国語の真似び(まねび) 受験と授業の国語の学習方法 

中学受験から大学受験までを対象として国語の学習方法を説明します。現代文、古文、漢文、そして小論文や作文、漢字まで楽しく学習しましょう!

古文単語は意味分類で覚える25 年齢に関わる単語

古文単語を意味分類で整理するシリーズは25回目になります。スライドの番号は24、年齢に関わる単語です。

今日の年齢に関わる単語はすでに出てきている単語が多くなりますが、「年齢」というくくりから、もう一度整理し直してみましょう。

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年齢に関わる単語

 

「いはけなし・いとけなし」と「おとなし」

まずは「いはけなし」と「いとけなし」ですね。漢字では「稚」です。この場合の「~なし」は「~ぽい」の方です。接尾語のところをみてくださいね。

現代語で言うと、「汚い」とか「幼い」は「~ない」といいますが、「汚」「ない」だから、「汚くない」とはならないですよね?

というわけで、これが「稚」=「いとけ・いはけ」です。

続いて、美に出ていましたが、「なまめかし」。

分解すると、「生」「~めく=ぽい」「~し=形容詞化」です。

「生」は「若い」か「未熟」。美の概念でいうと「若々しい」感じで、学門系に持っていくと「未熟だ」となる可能性があがります。「それっぽい様子」というのが「めかし」。古めかしい、とかって今でも使います。

反対になるのは、「おとなし」。漢字をあてると「大人し」で、「大人っぽい」感じ。「思慮分別がある」なんて単語集には載っているのではないでしょうか。

年をとるだけの感じを動詞にすると「ふる」。「古る」とか「旧る」とかで「ふる」。年をとったり、古くなったりします。「経=ふ」「降る」とかと掛詞で使われるのが、「我が身世にふるながめせし間に」ですね。

「かしづく・いたつく」と「まつはる」「まつはす」

左にいって、「大事に育てる」感じになるのが、

「かしづく」と「いたつく」「いたはる」です。

「かしづく」は宮中で一回説明していますが「かづく=いただく」とかと混同しないようにしましょう。

「いたつく」「いたはる」はそれぞれ「労つく」「労はる」です。労力をかけることがベースになりますから、「大事に育てる・世話をする」の他、「病気になる」「疲れる」「努力する」などの意味も持っています。

「まつはる」と「まつはす」は似た感じ。「まとわりつく」イメージです。「まつはる」だと「まとわりつく」感じで。「まつはす」だと「まとはりつかせる」感じですね。ただ、「まつはす」は「まとわりつく」意味にもなりますから必ずしも使役というわけではないです。

 

男女別の年齢を表す名称

年齢をあらわす名称も一応入れておきました。

翁=おきな=おじいさん

嫗=おうな=おばあさん

というのは知っていると思います。

その字が「を」に変わると若くなります。

をとこ=成人男性

をんな=成人女性

おみな=おばあさん をみな=成人女性

です。

で、女性がさらに若くなると、

をとめ

です。「め」は「女」のイメージ

そこからさらに若くなると

をのこ=男の子

めのこ=女の子

となります。

年をとる感じは「老ゆ」ですね。これに近い感じが「およすく」。成長する、年をとっていく感じです。