国語の真似び(まねび) 受験と授業の国語の学習方法 

中学受験から大学受験までを対象として国語の学習方法を説明します。現代文、古文、漢文、そして小論文や作文、漢字まで楽しく学習しましょう!

センター試験・共通テスト・私大マークの古文・漢文対策~どのぐらいの学習が必要なのか?

今日は、古文・漢文についての話です。センター試験、共通テスト、そしてオールマークの私大入試など、国語の問題をどのくらい取れればいいのか、そしてそのためにどの程度の学習が必要なのかを考察します。

理系や私大文系を中心に、国語はマーク式、すなわち選択問題だけでしか扱わないという受験生も多いことでしょう。実際、模試でみても、センター型模試は当然マークシートですし、高校で多く導入されているスタディサポートのような基礎学力診断型のテストもマークになっている可能性が高いですね。

一方で、河合模試のようになると急に記述となります。

また、学校の定期試験は、試験の性質が変わりますが、記述もある程度入っていることでしょう。

それでは、まずはここから、国語の学習のあり方を考えてみたいと思います。今回は、本当はまずい状況なのに「国語はなんとかなるし」と思わず口走ってしまう人へのメッセージです。

 

センター試験で考える~どのぐらい取れるのか?それは古文・漢文をどの程度学習したことを表すのか?

今日のこの話は、きっと、センターの国語200点満点で、特に特別な受験勉強をしていないのに、80点前後から120点ぐらいがとれていて、本能的に「勉強してなくてもこのぐらいなら、ちょっとやれば(問題演習積めば)なんとかなるんじゃね?」的な人への話です。

コンスタントに150点ぐらいが取れていれば、私がここで注意する必要もないだろうし、逆に200点満点で50点ぐらいをとっていると、さすがに「なんとかなる」とは思わないし、まして口に出せないと思うからです。

「あれ?おれの話?」と思った人。その通り。君へのメッセージです。

まず、センター試験というものをちゃんと考えてみましょう。

センターの国語は5択です。これが何を意味しているか?つまり、きちんとマークがぬれれば、幼稚園児でも、確率的に20%の点がとれるということです。もちろん、運が悪ければ、下がりますが、でも、それは運が良ければ、何も勉強していなくてもそれ以上がとれるということでもあります。

国語は現代文で問6まで。最近、古文や漢文は問いを増やす方向にあり、この場合は、問7とか8ですね。

ということは確率的には、1問か2問あたるわけです。塗ると。

20%で計算すれば10点/50点で、40点/200点です。

「それじゃあ奇跡的に満点とれることもあるよね」っていう人は、ロト6がそう簡単にあたらないのと一緒で確率計算をしましょうね。1/5を40回ぐらいかけると満点が取れる確率が出てきますから。

つまり、センター試験や古文の勉強をしていないとしても、もっというと小学生でも、きちんとマークが塗れると、平均的に40点もらえるのがセンター国語です。

君たちは高校生。どんなに勉強していなくても、幼稚園児よりは日本語がわかるし、教室に座って授業を受けて、過去問解いて、模試受けてるなら、少しは「これ絶対違うぜ」的な選択肢をはずすことができるようになるはずですし、「これは絶対これだよ。間違いない」という問いもあるということですね。

たとえば、平均的に5択の問題から絶対違う選択肢を2つ外せたとします。これで確率は1/3になりました。得点は、17点/50点、67点/200点です。もし、選択肢がほぼ2択までしぼれるなら、25点/50点、100点/200点。

でも、実際は10点/50点、40点/200点は基礎点でだれもがもらえる部分ですから、1/3として、積み重ねたのは7点/50点、27点/200点です。1/2として15点/50点、60点/200点程度ということです。

逆のことをやってもいいですね。あなたの得点が何%か計算します。その%があなたが選択肢をしぼっている確率ともいえるし、もともと10%分は全員がもらえるんだとするとそれを引いた分があなたの学力です。

これが、80点~120点ぐらい取れている人の正体です。

じゃあ、これ。どのぐらい古文や漢文がわかっているのでしょうか。

この状態で、たとえば文系の記述型の試験を受けてみるといいですね。そうするとどうなるか?実は、ほぼ点が入りません。最後が二択とか三択とかになっているということは、単語や文法レベルではわからないことだらけということです。やってみるとわかりますが、ほとんど書けない。これが模試でほとんど点が入らない状態に近くなっていると思います。

だから、東大とか、国立文系の二次とか、そういう試験だととても合格点にはいきません。

でも、理系なんかだと「センター試験はマークだから何言ったって、半分ぐらいはとれるし、もう少し伸ばせばいいわけでしょ?今、やってなくてこんなもんだから、ちょっとやれば…」という声をやっつけることはできませんね。

 

古文・漢文は何点とるべきか?~現代文をどう考える?

そもそもこの話は、たいして勉強してないけど、80点~120点ぐらいがとれて、なんとかなるんじゃね的受験生に向けての話です。

だから、「おれはたいしてやってないけど150点とれるし」という人への話ではありません。150点とるということは、4問中2問は自信を持って正解が選べ、残りの2問が1/2までしぼれるということです。だから、150/200になる。

私がメッセージを送っている君は、そもそも平均的に全部が1/2までしかできない。だから100点/200点です。

これから古文漢文に入っていく前に、必ず「現代文はなんとかなるし…」という人がいます。これ、本当でしょうか?

さっきからやっている確率論です。まず、現代文の一問は、7点です。一問ミスると、43点で、もう80%計算。たとえば、古文・漢文が50点/100点だと仮定すると、現代文が100%ではじめて150点です。仮に評論小説、両方1問ミスだと、86点で、合わせて136点で70%を下回ります。

じゃあ、この1問ミスってどのぐらいのレベルなんでしょうか。

さっきの話で言うと、現代文は問6まで。問6は6点×2になることが多く、問1は、漢字で5問10点ですね。

漢字5問を仮に1問換算とすると、要は7問あるということ。平均7点計算です。ということは5問が自信を持って正解を選べて、2つまでしぼれて迷うのが2問。これが43点とるレベルです。

どうです?本当にこのレベルにありますか?あるいは行けますか?

「現代文は大丈夫?だいたいの問題が最後のふたつぐらいまでしぼれるから」だとすると、50点/100点なんですけど…。もちろん、自信をもって選べる問題があればあがっていきますが、43点が5問間違いなくて残り2問が1/2です。

そこまで上がれます?上がれないなら、その間の得点、25~43までの得点なんですよ。

こう考えていくと、とても古文・漢文をカバーできる得点はとれないですね。

古文・漢文は何点とるべきか?~80%~100%を狙うべき。

話を戻していくと、だから、現代文をこのレベルに上げることは無理なのではないか、ということです。もちろん、私大難関や東大を狙うとなれば、とるまでやるしかないんですが、理系や中堅私大文系を狙うとすれば、現代文をそのレベルまであげられるのかどうか…。

逆にいえば、現代文は最悪、はずしにはずすと50%があるんじゃないのか?もちろん、運が良ければ43点がある、というレベルですが、25点~43点というと、幅があるように見えますが、実はわずか2問程度。運が良ければ43、悪ければ25、標準的に30点台。ありそうな数字ですね。2問全部あたるのか、はずすのか、それとも妥当に1問か。

だとすると、センター80%を確実に取りたいなら、古文、漢文こそ満点を狙わないといけない。

でも、満点を狙うということは、さっきの、

「5問自信があって、残り2問が1/2」

より上ということです。

つまり、ほぼ、全部を完璧にする、ということが求められるわけです。となると、単語や文法のかなり細かいこと、主たる用法をもちろん、例外的な用法やこういう意味もある、というぐらいまで、少なくとも目を通しておかないといけない、ということになります。

もちろん、読解的な問題も出るというか、最近のセンターは昔よりも、そういう問題のウエイトが高まっていて、当然、単語や文法の知識は必要とはいえ、それだけでは選択肢がしぼりきれなくなっていたり、選択肢ひとつひとつもかなり長くなっている傾向にあります。

そういったことを含めて、「満点を狙う」意識が必要になるわけです。

 

じゃあ、どんな勉強をするの?理系、センターだけに国語がある人へ。

というわけで、これから学習方法の説明をはじめていきますが、理系の人はどのように取り組めばいいでしょうか?

理系の人にとって、最重要科目は、数学、英語、物理(生物)化学です。どう考えても、古文はそのあと。

これが厄介なことになっていて、どうしても後回しにして、結局間に合わない形になります。

まず、古文は漢文に比べて、覚えたらそのまま得点になるかと言われると、そうはいかない。覚えた知識を取り出して使う、ということが求められるわけです。これが簡単にはいかない。つまり、過去問の絶対量が必要になるんです。

たまに、「1ヶ月文法と単語やったら、完璧になった!」という人がいますが、こういう人の場合、単語と文法を取り組む前に継続的に問題演習をやっていた可能性が高いです。

ですから、結論から書くと、

  • 遅くとも夏休み前に、単語・文法を一通り終わらせ、完璧とはいかなくても、単語や文法の問題をやったら、だいたいできる、できなくても「ああ、あれだ!なんだっけ?」ぐらいまでのレベルに持っていく。
  • 単語や文法が終わったかどうかに関わらず、問題演習は少なくとも、週に一題は解く。その際、どんなに単語や文法が終わっていなくても、とにかく本文を隅から隅まで読んで、ねばって答えを選ぶ。

というようなことが必要です。あとは、選択肢をどう選ぶかのテクニック。

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漢文に関しては、古文より、「わかる」ことより「問に答える」の方に比重があって、それこそ、試験前日であっても、やっていないなら、どんととれるようになる可能性があるぐらい即効性があります。

だから後回しにするのでなく、今、やってしまえば、自信になると思います。

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じゃあ、どんな勉強をするの?文系、私大中堅あたりをとりたい人へ。~東洋大の古文で、単語と文法を総チェック!!

私立大学を考えている場合、たとえばセンター利用型で、そこそこの大学を狙うと、すでに80%以上が最低ラインで、MARCHなら90%という状況になってきました。もはや、満点がとれなければ、どうにもならない状況です。

まずは、私立文系のこの厳しさを自覚する必要があると思います。

実際に、どういうレベルで出題がされているかというと、

  • 東洋大学で、「む」の選択肢が「推量」「意志」「婉曲」など、推量の用法の中から選ばせる。
  • 立教大学で、「まし」の正解が「反実仮想」でなく、「ためらいの意志」「実現不可能な願望」でもなく、ただの「推量」=文法の参考書の欄外レベル、「らむ」の正解が「現在推量」でなく「原因推量」。ちなみに前者の選択肢群には「反実仮想」「推量」、後者には「現在推量」「原因推量」ともにあり。

という感じです。両大学とも、学部でなく、大学でまとめて問題を作っているタイプの大学で、合格最低点は比較的高め、問題は文法や単語などの知識に偏る傾向があります。

それでこれです。

細かくつめなければいけないことはわかるかと思います。ですから、まずはこういう大学の問題に取り組むことをおすすめします。

特に東洋大学は、よくもわるくも、単語や文法の知識が決定的なものとなっています。本文の内容を全く読まないで、設問だけ見ても70%~80%の問題は正解を出せます。傍線部の単語と文法の知識が徹底的に問われるからです。

このあたりの問題を取り組んで何点とれるかやってみるといいですね。

あなたの現在地がわかるし、これから文法と単語を学びなおすにあたって、どういう観点で、どういうレベルで学べばいいか見えてきます。

ある程度とれるなら、次は立教がおすすめ。若干本文の内容に軸足が動きつつ、でも、結局は単語と文法の知識が生きる、という問題です。

早稲田あたりになると、読解と両方が求められるので、混乱する可能性があると思いますね。

では、このシリーズでは、特にセンターを中心に、学習方法、問題の解き方を解説していこうと思います。

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