古文常識難読語シリーズの最後は「生活・仏教や恋愛などに関わる語」です。
古文単語に続いて、古文常識シリーズを入試前にとりあえず完結します。本来、古文常識のところは、作品を使いながら「おもしろい古文の話」として、楽しみながら入れていくことを目標としているのですが、どうしても入試直前なので、基本的な暗記で加点が期待できる部分を集中的にアップしてきました。
その最後が、今日になります。
今日は「生活・仏教や恋愛などに関わる語」です。
で、ここまでの古文単語は、こちら。
古文常識は、こちらに全ページがリンクされています。
さらに、古文単語とこの古文常識のスライドをまとめたプリントがこちら。
noteで現段階、販売をしていますが、基本的にすべてのスライドは画像ファイルですが、このブログにすべて載っていますし、プリントに説明はありません。また、私が教えている生徒には当然、無料配布をしているものです。
使い勝手だけでプリントにまとめていること、そして自分の生徒とのちょっとした差別化で有料にしているだけですので、「スマホで見てます…」という人には購入の必要はありませんので、よろしくお願いします。
恋愛に関わる語
平安時代(中古)における恋愛は、「通い婚」ですね。もちろん、これはかなり身分の高い人の話であって、庶民の話をしているわけではありません。
基本的に、男の人が女の人の家に通う。3日通って結婚…というような感じです。男は、夜に訪れ、そして朝になる前に帰る。
女の人は、家で待つしかない。男の人は、家に入れてもらえるように手紙を書いたり、家に入れてもらえるように女の家の侍女とかと通じて、なんとか入れてもらったり…いろんな苦労があるわけですね。
どんな風に家の中に入るかって話は、前回の一覧ですね。
愛敬(あいぎょう)というのは、相手によく思われるための能力というか、「愛嬌」に通じるものがありますね。好かれる力です。
「懸想」というのは、「想いを懸ける」こと。誰かを好きになることです。
部屋に入るためには、「案内(あない)」が必要です。導き、ですね。手紙をとりついだり、部屋に入るために手引きしてもらったり…
こうして、部屋に入ってともに一晩過ごしたら、朝になる前に男は家に帰ります。そして読むのが「後朝」の歌。読みは「きぬぎぬ」で「衣々」です。体が重なるということは、衣も重なるわけで、かなり色っぽい単語ですね。
男が、正確に言うと、帰った方が歌を詠むんです。また会いたい的な。そして、女が、正確に言うと、待つ方が返す。そんな感じ。基本は通い婚ですから、男が先に詠みますが、たとえば、旅行で宿って男の部屋に女が来たりすると順番は入れ替わります。
基本的に、朝は別れで恨めしい時間。そして、暮れは会える時間です。たとえば、鳥が鳴く…というのは、にわとりの鳴き声で朝。つまり別れを告げるわけです。ロミオとジュリエットみたいですね。
このあたりは上の「恋愛をあらわす単語」とか下の「時間をあらわす単語」なども参考にしてください。
夢とお告げの話~加持祈祷
夢がお告げの話はすでにしました。
古文の世界では、憧れると「あくがる=離る」ですから、体から魂が抜け出して、大事なことを知らせたり、好きな人のところに会いにいったりするんですね。
病気になっても「加持祈祷」です。要するに、おまじないで治そうとする。
讃岐典侍日記で堀河帝が死ぬシーンも、源氏物語で源氏が病気になって北山に赴き、若紫をみつけるところもこれ。
それは「誦経(ずきょう)」でもあり、行うのは僧侶ですが、「験者(げんざ)」だったりするわけです。効果が出てくることは「験(しるし)」ですね。
方角が悪いときは、「方違へ(かたたがへ)」です。
たとえば、鬼門の方角、北東に行きたくないけど行かなくちゃいけないとしますよね?
そしたら、まず、東に行って出発する場所を動かし、そこから北に向かう。そうすると、北東に行かなくてすみます。実際はいっているんですけど、東に行って、そこから北に行くわけだから。
そういうような様々な出歩いちゃいけないルールが「物忌み」です。これもさまざまな手があって、たとえばお札みたいなのを顔というか、烏帽子とかに貼って出てくるとか、そんな手もあるんですね。
仏教は、古文の中心
このように仏教は、さまざまな形で根付いています。
後世(ごせ)は来世のこと。宿世(しゅくせ)は全盛からの因縁。
そうなってくると、仏教に関わる語が気になります。特に出家に関わる部分は重要です。
というわけで、今日は、これまでやったところを読みながら、単語と常識を結んでいきましょう。