国語の真似び(まねび) 受験と授業の国語の学習方法 

中学受験から大学受験までを対象として国語の学習方法を説明します。現代文、古文、漢文、そして小論文や作文、漢字まで楽しく学習しましょう!

大学入試で役立つ源氏物語のあらすじ3 宇治十帖~薫と匂宮との恋の争い~大君、中君から浮舟へ

大学入試の古文を理解するための源氏物語あらすじシリーズです。

最後は、宇治十帖に入っていきます。

源氏物語のあらすじを説明して、古文で源氏が出て来たときの大きな流れをつかむ話をしてきました。

www.kokugo-manebi.tokyo

まず、前編は、源氏が愛する女性として、母桐壺のおもかげを持つ、父の再婚相手藤壺への禁断の愛。夕顔への愛と死。そして正妻葵の上とそれを取り殺す六条御息所。さらには、藤壺のおもかげを持つ若紫、紫の上…と母、桐壺から紫の花の女性達が続いていくわけです。

一方、権力としては、帝は愛する女性桐壺の子ですから、なんとかしたいわけで、左大臣家の葵の上と結婚をさせる。その権力を争うのは弘徽殿の女御とその子、一の御子。光がライバル右大臣家の朧月夜に手を出すところから、流れが悪くなり、須磨、そして、亡き父桐壺のお告げにより明石へ。そこで明石の上と関係を結びつつ、亡父桐壺の力もあって、源氏は京に戻り、権勢を取り戻していきます。

ここからは左大臣家、葵の上の兄、そして源氏の悪友、頭中将、今は内大臣ですが、その内大臣とのライバル関係になっていきます。

www.kokugo-manebi.tokyo

そして、源氏の子、夕霧と、内大臣の子、柏木が物語に入ってきます。

夕霧は、内大臣の子、雲居雁と恋愛関係に。しかし、内大臣は許しません。ロミオとジュリエットですね。一方、源氏は、内大臣と夕顔の子、玉鬘を養女に。源氏自身も彼女にいいよりつつ、姉とは知らない柏木も彼女に恋心をいだきます。玉鬘が入内するところで、髭黒大将が無理矢理彼女をものにします。

夕霧と雲居雁の結婚がようやく認められ、源氏はかつてのライバル朱雀帝の娘、女三宮を妻に。紫の上の苦悩は深まりますが、源氏が大事にしない女三宮に恋心をいだくのは、柏木。かつて、源氏が藤壺に、父帝の子として、自分の子を産ませたように、女三宮は源氏の子として柏木の子を生みます。

柏木は苦悩の中、死んでいきます。

残された柏木の妻、女二宮、落葉宮を託された夕霧は、雲居雁がつらくあたることもあり、恋心をいだくことに。一途な恋をしていた夕霧ですが、雲居雁が怒り実家に帰るようになります。

紫の上は、こうしたことをみながら、死んでいくわけです。

入試という観点でいうと、この源氏の恋に関しては「知ってますよね?」ぐらいな感じで聞いてきますし、夕霧や柏木のところ、玉鬘のところは、「穴」のように聞いてきます。

そして、同じように穴場感が強いのが、宇治十帖なんですね。

でも、ストーリーはシンプルなので、知っていると得をするところでもあります。というわけで、説明をはじめましょう。

 

さて、主人公の光源氏や紫の上がなくなり、物語の軸が消え去ってしまいました。ここで、物語はまったく違う、といってももちろん今までの物語が伏線とはなる、新たな主人公が必要となっています。

ここで登場するのが、薫と匂宮。この二人の美しい男性を主人公として、女性をめぐる物語が展開していくことになるのです。名前の通り、美しいだけでなく、美しい香りもただようこの二人の男性。

彼らが中心に物語が展開されます。

新たなる主人公~一途で、美しい薫。大君を愛し、おもかげのある浮舟を思う…

薫は、柏木と女三宮の不貞の子です。女三宮は源氏の妻です。しかし、どうも源氏に愛されきらない。そこに同情したライバル内大臣の子、柏木が、近寄り子どもを生みました。源氏はそのことを知って、知られたことを知った柏木はそのことを恐れながら死んでいきます。

薫は美しく成長します。周りの皆は源氏の子、と思っていますが、美しくはあっても似てはいません。柏木は、姉と知らず玉鬘に恋し、そして笛を演奏しますが、その演奏のうまさを薫は引き継ぎ、何度もそんなシーンが出てきます。まあ、琴だったりすることもありますが…

性格は、源氏とは違ってまじめ。当たり前です。子どもじゃないから。

出生の秘密は弁の君から聞くことになります。

もともと、早く出家したい、ぐらいの考えを持っていますが、そうもいかず、出家したいけど娘が心配で出家できず、でも、都から離れて修行にいそしむ、というような八宮に憧れて、宇治に通います。

そこで出会うのが、姉、大君と、妹、中君。父、八宮は病で、娘二人のことを薫に託して死んでいきます。

大君に心ひかれる薫は、親友、匂宮に中君を譲り、そして自分は大君と…と考えます。

大君に言い寄ろうとして、同じ部屋の大君にかわされた結果、薫は中君と過ごすことに。大君はだからこそ、妹と薫を結婚させようと思いますが、薫が大君に言い寄った結果、匂宮がそのすきに中君と関係を持ちます。結婚することになるにも関わらず、匂宮に別の縁談が持ち上がったことにショックを受け、責任を感じ、病でこの世を去ります。

その後、匂宮と結婚した中君に言い寄りますが、中君は、姉に似た女性、浮舟を紹介します。宇治に囲う薫でしたが、これも匂宮に知られ…

というように、匂宮と女性をめぐる争いが続いていきます。

 

主人公の親友でライバル~さまざまな女性を愛する、美しい匂宮。薫の好きになる女性を次々に…

匂宮という名前の通り、薫に負けじと香を焚きしめ、そして、美しい匂宮です。薫に比べると、女好きというか、遊び人というか、移り気というか…。源氏の孫。血をひいているんですね。

しかし、世の中は美しい皇子ということで許容している印象です。

まあ、薫と並び立つ美しさで評判なんですが、性格的には正反対、でも仲良し…という感じです。

匂宮は、宇治にいる姉妹の話を薫から聞き、興味を持ちます。正直言って匂宮はどっちでもいいような感じ。大君と薫が会っている時に、薫という触れ込みで中君の部屋に入り込みます。薫もそういう計画を立てるわけですが…

匂宮は中君と結婚。匂宮としては比較的きちんと中君に通いますが、夕霧の娘、六宮と結婚したこともあり、中君を悲しませることになります。

ここに薫が言い寄るわけですが、その残り香で、浮気を疑います。まあ、嫉妬っていう感じですかね…。確かに薫は言い寄りますが、中君はシャットアウトですから。

で、薫が宇治に浮舟を見つけると、今度はそこに興味を持ち…。手を出そうとするから、浮舟は薫によって宇治にかくまわれるわけですが、匂宮はそれを見つけ出し、また、薫のふりをして、浮舟と関係を持ちます。

 

大君~おちぶれた家系の美しい女性、妹の幸せをひたすら願うが…

このお話に登場するヒロインの一人目は、八宮の娘、美しい姉妹の姉、大君です。妹、中君とともに美しいのですが、より控えめというか、そんな感じ。

匂宮に熱心に言い寄られる「姉妹」ですが、そんな中、父、八宮が死に、知らないところで薫に託されています。薫は自分が大君が好きなことに気づき、薫に言い寄られます。大君は妹にしっかりした結婚をと考えます。

しかし、それをかわしたことで、妹中君と薫が何もありませんが、一晩過ごすことに。大君は妹を薫に…と思いますが、薫は大君に言い寄ります。大君は拒みますが、その間に、匂宮が中君と関係を持ち、結婚することに…。仕方がないとは思いつつも、その間にも、匂宮と六宮の結婚の噂などがまいこみ、大君は、やはりよくない縁談をすすめてしまったと胸を痛め、病に…。薫からの思いを受けながら、拒みつつ、そして、大君はこの世を去ります。

中君~匂宮と結婚することに…。薫からの求愛を拒むために浮舟を紹介する。

大君の妹の中君。最初に、匂宮からの手紙に返事を書くのは中君です。なので、匂宮も中君と手紙のやりとりをするようになります。

大君は薫と中君を結婚させようとします。薫と二人きりになりますが、薫は何もしません。薫は大君に気持ちがありますから。薫は匂宮に、中君をすすめ、自分が大君と結婚する算段。

大君に薫が言い寄っている間、薫のふりをして匂宮が中君の部屋に入る計画を、男二人は立てるわけですね。匂宮は、薫と違ってそこで関係を結びます。ここから中君は、匂宮と結婚することに。

二条に連れていかれますが、ほどなく妊娠。しかし、匂宮は夕霧の子、六宮と結婚したこともあり、さびしい思いをします。

ここに入ってくるのが、薫で、しかし、薫を中君は拒みます。その関係で、中君は、薫に姉、大君のおもかげのある女性、浮舟を紹介することになるのです。

 

浮舟~大宮のおもかげを持つ異母妹。二人の主人公の間にはさまれ…

浮舟は、大君、中君の異母妹になります。つまり八宮の娘です。宇治にいるというのも、家としては後見がない状態で、母に育てられています。縁談がすすみますが、それも家柄がもとで破談に。

しかし、そんな浮舟に思いを寄せてくるのが、薫です。そして匂宮も。

当初は、この二人をよく知らない浮舟の母は、結婚に慎重ですが、この二人の容姿をかいまみてからは、積極的に。誠実そうに感じる薫との結婚に向けて動き出します。

しかし、匂宮があきらめるわけもなく、匂宮から逃れるために、宇治へ。宇治で薫に囲われているわけですが、匂宮もそれをつきとめ、薫の振りをして関係を持ちます。

二人の間にはさまれた浮舟は、身投げをし…。しかし、実は一命をとりとめ、生きていたのです。死んだと思い、葬儀まですませた後ですが、聞きつけた薫が会いにいきますが、浮舟はこれを拒むところで物語は終わります。

 

あらすじで展開を追おう!

それでは、いつもと同じように、上記の流れを物語にそって追っていきましょう。基本的には、とても美しい薫と匂宮。まじめな薫と遊び人風の匂宮。彼らが、同じ女性をとりあっていく展開です。

最初は、大君、中君の姉妹を。そして浮舟を…。

それでは順番に追っていきましょう。

薫、八宮のもとで、美しい姉妹を見かける。匂宮もなんとか手にいれようと画策。

源氏亡き後、美しいと評判になるのは、源氏と女三宮の子、そして実は柏木と女三宮の子、薫と今上帝と明石中宮の子、匂宮。

薫はかなり順調な仕事ぶりながらも出生にまつわることなどを耳にし、出家したいと思うような状況。匂宮は薫に負けじとばかりに香をたきしめて、意識しています。夕霧は娘の六宮の結婚相手を探していて、このどちらかかなという感じ。

さて、源氏の弟の八宮は、今は権力から離れているような存在。出家してしまいたいけれど、娘の大君、中君が心配で、宇治で、出家はせずに、それでも仏道修行をしています。薫は、この八宮に会ってみたいと考えていて、宇治を訪れます。

そこで、二つの出会いが。

一つは、柏木に仕えた弁の君。この人がこの家に仕えていて、そしてこの人に出生の話を聞きたい。

そして、もう一つは、美しい音楽を奏でる、美しい姉妹。

薫は心惹かれます。

匂宮に話すと、匂宮も興味を持ちます。一方、もう一度、宇治を訪れた薫は、姉妹の演奏は聞けず、八宮から姉妹の行く末を頼まれ、弁の君から薫は出生の秘密を聞きました。

薫は八宮との関係から姉妹とのコンタクトを、匂宮は直接手紙を書いてコンタクトをとります。大君は返事を書くのをいやがったので、中君が返事を書き、匂宮は中君とやりとりをはじめます。

一方、八宮の信頼を得ていく薫は、姉妹と演奏をする機会などありつつも、決して手は出さず、少しずつ距離を縮めていきます。

八宮の死。大君への恋心から、匂宮と中君をくっつけることを画策。中君と匂宮の結婚、大君の死。

そんな折、八宮は病で亡くなります。

匂宮はなかなか返事をもらえません。いろいろと噂があって、結婚相手としては警戒されています。一方、薫は宇治を訪れ、警戒されながらも、八宮の信頼を得ていたことも大君は思い出し、会うことになります。

薫と匂宮は、二人でこの姉妹のことを考えます。なかなか二人ともうまくいきませんが、薫はこういう中、自分が大君に惹かれていることを意識します。そんな中、自分は大君と、そして匂宮には中君をくっつけようと考えだします。匂宮も仲を取り持つように、薫に頼みます。

薫は大君に言い寄りますが、大君は自分は結婚をしないで、中君に幸せになってもらおうと考えています。

薫は大君の部屋に入りますが、一晩、何もありません。それでも、大君は中君を薫と結婚させようと思います。中君は薫の残り香が大君に移っていて二人の関係があるのだと思います。

そういう中、薫と匂宮は連れだって、宇治を訪れます。薫はあの弁の君に、自分と大君をまず会わせ、その後中君と自分を会わせるように手配します。

大君は、薫が中君と結婚してくれるのだと思い、会うことにします。しかし、薫は大君に言い寄ります。そのころ、薫のふりをした匂宮は中君の部屋に。薫は大君に何もしませんが、匂宮は中君と関係を持ちます。中君は、大君の仕組んだことだと思いますが、そのまま匂宮は続けて中君に通います。大君はあきらめて匂宮と中君の結婚を認めます。

さて、意外と中君に対して一途である匂宮ですが、一方で、夕霧の子、六宮との縁談も心ならずすすみ、なかなか中君に会いにいけません。

大君はそのことで胸を痛めます。自分の責任のように感じるわけですね。そして、病に。

そしてついに六宮との結婚が中君に伝わり、その様子を見て大君もショックを受けます。死の床にある大君を薫が見舞います。その心が通じたかのような中、大君は息を引き取ります。

 

匂宮と六宮の結婚。中君の妊娠と薫の中君への恋心~浮舟

薫の悲しみは癒えません。中君にその悲しみを語り、中君も薫の大君への愛の深さを知ります。薫は、大君に中君と結婚するように言われながら、匂宮と結婚させることになってしまい後悔します。自分が結婚すればよかったと…。

しかし、どうすることもできませんし、匂宮は二条院の自宅に中君を迎え入れます。妻のような扱いに、六宮の父、夕霧はおもしろくなく、六宮を薫と結婚させようかと考えますが、薫は当然、断ります。薫は二条院を訪れ、中君と大君の話をしますが、残り香から、そうしたことも匂宮に知られることになります。

匂宮は六宮との縁談が進んでいきます。どうしても中君ばかりにかまうわけにも行かず、また匂宮は六宮にも惹かれていってしまうんですね。

中君は、子どもを身ごもります。そんな状況を哀れむのは薫です。いつしか、それは恋心となり、中君に言い寄りますが、中君は拒みます。

そんな中、中君は、父八宮にゆかりがある(というか異母妹)大君によく似た女性のことを話します。

薫は弁の君に会いにいき、その女性のことを聞きます。八宮が中君大君の母が亡くなったあと、中将の君という女性に生ませた子ども。

中君の出産後、内親王と結婚をした薫ですが、宇治で二人、大君にそっくりな女性、浮舟とその母を見かけ、浮舟に心ひかれていきます。

浮舟と薫~匂宮を逃れるために、宇治へかくまう…

浮舟に言い寄る薫ですが、中君への気持ちがまだあるせいか、もともとの性格か、ともかく一気にはいきません。浮舟の母からすると、身分差もあって、そもそも本気には感じません。

浮舟はある男性と結婚する予定が、身分の関係から破談に。そのぐらい身分としては日低い。その関係で宇治に居づらくなり、中君(異母姉ですから)をたよって、二条院に。中君に会いにきた薫ですが、中君から浮舟がいることを聞き、近づきます。中君も薫との結婚をすすめ、また母、中将の君も薫に対して好感を持ちます。

しかし、二条院にやってきた匂宮が、浮舟を目撃し、そのまま関係を持とうとします。乳母によって阻まれますが、怖い思いをした浮舟を憐れみ、また、薫と結婚させたい母は三条の小さな屋敷に逃れます。

その後、弁の君から話を聞いた薫が、三条の家に会いにいき、そして、自分が宇治の屋敷にかくまうことにします。

 

薫のふりをして、浮舟と関係する匂宮~浮舟の身投げ

事実上、薫の妻となっていく浮舟ですが、匂宮は彼女の素性も知らないし、どこにいったかも知りません。ただ、あの美しい姫にもう一度会いたいと思っています。

薫は知られないように、宇治にはあまり通いません。中君は、匂宮に言ったらどうなるかわかっていますし、自分が薫と浮気しているんじゃないかと思われていることもあって、隠します。

しかし、匂宮は、中君に届いた宇治からの手紙にピンときて、彼女が宇治にいるのではないかと探しにいかせます。

自分も会いにいくと案の上、彼女が。匂宮は薫のふりをして、近づきそして無理やり関係を持ちます。匂宮はしかも帰ろうとせず、ずっとそこにいます。浮舟は、薫への罪悪感を持ちながらも、匂宮に惹かれていきます。匂宮は、六宮も、中君も、そして浮舟もみんな好きです。

薫は二人がそんなことになっているとは知りません。会いにいっても、浮舟が大人っぽくなったと思うばかりで二人の関係に気づきません。

匂宮は、また会いにいきますが、今度は家に行くのは危ないので、川向かいの家で待ち、そこに浮舟を連れてきて、二人きりで二日間愛し合います。

浮舟は、誠実な薫に惹かれますし、匂宮はきっと自分に飽きると思いながらも間違いなく惹かれます。

母、中将の君もそんなことは知りませんから、「二条院にいたときに浮舟と匂宮が関係を持たなくてよかった」なんていう話をして、浮舟は胸を痛めます。

そんなおり、ついに薫が、匂宮と関係を持っていることを知り、浮舟に確かめる歌を送ります。浮舟は、この宇治川に身を投げるしかないと追いつめられます。

行方不明になった浮舟ですが、死んだとして伝えられます。薫も匂宮も、身投げであるとは知りませんが、死んだことを悲しみます。

薫は、宇治にいったときに身投げであることを知ります。匂宮は悲しみながらも別の女性に手を出し、薫は別の女性との結婚がすすむことに自己嫌悪、というような状況です。

実は助けられていた浮舟~会いに行く薫、拒む浮舟…

しかし、実際は生きていました。

宇治を訪れていた尼君が木の下で泣いている女性を見つけます。それが浮舟。僧都の力を借りて自分の住む小野で世話をすることにします。

尼君は彼女が誰かわかりません。薫と結婚していた浮舟のことは隠されていたので、知らないんですね。

浮舟は身を投げようとしたまでは覚えていますが、そのあとの記憶がありません。匂宮に手をひかれたような気がしています。

ともかく、生きているのもつらい浮舟は出家をのぞみます。しかし、そう簡単に出家をさせられません。でも、出入りする中将に言い寄られるなどのこともあり、最終的には横川の僧都によって出家をします。

浮舟は、生きていることを薫にだけは知られたくないと思います。匂宮を愛しつつ、その罪悪感から、薫にだけは知られたくない…というところでしょうか。

横川の僧都は、女一宮(匂宮の姉で、薫が恋している)の病の祈祷にいくことになります。このことから、この姫、つまり浮舟の話が伝わり、最後は薫も知ることに。匂宮には知らせない方が…ということで薫だけが知ることになります。

薫は横川の僧都に会いに行き、話を聞きます。そして、それが浮舟であると確信します。小野に住む彼女に会いにいくことに。

しかし、浮舟は、知らないというばかりで頑として会おうとしません。

こうして物語の幕が降ります。

 

いかがでしたか?宇治十帖の終わりは、あまりにあっけない感じです。読み取り方がいろいろできる部分ではあります。

とりあえず、あらすじは以上です。長い長い源氏物語ですが、全体的な雰囲気を知ってもらうとだいぶ変わると思いますので、助けになっていればうれしいです。

www.kokugo-manebi.tokyo

www.kokugo-manebi.tokyo