国語の真似び(まねび) 受験と授業の国語の学習方法 

中学受験から大学受験までを対象として国語の学習方法を説明します。現代文、古文、漢文、そして小論文や作文、漢字まで楽しく学習しましょう!

源氏物語「桐壺」の授業~文法とか単語とか試験で聞きたくなるところは?

「桐壺」の2回目です。2回目は単語とか文法とかに焦点をあてながらすすめていきます。

前回が「桐壺」の読解でしたね。

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今日は試験に出そうなところ、聞きたくなるところを中心に説明していきましょう。

ただし、特に実際に私が教えている生徒たちに言いたいことですが、ここで説明したことがそのまま試験に出るなんていうことはありません。私がここで書く、説明するのは、自分が授業をするなら、ここがポイントだな、ここは説明しておきたいな、というところです。

実際の授業もそうですが、全部を説明する時間はないですから、同じようなことはさっと流して終わることもあるし、単語の意味のレベルだと、気分で変わるというか、わからない人が多ければ説明するけど、みんながわかっているなら触れなくていい、というようなこともあります。

でも、授業を聞きのがしたなら、しっかり読んでくださいね。

で、あえてわかりにくいとは思いつつも、最初から順番に訳すような形でなく、ジャンル別にとらえていくやり方でまとめます。この辺は授業と少し違うかもしれないけれど…。

 

単語~美を表す語、評価不評価を表す語、不快なこと、病気を表す語が中心

単語は基本的に覚えるだけですが、だからといって、単語と意味をひとつずつ対応させていくだけでは本当に暗記です。少しでも古文の感覚を身につけたいなら、単語を広げていくイメージを持ちましょう。

登場人物は美しい女性、そして美しい男の子~美を表す単語

桐壺はうつくしい女性のはずですが、実はあまり美を表すような単語は載っていません。

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というか、そもそも「美しい」という意味の単語がないと説明しました。しいていうなら、「飽かずあはれなるものに思ほして」と出て来る「あはれ」でしょうか。

古文の「美」はただ美しいだけでなくプラスアルファの意味をつけてしまいます。だから、「美しい」に当たるのは「あはれ」「をかし」。「あはれ」が、貧血気味な無口な感じの弱弱しい感じで、「をかし」が元気はつらつという感じという差はあれ、これがそうだと。それから「にほひ」ですね。これは美を表します。光源氏が、「この御にほひ」と使われています。

光源氏のところにいくと「清らなり」が使われていますね。

「清し」は最上級の美しさで、神々しい感じ、後光がさすような感じです。だから、神様みたいに最高に美しいんですね。

身分が高いかどうかが重要な問題~評価・不評価をあらわす単語

では、桐壺について使われているのは、評価不評価です。

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まずは「やむごとなし」ですね。「やむことなし」で身分が高いです。

「めざまし」「まばゆし」も出てきます。「めざまし」はもともとは気にくわないから始まって、いい意味にも使われるようになったもの、「まばゆし」は光り輝くような素晴らしい意味から逆に度が過ぎて見ていられなくなったようなものです。

成り立ちはともかく、両方とも「よくもわるくも見てられない」という感じです。

帝に対しては、「かしこし」と「かたじけなし」が使われていますね。両方とも畏れおおい感じです。まずは「畏」の感じを思い出しましょう。ありがたい気持ち、もったいない気持ち、そして自分が小さくなるような気持ち。「かしこし」は動詞にすれば、「かしこまる」です。

「かたじけなし」に近いのは「おほけなし」ですね。「おほけなし」は、自分が身分に合わずに差し出がましいという感じですので、「かたじけなし」よりネガティヴです。「かたじけなし」は、ありがたい、もったいない、そこから申し訳ないです…という感じですね。

「はかなし」「はかばかし」が桐壺や桐壺の父母の描写で出て来ます。「はかなし」は「果なし」、反対は「果々し」です。「頼りになる」かならないかですね。「うしろみ」は「後見=こうけん」ですから、経済的に頼りになるところです。

「たのむ」もありますね。「頼む」は四段活用の時は「頼りにする」「信頼する」ですが、下二段になると「頼りにされる」「信頼される」です。たとえば、「焼く」といえば、四段活用の気がしますが、現代語では「焼ける」というのもありますよね。これも古文では「焼く」。「る」をとってuですから。 

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つまり、「焼け・ず、焼け・て…」と活用する二段動詞。「野原が焼ける。」というようなイメージですから、「野原を焼く」から考えると「焼かれる」に近いですよね。そのイメージで覚えておきましょう。

最後に「なべてならず」が出ていますね。「なべて」は「並べて」と書くことがイメージできれば「並」つまり「普通」であることがわかります。だから「普通ではない」ですね。似ているのは「おぼろけ」です。「おぼろげ」だと「朧ろげ」で「ぼんやり」ですが、「おぼろけ」だと、そこらにある感じ。ありふれている感じです。

両方とも下から真ん中ぐらいのイメージなんです。ありふれているのは必ずしも普通ではなく、ダメってことですから。なので否定は、真ん中から上。そのあたりから意味の混同が起こっているようで、注意が必要な単語です。

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ふたつの反対の意味でいうと、「飽かず」がありますね。ここでは、「十分でない」ぐらいの意味です。いいとかわるいとかより、もっともっと会いたいって感じでしょう。四段動詞であることも注意してね。

 

桐壺は追い込まれていく…不快な気持ちを表す単語

この場面は、桐壺がいじめられて、追い込まれていく場所ですし、周りの人から見れば、桐壺が不快なわけですから、こうした単語もすごく多いですね。

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「はかなし」「はかばかし」はさっき説明しましたね。

最初は「安し」が出て来ています。「安心」です。「こころやすし」「うしろやすし」などという風にも使われます。反対は「うしろめたし」後ろ・目・痛し、という感じで先行きが不安です。

次にみつかるのは、「あいなし」とか「あぢきなし」ですね。

あいなく目をそばめつつ…と出て来ます。

「あいなし」は「愛なし」ですから、よくないこと。

「そばむ」は、「側む」で「横を向くこと」。この場合は「目をそむける」できにくわないという意味があります。「そば」は全部がこれではなく、「そばそばし」などは「そばだつ」に近いんですけど「稜=かど」なんですね。角がたっているイメージですから注意しましょう。

「あぢきなし」は、「つまらない」です。このつまらないは、「すさまじ」とか「さうざうし」に近い方ですね。「すさまじ」は興ざめ、「さうざうし」は「寂々し」で、物足りないです。

もうひとつの「つまらない」は「よしなし=由なし」で、「由緒がない=つまらない」と「理由がない=わけもなく」というイメージです。

 

桐壺は体調を壊す…病気や死を表す単語

桐壺は体調を壊しますから、当然、病気や死に関わる単語も出て来ます。

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「はかなし」は、隠語的に死をイメージさせる言葉。「むなし」とかもそうですね。

今回出て来ているのは、まずは、「なやむ」があります。これは現代語的な「悩む」でいいでしょう。古文の世界は、心と体が一体です。(近代になって、心と体が分離するんですよね)だから、病気になるとおまじないで直す。体は心と一体だから。だから、体調が悪くなることも、悩んでふさぎこむことも同じなんですね。

あとは、「あつしくなりゆき」がありますね。「あつし」「なってゆく」ということですね。「あつし」は「篤し」で、危篤をイメージするといいです。「悩む」とともに病気を表す語です。治ると「おこたる」です。

「里がちなる」と続きますが、「~がち」は接尾語で、「~しがち」という言葉ですから、里に行きがち、みたいなことです。

舞台は宮中~宮中に関わる語

舞台は宮中ですから、宮中に関わる語がたくさん出ます。このあたりは古文常識としても必要ですね。

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まずは、単語で言えば、

「ときめく」と「おぼえ」があります。

「ときめく」は、「時」「~めく」で、「今」「ぽい」ということ。今をときめくスター、みたいな言い方です。これも接尾語。ちなみに「~めく」は、「擬音語+めく」のパターンもあります。「ざわめく」みたいな感じ。なので、たぶん「ときとき」「めく」の間違いで胸がときめきだしたと思われます。

同じ「~めく」でいうと、「上衆めかし」がありますね。「~めく」は動詞ですが、そこに「~し」とすれば形容詞。「上衆」は身分が高い人のことですから、「身分が高い人っぽい」ということですね。

身分をあらわすものとしてはそもそも「女御・更衣」があります。敬意対象ですね。

上人もでてきています。上達部もありますね。殿上人の中でも三位以上の人たちです。読みとともに知っておきましょう。「かんだちめ」「てんじょうびと」です。

逆は下臈ですね。

「きは=際」も身分という訳がありますね。

帝をあらわす言葉も覚えておきたいところ。「御前」は帝や宮などをさします。

そもそも「ほど」は身分をふくめた程度をあらわしますが、通じないときは「時間」で訳すと通じます。

「おぼえ」は、「おぼゆ」の連用形で名詞。「覚え」ですが、「思ゆ」の連用形です。「~ゆ」は受身を表しますので、「思われる」、だから「おぼえ」は「思われ」ということですね。なので、意訳していくと愛情ぐらいの訳になっていくわけです。

あとは「かしづく」が大事ですね。「大事に育てる」の意味ですね。

 

時間を表す語

時間を表す語はこちら。 

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「いつしか」が気になりますね。

「いつ」「し」「か」というイメージです。すでに一語として扱われますが、それを承知で分解すると、「か」が疑問、「し」は強意の副助詞ですね。つまり、「いつか」を強めているということです。現代語では、「いつしか」というと、次第に、ぐらいの訳になりますが、「いつか」を強めると、「今すぐに」になります。「いつか君とデートしたい、いつか、いつか、いつか…」とやると、今すぐに、となりません?

「はやく」などは、「以前・とっくに・なんと!」という感じですので間違いやすいところです。 

接尾語

接尾語は、だいぶここまでで説明してしまいました。

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「~めく」「~めかし」「~がち」などを説明しました。

「~なし」は「~がない」という打ち消しとその状態であるという肯定の意味があります。「はかなし」は「はかがない」、「はしたなし」は「はしたの状態である」です。

あとは「心もとながらせ給ひて」がありますね。

「心もとなし」に「~がる」ですね。

「心もとなし」は「モヤモヤ」で晴らしたい感じ。不安からはじまって、それを晴らしたい、で、待ち遠しいまでいく単語ですね。

 

敬語~帝は二重尊敬、女御・更衣は殿上人と同じで尊敬される身分。「紫式部」は登場人物に感情移入して生き生きと描くので…

さて、敬語です。敬語は地の文では、つまり、尊敬語と謙譲語については、常に作者からの敬意ですね。尊敬語なら、主語のため、謙譲語なら、客語のためです。

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源氏物語は偉い人ばかりですから、偉い人が偉い人に対して動くと謙譲語も尊敬語も使う形になりますね。

帝は原則として二重尊敬~だから、主語が書かれなくても伝わる

この中でひとりだけ身分が違うのが帝です。原則、二重尊敬、「せ給ふ・させ給ふ」をつかうわけです。

最初の登場は、

もの心細げに里がちなるを、いよいよ飽かずあはれなるものに思ほして、人のそしりをもえ憚らせ給は世の例にもなりぬべき御もてなしなり。

ですね。「里がちなるを」ですから、「誰かを」というイメージです。もちろん、桐壺ですね。

次はここ。

いつしかと心もとながらせ給ひて、急ぎ参らせて御覧ずるに、めづらかなる児の御容貌なり。

みたいな感じです。「~て」とつながりますから、「御覧ずる」のみ帝です。

でここ。

わりなくまつはさせ給ふあまりに、さるべき御遊びの折々、何ごとにもゆゑあることのふしぶしには、まづ参上らせ給ふ、ある時には、大殿籠り過ぐしてやがて候はせ給ひなど、あながちに御前去らずもてなさせ給ひしほどに

全部が二重尊敬というわけではなく、「使役+尊敬」でとるべきところが多いですね。「参上させなさる」「お仕えさせなさる」。でも、ここが帝主語のところです。「まつはす」はそもそもが使役系の動詞です。「あながちに御前去らずもてなす」というのが帝ですから「誰をもてなすの?」とならないと困る。つまり、「帝が」「桐壺を」「あながち=強ち=無理やり」「帝=自分から去らないように」「もてなす」わけです。

で最後は、

人よりさきに参り給ひて、やむごとなき御思ひなべてならず、皇女たちなどもおはしませば、この御方の御諫めをのみぞなほわづらはしう、心苦しう思ひ聞こえさせ給ひける。

この部分、青の「おはしませば」が二重尊敬系ですから、ここは主語であるところの「皇女」ですね。ある意味では、流れから考えると「弘徽殿の女御」なんですが、そこが微妙に動いているところです。

心苦しく思うのが帝。でも、その対象=「~を」が偉いから「聞こゆ」という謙譲語を使う。もちろん、「この御方の御諌めを」です。

これ以外の主語は、「給ふ」系ですね。だから、偉い人たちがみんなそうなります。

桐壺の更衣もそう。彼女をねたむ更衣もそう。周りで見ている殿上人もそう。一の皇子もそう。一の皇子の女御もそう。光源氏もそう。

このあたりは、「誰が誰に」を考えながら、解釈していくしかありませんね。

こうしてみてみると、源氏物語は、「あれ、ここ謙譲語がほしいのにないぞ」みたいなことが起こりやすいところです。これ「枕草子」の厳密さと比べるとすごく際立ちます。

私の解釈は、事実あったことを書く「枕草子」は、現実の身分を意識せざるをえず、また、没落する側につき、没落させた側を描き、また読まれる以上、緻密に書かざるを得なかった。それに対して、「源氏物語」はフィクションであり、また、書き手が生き生きと描くがために、登場人物の視点と重なるような、物語の中に入り込むような感覚があり、時として敬語が「気分」になっていくというものです。

とはいえ、主客で描き分けるという原則が消えているわけではないので、意識はすべきだと思います。特に帝の二重尊敬は。

 

敬語の訳出は、①トル②付け直す

さて、もうひとつ、訳の問題を出しましょう。

大殿籠り過ぐしてやがて候はせ給ひなど

ここです。どう訳しますか?

「大殿籠る」は「寝る=古文の「ぬ」」の尊敬語です。

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 それは大丈夫だと思うんですけど、訳せましたか?

敬語の訳出は、

  1. 敬語をとる=つまり、敬語がない状態に戻す。
  2. 訳に敬語訳を付け直す。

でしたね。だめな人は、以下で確認しましょう。

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というわけでまず、敬語をとると、

「寝る」「過ぐす」となるわけです。つなげれば簡単。「寝過ごす」ですね。

次に、尊敬語をつけます「~なさる」が使い勝手がいいので、

「寝過ごしなさって」ですね。

こんな感じです。

では、次の場所は、いかがでしょうか。

いと心異に思ほしおきてたれば

まず、敬語をとると、

「大変」「心を」「違うように=特別に」「思い」「置いた」「ので」

ぐらいの感じでしょうか。

「思いおく」というのが現代語にはないから意訳したい。「思いをおく」ですから「気にかける」とか「注意する」とか「愛情をそそぐ」ぐらいやってもいいかもですね。

そこに「~なさる」とつけるわけです。

疑問文はきちんとわかっているかな?

さて、私は授業をすすめていくときに、疑問文には注意をします。試験で出したら、最後に「か」をつけているかどうかで、場合によっては減点するぐらいです。

基本は「や」と「か」です。意識しましょう。

最初はここですね。

いづれの御時にか

です。結びで連体形になるところがありませんから、「ある」が流れているとみていいですね。

なので、こういう疑問の「や」とか「か」の前にある「に」は、たいていの場合、「に」「あり」と続き、続けると「なり」になります。断定の助動詞とか形容動詞とかですね。もちろん、格助詞の「に」の可能性もありますが、その場合はつづく動詞は「あり」とは限らなくなりますね。

ということをふまえて次は、

恨みを負ふ積もりにやありけむ

こんな感じ。恨みを負った「積り=積み重ね」「で」「あっただろうか」という感じですね。

前の世にも御契りや深かりけむ

なんていうのもありますね。

 

逆接で忘れやすいのは、「ものの・ものを・ものから」「ながら」、「さへ」は頻出の解釈事項。

逆接で忘れやすいのは、「ものの・ものを・ものから」それに「ながら」ですね。

かしこき御蔭をば頼み聞こえながら、おとしめ疵を求め給ふ人は多く、わが身はか弱くものはかなきありさまにて、なかなかなるもの思ひをぞし給ふ。

「畏れおおい帝の庇護を頼みにしながらも」という感じ。

「かげ」は陰だと、力の下に入る黒い感じで、影だと光、映像です。

だから、前半が「帝の庇護を受けながら」となると、後半は逆に「つらい思い」になるわけです。

「なかなか」は「かえって」で、これも逆接的。普通は帝の愛情があればうれしいけれど、あればあるほどかえってつらい思いをするわけです。試験で聞きたいところですよね。

もうひとつ試験で聞きたいのは「さへ」です。

「だに」は「~でさえ」、「さへ」は「~までも」と訳します。

で、これ、両方とも、隠れている表現があるもので、記述とかで聞きたくなるポイントなんです。

「だに」「~でさえ〇〇だ」とくれば、「まして〇〇だったら、なおさらだ」です。

「さへ」「~までも〇〇だ」とくれば、前に「〇〇だけでなく」ですね。

今回は、「さへ=~までも」です。「玉のような男の子の皇子まで生まれた」んです。「〇〇だけでなく」ですね。

そうです。「帝にただ愛されるだけでなく」です。だからこそ、「前の世の御契りや深かりけむ」なんて書くわけですね。これは運命であったと。

 

品詞分解の練習をしておこう!

 さて、最後に品詞分解的なことをやっておきましょう。

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わからないときは品詞分解をする。品詞分解は、

  1. 現代語で動詞を探し、活用させる。
  2. その活用形から接続を使ってアタリをつける。
  3. その助動詞だと思うなら、意味を使って訳す

というこれだけ。裏から見ると、必要なのは、

  1. 動詞の活用
  2. 助動詞の接続の分類
  3. 助動詞の意味の分類

特に重要なのは3で、たいてい助動詞を見出しにして、意味を覚えているけれど、本当にそれで大丈夫か、ということではあります。

なので、こんなのもやりました。

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で出そうなところをやりましょう。

世の例にもなりぬべき御もてなしなり

動詞は、「なる」ですから「なり」で連用形。

なので、連用形接続の助動詞だとすると、「ぬ」、続くのが「べし」

意味は完了=ただし、ここでは強意と呼ぶ、でざっくりと推量。

未来完了形です。

「ぬ」は、「てしまう」か「きっと」

「べし」は、連体形と見て婉曲で「ような」と訳しても通りますが、もうちょっと「べし」の強い意味を生かすと「にちがいない」とか「べき」のままとかでもよさそうですね。

同じのはここにも。

引き出でつべくなりゆく

「いで」とありますが、現代語は「でる」、古文は「いでる」で、「る」をとって「いづ」。「だす」は古文では「いだす」ですね。

「(い)で・ず」「(い)で・て」ですから、未然形か連用形。

で、探すと「つ」。となると完了、ここでは強意。

で、やっぱり「べし」ですね。同じような感じです。

初級者が意外と訳せないのがこれかな。

思ひあがり給へる御方々

給ふ、はないものして考えますから、「思い上がる」に「~なさる」でいいんですけど、残った「る」ですね。

「給ふ」を活用させると「給へ・ど」で已然形

だとすると、「り」で決まり。

訳は「ている」で存続か「た」で完了か。

 

こんなところでしょうか。試験に向けてただ丸暗記するんじゃなくて、つながりを意識して、練習できるといいですよね。