国語の真似び(まねび) 受験と授業の国語の学習方法 

中学受験から大学受験までを対象として国語の学習方法を説明します。現代文、古文、漢文、そして小論文や作文、漢字まで楽しく学習しましょう!

漢字の部首の話。部首の名前と見分け方。「中学受験・高校受験・漢検のための部首」

漢字の覚え方については、あとは実践例をあげるだけになっていますが、その前に一度、「受験」的な部首の見分け方の話をしておきたいと思います。

ここまでの話は、形成文字、すなわち「意味を表す部首」と「音をあらわす記号」を理解して、

  • 部首ではなく、音記号で部首を変えて漢字を覚えていくこと。
  • 部首は名称ではなく、意味を覚えていくこと。
  • 漢字は、その作業でイメージ化をすること。

などをまとめてきました。 

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こんな感じでやってきました。今日は、急に受験にこびまして、「意味がない」と思いつつ、入試で出る以上説明しないと、という使命感で、部首の名称と見分け方の話をすすめます。

 

部首の名称は、日本発祥、日本語の見た目

まず、部首の名称ですが、ここまでも説明してきましたが、論理的に整理すると、次のようなものの組み合わせでできています。

  1. その部首が持っている意味のイメージに基づく名称。
  2. その部首の見た目のイメージ
  3. その部首の見た目がどの文字に似ているか。
  4. その部首を含む漢字からの名称

こんな感じの組み合わせで名称はできています。だから、1番なんかだったら、すごくいいんですけど、3番とか4番とかになると、名前を覚えても意味がない感じになってしまいます。では、簡単に説明していきましょう。

部首の部分の名前

まずは、部首の部分の名前です。必ず、これらの名称がつくわけではなく、ついていなくても、同じ場所のものはそのように呼びます。ただし、今、私が説明するものが、「本当に部首であるかどうか」はまた別の話。呼称ぐらいに思ってください。何を言っているかわからないかもしれませんが、あとで説明します。

へん

左右に分解されるものの左側。きへん、にんべん、ごんべんなど、一番メジャーですね。

つくり

左右に分解されるものの右側。残った音記号を「つくり」として説明することもありますが、「つくり」が部首になることもありますね。「おおざと(部・郡)」や「ふしづくり(印・却)」など。力なんかもつくりで部首になることが多いですよ。

かしら

上にのっかるシリーズは「かしら」と呼びます。あみがしら(羅)とかです。

かんむり

上ののっかるシリーズは「かんむり」とも呼ばれます。うかんむり・わかんむりなどですね。くさかんむりにたけかんむりなどもメジャー

たれ・だれ

同じように上にのっかっていても、垂れていると「たれ・だれ」。代表格は、がんだれ(雁)・まだれ(麻)。やまいだれ(病)もありますね。

あし

今度は下につくとあし、です。なつあし(夏)とか、二十あしとか、(算)そのまま「あし」(虎)とか。

にょう

Lの形になっていものは「にょう」です。しんにょう(進)、えんにょう(延)が代表格。

かまえ

全体を囲っていると「かまえ」です。全部をかこっているとはかぎりません。国がまえは□。はこがまえ(匠)はひとつかけてますし、門はもんがまえ。行がまえ=衛みたいなのもありますね。

それでは、次に部首の由来的なものを説明しましょう。名前と形が一致するように。

 

意味をもとにした部首

きへん、にんべん…漢字がそのまま意味になる

このシリーズは、漢字が部首の名前になっていて、きへん、にんべんをはじめとして、漢字がそのまま部首となり、また、その漢字がそのまま部首の意味になっているパターンですね。結構多いし、覚えやすいし、ありがたいパターンです。

ごんべん、てへん、しめすへん、ころもへん、もんがまえ、あなかんむりなど

こころ、ちから、くち、かたな…漢字がそのまま部首名

上の中でも、漢字の訓読みがそのまま部首名になっているケースもあります。あまりわけなくてもいいですかね。

形と名称が違うけど、名称が意味をあらわしている部首

おぼえにくいけど、重要で、これがわかると漢字を間違う率が減る、というグループ。ここ、ちょっと子どもに覚えさせるといいですよ。

おおざと

「おおざと」郡・部は「里」「地域」を意味します。形が同じ「こざと」より大きいから「おおざと」

ふるとり

「ふるとり」「進・焦」は鳥のこと。鳥が関わる字ですね。

あくび

あくび「欠」は、人があくびをしている様子から。「まだ足りない」と口をあけている感じです。

しかばね

屋・屍にあるのが「しかばね」。人間が死んで横たわっている字です。

けものへん

狼・狙などは「けものへん」。もともとは犬です。

つめかんむり

受の上はつめかんむり。手でつまむような形です。

 

語呂合わせ的な部首

続いて、語呂合わせ。このグループは、名称によって意味がわからなくなる厄介なグループ。でも名前の由来がわかれば部首はわかる。形を見ても名前がわかるかも。私は「部首は意味が大事」と教えるので、意味も覚えてね。

のぎへん

まずはこの代表格。「のぎへん」はカタカナの「ノ」に「木」で「のぎへん」。本当は、「ノ」が実を表すので、実りのイメージです。

のぶん→むちづくり

ここからは部首の名称が二つあるシリーズ。前が見た目、後が意味。

「のぶん」は見た目。カタカナの「ノ」に漢字で「文」。

教・攻などのイメージ。

別名「むちづくり」。これが意味ですね。

るまた→ほこ

「るまた」はカタカナの「ル」に漢字で「又」。

投・没などね。

意味は「ほこ」。金づちのようなものを上から振り下ろすイメージです。

こよみのとり→さけづくり

読んで字の如く暦の酉。酉年の「とり」。でもまったく意味はないです。

意味は「酒」。もともとはツボのイメージです。

よつてん→れっか

4つの点で「よつてん」。

点・焦

これも別名「れっか」。これなら烈火で、下から火がついているイメージ。

ひ→座った人

比とか北とかです。

カタカナの「ヒ」。

でも実際は座った人。

いちたへん→骨

数字の「一」にカタカナの「タ」で「いち・た」。

列・死

ですね。骨の関節なんですが、たいてい死体で間違いないです。

おうへん→玉

王ですが、「玉」。宝石です。

うかんむり・わかんむり

カタカナの「ウ」、カタカナの「ワ」ですね。それぞれ家の屋根です。

さんづくり

つくりにある「三」。

美しい模様を表します。

おおがい

貝に何かがついて「おおがい」なんでしょう。

顔とかですね。

それこそ顔そのものを表しています。

 

以上、名前に注意の部首でした。

 

含む漢字をもとにした部首

漢字がもとになっている部首グループです。

ぎょうにんべん

「行」ですね。もともとは道、四つ角を表しています。

くにがまえ

「国」です。囲んでいるイメージでいいでしょう。

はつがしら

「発」ですね。

もともとは足をイメージしています。だから注意が必要。「登」とか。発も、動く感じですよね。

やまいだれ

これは「病」から。病気を表すのでそのまま。

つつみがまえ

「包」から来ています。妊婦さんのお腹がもと。お腹のなかに入ってるんですね。

しんにょう・えんにょう

しんにょうは「進」、えんにょうは「延」です。しんにょうはもともと「之」なので「行」という意味。

その組み合わせによる部首

最後にその組み合わせですね。

さんずい・にすい

「すい」は水のこと。意味を表しています。「さん」「に」はそれぞれ三・二です。

「さんずい」は「液体」、「にすい」は「固体・氷」です。冷凍、凝固。

りっとう

カタカナの「リ」に「刀」で「りつとう」。刀です。

りっしんべん

「心」が「立」つので「りっしんべん」。慕・恭の下も心が立ってます。

こざとへん

おおざとが先にあって、「へん」は比べて小さいから「こざと」。でも意味はまったく違って、「ブロック・壁」ですね。覚えた方がいいですよ。 

部首を覚えたい人にはおすすめです!これ見たら、部首はどんどん入ります。 

お手軽版も出たみたい。

ここまでだいぶ部首を説明しました。意味については、こっちで復習を。 

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 部首は意味を表し、残りが音記号ということは…

さて、今日の話のラストは部首の決め方です。だいぶ説明されてきていますので知っている人も多いかな?

でも一応、説明していきましょう。簡単にいうと次の中のどれかでがんばることになります。

1 形声文字「音記号」を見つけたら残りが部首~音で考える

形声文字は、「意味をあらわす部首」と「音をあらわす部分=音記号」でできあがります。ここから考えていきます。

あまりに有名な次の例。

間 問 関 悶 聞 閑

の中で、部首が「もんがまえ」なのはどれ? 

これを理解するには、音読みを考えるんですね。訓読みは日本人が考えたやつですから、だめですよ。訓読みは和語ってことです。

間カン 問モン 関カン 悶モン 聞ブン(モン) 閑カン

ですね。

ですから、モンと読まないものが門構え。つまり、間・関・閑がもんがまえ。それ以外はモンと読むので音記号、残された、口、心、耳が部首になります。

じゃあ、例題。

次の漢字の部首は?

歌・影・救

どうでしょうか?

歌は音読みは「カ」。ないですかね。ありますよ。「可」です。だから、部首はあくび。

影は音読み「ケイ」。ケイと読むのは、景。ですから、さんづくり。

救は音読み「キュウ」。キュウと読むのは、求。ですから、のぶん。

こんな感じです。まずは音読みを探してみましょう。

2 形声文字「意味」をあらわしそうな方が部首~意味で考える

中国語の関係かわかりませんが、必ずしも音読みで対応はできません。だから、もうひとつの方法は、意味を考えて意味に合う物が部首だ、というやり方。

ちょっと考えてみましょう。

夢・黙・旬・美

これらの部首は?

たとえば、夢という感じを見てみます。この夢という漢字に近い意味を部品から見つけると、たぶん「夕」じゃないでしょうか。さすがにクサではないでしょう。

黙ですね。犬も里もよつてんも、なんだか意味にならないですよね。この中で探すなら犬ですが、犬うるさそうだし…。よ~く見てみると、「黒」にしたら、黙ってそうでしょ?

旬、といえば、上旬、中旬…なんて使います。時間に関わりますよね?だから、日が部首。

美しいのは「大きい羊」なんですね。どっちが美しいかといえば羊ですね。だから羊。

どうですか?一応、手がかりにはなるでしょ?

 

3 もう覚えてしまうしかないかも…

 でも、それでもだめなのものもあります。こうなるともう覚えるしかない。

漢検受けるとなったら、わからないときは辞書を引いて調べていくわけですね。

私は、入試で部首を問う必要はなくて、もっと漢字を覚えるために必要なこと、つまり、前回までの話が大事だと思っているので、こういう問題は出しません。

漢字を得意にしたいなら、こっちのカルタ!

出る人、がんばってください!!

 

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