は恋仲になってしまうわけです。

しかし、雲居雁は父、内大臣からすれば東宮后にする予定ですから、許すわけにはいきません。仲を引き裂かれ、それでもなお、雲居雁を思う夕霧は、薦められる縁談にも見向きもしません。

最終的には、内大臣が結婚を許し、雲居雁と結ばれることになります。

柏木~内大臣の息子。玉鬘を姉と知らず、そして光の妻、女三の宮と通じてしまう…

柏木は内大臣(頭中将)の息子です。ある意味で、この部分の主役とも言えます。

まずは玉鬘についてですが、源氏が養女とした玉鬘に恋をします。しかし、この玉鬘は夕顔と頭中将の娘なのですから、姉ということになります。

しばらくの間、そのことに気づかず、恋をするという形になります。

玉鬘は別の男と結婚することになるのですが、次に通じるのは、女三宮です。女三宮は朱雀院の娘ですが、この身を案じ、源氏に託します。

その前から女三宮に心を奪われていた柏木は女二宮と結婚しているのですが、源氏と女三宮が結婚しても忘れられません。

というわけで、関係を結んでしまい、女三宮は懐妊。その状況は光源氏に手紙から知られてしまい、恐怖と絶望で病になってしまいます。

その後、薫が生まれ、柏木は正妻落葉宮(二宮)を夕霧に託し、そして死んでいくのです。

 

運命、宿命に翻弄されていく女性たち

さて、こういう男達の運命が繰り返されるということは、そこに翻弄される女達もまた同じようにいるということです。それでは、その女性達を見ていきましょう。

雲居の雁~内大臣の娘。夕霧と愛し合うも、結婚はなかなか許されず…

雲居雁は、内大臣の娘。おばあさん、大宮に育てられるのですが、そこには同じように夕霧がいます。夕霧は源氏と葵の上の子。葵の上の母が大宮ですから、同じように祖母に育てられるうちに、お互いに恋をします。

しかし、父、内大臣は、雲居雁を東宮后にしたいわけで、ライバルの源氏の子である夕霧との関係に激怒。

おたがいに好きあっていても、父のいがみ合いから、それを添い遂げられない運命にあるわけです。

最終的には、玉鬘の件なども解決に向かい、結婚が許されることになります。

これで幸せに…といいたいところですが、柏木が亡くなったとき、妻の落葉宮を夕霧に託すことにより、最終的に夕霧が落葉宮に恋心をいだき、最終的には引き取り、怒った雲居雁は里に帰ってしまいます。

玉鬘~夕顔と内大臣の娘は源氏の養女となり…柏木に愛されるも実は姉で…

玉鬘は内大臣と夕顔の娘。夕顔は源氏との逢瀬で急死した女性です。これも因縁ですね。九州にいたのですが、上京し、源氏の侍女、そして元の夕顔の侍女であるんですが、この女性に出会うことから、源氏の六条院に引き取られていきます。

ここからは、さながらかぐや姫のような求婚のお話。

さまざまな男が彼女にいいよってきます。

その一番の男性が柏木です。柏木は内大臣の息子ですから、姉弟なんですが、そんなことは本人は知らない。特に、源氏がこの事情を内大臣に知られないようにしたので、柏木が自覚できない。玉鬘の方は、弟から不思議な手紙をもらって困惑する…というような状況が生まれるわけです。もちろん、最終的には柏木もこの事実を知り、それでもあきらめきれない気持ちを持ちつつ当然あきらめざるを得ない状況になります。

もう1人、言い寄るのが養父であるところの源氏。玉鬘は当然困るわけですね。

さて、玉鬘は結局入内する方向で話が進みます。このあたりで、内大臣と親子の対面をしていくわけです。

しかし、そうなっては多くの求婚者たちは困る。その中でも髭黒の大将というのが、半ば無理矢理、関係を持って結婚することになるのです。ある意味では、いい男ではなく、好きでない男、名前からしてもわかると思いますが、つまらない男と結ばれ、悲しい運命になる…という女性です。

 

女三宮~朱雀院の娘は光源氏の妻に…しかし、柏木と通じて子どもを生む。

女三宮は朱雀院の娘。朱雀院はかつての源氏のライバルで、左大臣家。しかし、彼自身はそんなに源氏に対して敵意があったわけではありません。

冷泉帝に譲位し、出家する前に、権勢をきわめる源氏に、自分の娘を託していくわけです。

女三宮は柏木と通じることになります。そして、薫を出産。源氏の子として薫は生まれるわけですが、実は柏木の子であることは光源氏の知るところとなります。

紫の上~明石の上とは気持ちを通じるも、女三宮の登場で苦悩は深まる…

さて、この間の源氏の正妻紫の上です。

六条院が完成し、源氏の愛した女性達が院にやってきます。

紫の上には子どもがいません。ここを慰めるために、明石の姫君が、もちろん教養をつけるために、明石の上から離され、紫の上と生活する形になっています。

このあたりで明石の上との関係がよくありません。しかし、明石の姫君が入内するにあたって2人は和解というか、お互いを認め合うことに至ります。

これで一件落着…と思いきや、女三宮が源氏の妻になります。紫の上はまた苦悩することになります。そして病に伏すことに。

紫の上は出家を願いますが、源氏はそれを許さず。そのまま死んでいくことになります。

 

内大臣と源氏の対立の構図、六条院の完成

それでは、今までのことを踏まえてできるだけ時系列であらすじをおさえていきましょう。

右大臣家、もとの弘徽殿の女御、朱雀帝の流れですが、朱雀帝が冷泉帝に譲位し、権力は左大臣家側にうつりました。前回のラストですが、権力は左大臣家の中、つまり、光源氏と葵上の兄、内大臣(頭中将)との争いになります。

先に娘を入内させた内大臣ですが、前回のラスト「絵合はせ」で、梅壺女御(秋好中宮)、あるいはその後ろにいる光源氏に敗れてしまいます。

光源氏はかねてより構想していた広大な面積の六条院を完成させます。

春の院には、紫の上や明石の姫君。

夏の院には、花散里。

秋の院には、秋好中宮。

冬の院には、明石の上。

最終的にはこんな感じで、源氏の栄華は極まっていきます。

 

夕霧と雲居雁の恋、玉鬘は源氏の養女に。

六条院の完成の前、今日のお話は、夕霧が元服するところから始まります。

夕霧は葵上と光源氏の子どもです。おばあさんは、左大臣家大宮。

そのもとでは、同じように大宮の孫、でもお父さんは内大臣である雲居雁もともに生活しています。二人は密かに思いあう仲に。

内大臣は、この雲居雁を東宮妃にしようと考えていたのですが、この事実が発覚し怒ります。当然、この二人の仲は認めず、切り裂きます。

自邸に雲居雁を引き取ってしまうわけです。

一方、夕顔と内大臣の子、玉鬘は美しく成長し、九州で暮らしていました。そこで望まない求婚をされ、京へ。そこで、かつての侍従が今源氏のところで侍女をしており、その彼女と再会。その関係もあって、光源氏はこっそりと玉鬘を養女としてしまいます。

姉と知らず玉鬘に心ひかれる柏木、雲居雁が忘れられない夕霧

六条院ではさまざまな行事や会が催されていきます。

そうした中、訪れる人々は、そこにいる美しい女性たちを目にすることに。

中でも玉鬘はまだ結婚していないわけですから、さまざまな求婚を受ける形になります。ここからは、玉鬘をめぐる男性たちの争い、という印象です。

熱心なのは、まず兵部卿宮、源氏の弟です。それから髭黒大将。

そして、柏木。柏木は内大臣の子ですから、玉鬘は姉なのですが、内大臣には秘密でこの話が進んでいるので、当然柏木はそのことを知らずに恋をしています。

さらには、養父であるところの光源氏。養父に言い寄られて玉鬘は戸惑います。

兵部卿宮は熱心に玉鬘に言い寄りますが、玉鬘は心を動かしません。

そのころ、内大臣は占いで、夕顔との子どもが誰かの養女になっていると告げられるのですが、まさか源氏のところにいるとは知らず、探すようになります。しかし、見つけられず、代わりに見つけた娘近江の君がまったくセンスがなく、でたらめな和歌を詠むような女性。その悪評は噂となるほどです。源氏は夕霧と雲居雁の結婚を内大臣が許さないことから嫌味を言いますが、それを聞いた内大臣は激怒。関係は悪化します。

玉鬘への思いを断ち切れない源氏。戸惑う玉鬘。

一方、六条院で、柏木は夕霧とともに音楽を奏でる機会があり、玉鬘への思いを募らせていきます。

夕霧は、六条院で美しい紫の上を見て、心をゆらします。また、源氏と玉鬘のただならぬ様子も目撃。夕霧からすれば、玉鬘は源氏の子というふれこみでここに来ていましたから。それでも、雲居雁への手紙を書いていきます。

 

玉鬘の入内に向け、親子の対面へ。玉鬘は髭黒の大将のものに…夕霧は雲居雁と結婚~源氏の栄華きわまる

冷泉帝の行幸を、玉鬘は見ることになります。そこで父、内大臣の姿を見ることになるのですが、それ以上に、源氏そっくりの冷泉帝に心を奪われます。

それを見透かしたかのように、源氏は玉鬘に出仕を提案。

となると、その後見として、実の父の内大臣の協力を得ようと、久しぶりに再会し、真実を話します。内大臣は、雲居雁と夕霧の話がなかったことに拍子抜けしつつ、娘が見つかったことをよろこび協力をします。

一方、夕霧もこの真実を知ることに。ということは自分が玉鬘に恋してもよかったと思いつつも、雲居雁への思いもあります。一度は玉鬘に思いを告げるも、断られます。

一方、源氏が玉鬘を妻にしようとする考えも内大臣などに見透かされており、やはり、出仕する方向に。

姉であることを知った柏木は心の整理はできないけれど、それでも別れの手紙を送ります。

そんな中、諦めきれないのが髭黒大将。彼は、策略をめぐらして、出仕のかこつけ、無理やり関係を結んでしまいます。しかも、自邸にひきつれていく。玉鬘は落ち込みますが、この流れにあらがうことはできず、源氏もどうすることもできません。

一方、夕霧は雲居雁との関係がなかなかうまくいきません。しかし、ようやく許しを得て結婚することができます。

源氏は、天皇につぐ地位にのぼりつめ、最初の予言が当たった形になります。

 

女三宮、源氏と結婚~紫の上の苦悩と柏木の子を生む女三宮

さて、物語は次の展開になっていきます。朱雀院は出家するにあたり、娘の女三宮が心配でなりません。

結婚相手として、自分から名乗り出たのは柏木なんですが、皇女であることを考えると身分がつりあいません。夕霧は、自分が…と思いますが、雲居雁とのことを考えると、受け入れるわけにはいきません。

そして、女三宮は源氏に託されることになるのです。

紫の上にはまた苦悩が。

女三宮は、美しいんですが、教育されていないというか子ども。源氏にとって重要なのは、紫の上ではあります。

そんな様子を見てとる柏木は、それがおもしろくありません。

一方、紫の上は苦悩を募らせ、体調を悪化させます。出家を願いますが、源氏は許さず、源氏が紫の上に付き添っている間に、柏木は女三宮と通じてしまいます。

柏木は女三宮と逢瀬を重ね、懐妊。

不審に思う源氏は、女三宮のところで柏木からの手紙を見つけ、事情を知るところになると同時に、かつて自分がしたことと重ね合わせ、運命というものを考えます。

源氏は女三宮に冷たく接するようになり、また、それでもなお柏木は女三宮に言い寄ります。

しかし、柏木は病気に。源氏は表面上、普通に接するものの、ちょっとにおわせるようなこともして、柏木ははげしく動揺します。

源氏は女三宮を疎みます。そんな中、女三宮は出産。薫です。表面上は源氏の子ですが、源氏や女三宮はそうでないことを知っています。

 

柏木の死、落葉宮に惹かれる夕霧、怒る雲居雁~紫の上の死

 女三宮は耐えられず、出家を願い出、そして出家することに。

そういう話を聞いて、柏木はより苦悩を増していきます。源氏に知られ、女三宮も出家し、病は重くなっていきます。

遺言のように、正妻女二宮のことを夕霧に託し、また、源氏への罪の意識を語り、柏木はこの世を去ります。

夕霧はこのふたつのことを、なんとかしようとします。

女二宮のもとを訪れると、彼女になぜか心ひかれてしまう夕霧。雲居雁にはこうしたこともふくめて、怒られるような関係になっています。

一方、源氏にそれとなく聞くも、うまくはぐらかされていきます。夕霧は、女三宮がらみのことだと思いつつも、源氏はごまかします。

それでも、夕霧の女二宮への思いはましていき、ついに一夜を過ごします。女二宮は拒みます。そして一線は越えないのですが、それでも皆の知る所となります。

最終的に、夕霧は女二宮を迎え入れますが、女二宮は納得せず、悲しむばかり。怒った雲居雁は里に下がります。

紫の上は女二宮や雲居雁へ同情的。男に振り回される女の運命について思いをめぐらします。

しかし、紫の上の病状は悪化。出家を許されない紫の上は、自分の死期を悟り、ひそかに他の女性たちに別れを告げ、そしてついに息をひきとります。

源氏は、紫の上の一周忌を終え、出家の準備をします。そして、源氏の死を描いたはずの巻は失われており、どのような最期かわからないのですが、源氏の一生の幕が閉じます。

 

というわけで、残すところは宇治十帖となります。入試では、柏木の、姉玉鬘への恋などが出ているような気がしますので、おおよその話だけでもわかってもらえるといいなと期待します。