共通テストの古文、漢文の解法について、まとめていきたいと思います。
共通テストに変わるはじめての入試が近づいてきましたが、特に直前でもなんとかなる確率の高い古文、漢文についてまとめていきたいと思います。
今までのセンター試験とどう変わるのかはわからないところではありますが、基本的にはセンターの過去問と共通テストの対策問題集、模試でしか推測はできません。5年ぐらい経たないと、実際にどうなったのかは検証できないと思います。
というわけで、共通テストならではのことも含めて、問題の解き方を検証していきましょう。
共通テスト対策全般はここにまとめました。
古文、漢文の今までのものはこちら。
そのほか、共通テスト関連がこちら。
- 本文を読む前に、前注と設問をヒントにする~後ろの問いから戻りながら目を通す。
- 本文を読みながら、傍線部がきたら、必ず問題に目を向ける。
- 問一意味の問題は、①単語そのものの意味、②本文での意味
- 古文・漢文の理由問題はたいてい直前が根拠
- 傍線部の説明問題は、傍線部の単語の意味、文法解釈を忘れない。選択肢が長いときは、直前が根拠。根拠と照合を忘れない。
- 歌の問題は、歌と解釈との対応が大事。
- 漢文の漢字問題は、まず覚える。一般的な語は熟語で考える。
- 漢文で必要なことは、①構文、②句法、③漢字
- 漢文で答えを絞るためには、①訳、②書き下し文、③構文
- 教室対話のシーンで、余計な文章がついたら、本文と余計な文の両面から考える。
- 表現の問題は、まず「テーマ」と「訳」、それとともに「表現そのもの」をチェック。
- 対策問題集はこちら。
本文を読む前に、前注と設問をヒントにする~後ろの問いから戻りながら目を通す。
まず、いきなり本文を読むことはすすめられません。
多くのヒントがかくされていますし、また、「心の準備」も必要だからです。たとえば、映画をみるとき、タイトルやだいたいどんな話かは、心の準備をしてみますよね?みはじめて、はじめて「これ恋愛映画?」なんてことはありません。
ストーリーは知らないまでも、だいたい恋愛ものか、戦争ものか、ヒーローアクションか、などなど、なんとなくイメージして読みます。
だから、当然、ある程度の心の準備はしたい。
というわけで、ヒントになるのは、「前注」「教室の対話」「内容把握問題」です。
あとは、先にラストシーンのカンニングするのもおススメ。オチがわかれば、要は展開が追えるわけで、だからこそ、ラストシーンも先にちらっと見るといいでしょう。
というわけで、簡単にそれらのポイントを説明します。
前注~話のポイントを理解する。予想される結末はたいていふたつ。ハッピーエンドとバッドエンド
まずはなんといっても前注です。かなりヒントが隠れていることが多いです。
たとえば、2017年の追試験。
主人公の大納言は出家を決意し、斎宮(大宮の娘)、大宮(大納言を育てた人物)、大将(大納言の兄)の三人宛に手紙を書き残して一条院(大宮の邸)から姿を消した。本文は、一条院に仕える女房がその手紙を見つける場面から始まる。
さて、ここから物語がわかりますか?
そんなに難しいことを当てろとか、わかるとか言っているわけではないですよ。
「普通このあとこうなるよね」って話です。
だって、この注のあと、いきなり、
「大納言は実は宇宙人だった」
「大納言は甲子園に出場することになった」
みたいな突飛な展開になるわけがない。意味のある注をつけているに決まっているわけですから。
戻りましょう。さっきの注をもう一度読んでください。
ひとつめ。
手紙を残して大納言がいなくなりました。今後の展開は?
そうです。次のふたつ。
- 手紙の中で、いなくなった理由が語られる。あるいは、3人に言っておきたいことが書かれる。
- 大納言を探す。あるいは、言われたことを実行する。たとえば「探すな」と書かれているから探さない、など。
こんな感じでしょう。
2だとすると、今後の展開は?
それは二つ。
- 見つかる。
- 見つからない。
見つからなければ、話はたぶん終わり。見つかるとすれば、次のふたつ。
- 戻る
- 戻らない
こんな感じです。
さらにさっきの3人、気になりませんか?
斎宮(大宮の娘)、大宮(大納言を育てた人物)、大将(大納言の兄)
あとの二人はわかるんですね。お兄さんと親代わりですから。
最初の人に何で手紙書くんでしょうか?そりゃ、関係があるからですよね。
じゃあ、どんな関係かっていえば、恋愛の可能性が高いと思いません?
前注で、このぐらいわかるといえばわかるんです。
たとえば、よくあるパターンで、「男が女を見かけて、家をつきとめる…」なんてのありません?
じゃあ、この話は?
たぶん、男が女に興味、好意をもったんじゃないでしょうか。
じゃあ、そのラストは?
- うまくいく
- うまくいかない
だいたいどっちかですよね。もちろん、うまくいったあと、うまくいかなくなる…みたいなこともあるかもしれませんけど。
こういうことを前注でちゃんとイメージする必要があるんです。
教室の対話~選択肢になっていないところは、「本文の解説」「本文の要約」
共通テストの模試や対策問題集で、集中的に予測されているのが、教室対話です。あとでも、別項目で説明しますが、ここで余計な文章とか文学的常識とか知識とかを足して、深めていこうという意図です。
ところが、これ、かなり読解のヒントになります。
たとえば、教室で、先生と生徒がある程度対話して、最後に正しい意見の生徒を選ぶ問題や対話をしたうえで、空所を作って、その空所に入る文を選ぶような問題の場合、少なくとも、問題になっていないところは、正しい説明である、ということになります。
これ、今までなかったパターンです。
この後にもあるんですが、間違っている選択肢でも大きく間違ったりはしないからヒントにしよう、ということなのに、明らかに正しい説明があるっていうのはすごいヒントです。
というわけで、ざっと見渡して、この問題があったら、ざっと読んで、テーマを表すような言葉にはチェックを入れておきましょう。あるいは、展開のポイントをつかんでしまいましょう。
内容把握の問題は、全部の要約になるか、①から順に展開するか
ここからは、センター試験同様ですが、それをさしひいても、内容把握問題があったら、ヒントです。
パターンは、5つとか6つとかの選択肢が、等価、つまり、選択肢ひとつずつが本文全体の要約になっているか、あるいは前から順番に物語が展開していくか、です。
前者の場合は、どれが正しいかをここで考えても仕方ありませんから、選択肢全体でどうも共通しているらしい展開をつかみます。
選択肢の違う部分はあまり気にせず、「でも、ここまでは同じかな」と考えるわけです。たとえば、「断る」と「付き合う」と正反対のものがあったとしても、どっちかは考えず、「少なくとも告白はしたんだな」って感じ。
こんなことをつかみましょう。
後者の展開するパターンの場合、間違いが多かったとしても、おおよそ、展開はあっています。起こるイベント、と考えてもいいですね。「出会う」「一晩過ごす」「歌のやりとり」みたいな感じです。
最後の問いから戻ると、予想のずれが少なくなる!「傍線部の位置が展開の位置」
こういったことをする時のコツなんですけど、後ろから戻るっていうことです。
これ、前からやらないほうがいい。
やっかいなことを書くと、この作業って「細かいことを予測するな、気にするな」といいながら「全体的な流れをつかめ」って言っているんですね。
だから、どこからどこまでがおおざっぱで、どこからどこまでが細かいことがわからない。
人間するなって言われても「おおざっぱにつかめ」と言われている以上、わからないことを勝手に埋めて間違うリスクがあるんです。
で、前からやると、分岐が増える。最初で5択、次で5をかけて25択、その次で125択。もう、無限の展開です。もし、どこかで読み間違っていたら大変。
後ろからやっても確率は同じように思えるのは、数学の強い人。その通りです。
しかし、問題というのは、正解と紛らわしいものを作るわけです。つまり、正解に近い5択であるということ。
たとえていうなら、分岐はトーナメント戦の表みたいなもので、決勝のところから、降りてくるもので、最後が125択になるわけです。
でも、最後から考えれば、間違いは125に散らばったものからランダムにはとってきません。なぜなら、そうなると、正解からずれすぎるからです。
したがって、最後は、実はものすごい近いところの5択。
無限にひろがっているわけではなく、「この辺だよ」と示してくれるイメージ。
つまり、後ろから解くっていうのは、125のゴールが見えているところから逆にたどる感じ。迷路だって、実はゴールからやる方が速かったりしますよね?
因果関係を意識すると、さらに簡単。
「こうなるってことは前にこういうことが起こっていないと…」という感じです。
本文を読みながら、傍線部がきたら、必ず問題に目を向ける。
さて、こうして本文を読む段階に入ります。といっても、これまでの作業はさほど真剣にやるような作業ではなく、最低限、「恋愛の話」とか「死ぬんだ」とかその程度で十分。
で、実際に読み進めます。
ここで重要なのは、傍線部が来たら問題に目を通す、ということ。
なぜかというと、問題文や選択肢に、注とおなじくらいの解説があることが多いんです。中古(平安時代)あたりの、主客がとりづらい難しい文章になればなるほど、この傾向が強い。
つまり、問題に目を通すことではじめて、本文が読めるといってよい。
だから、私と同じような解き方解説サイトに、「先に問題を見る」とよくありますが、厳密にいうと、先に目を通すのはざっと概略をつかむため、本文のたびに目を通すのは、この部分に、問題を通して与えられた注をつかむため、です。
というわけで、それも二つのパターンがあります。
問題自体にヒントがある。
一つ目は、問題文にヒントがあるパターンです。
たとえば、問題文が、
「傍線部Aとあるが、ここには男のどうような心情が込められているか」
となっている場合、ここの主語が「男」であることが与えられています。
実際にあった問題でいうと、この「男」が人名で明確に示された上に、これが会話文中であることで、この話者がその人物であると与えているようなケースがあります。
このように、注ではなく、問題文でヒントを与えるわけです。
選択肢にヒントがある。
続いて、選択肢にヒントが与えられるパターンは、大きく分けると、選択肢がそろえられたり、あるいは大きく二つの選択であることを示したりするパターンです。
たとえば、選択肢をそろえるというのは、
- ある単語の意味をすべてに与える。漢文でいえば、難しい漢字の読みをそろえる。
- ある部分の訳をそろえる。文法も含めて、訳しにくいところをすべての選択肢でそろえることにより、注をつけるのと同じ効果を与える。
- 主語や客語をそろえる。漢文も含めて、主語や客語を一定にすることで、この部分が「誰が~誰に~」行う部分かをヒントとして与える。
続いて、二つや三つに絞るというのは、今のと同じ部分を無限ではなく、いくつかの選択肢にすることで、多少のヒント、つまり、「これかこれですよ」というように示すことです。
これはヒントとしてはすべて揃うものに比べれば、少ないように感じます。
しかし、問題としてみれば、その「これかこれ」のどちらかがわかれば、二択あるいは三択にしぼれるわけですから、どちらが親切か、というのは難しいですね。
いずれにせよ、ヒントとしてもらって、
「こう読むとこう解釈してこう続くよね。こう読むとすればこういう解釈でこうなっていくよね」という二択ぐらいで本文を読めばいいわけです。
問一意味の問題は、①単語そのものの意味、②本文での意味
古文の問一は、意味問題で来ています。共通テストに変わるから、本当にそうかわかりませんが、たぶん、意味問題でしょう。
この問題は、まずは「単語そのものの意味」つまり「辞書的な意味」がベースです。
つまり、まず品詞分解して、単語や品詞をもとにして、それぞれをどう訳すのかという対応を見ることが一番です。
決して、「前後関係」とか「全体的な解釈」ではありません。中には、単語がわからないことをごまかすように、単語から目をそむけたり、あるいは分解せずに、全体的にまとめたり…というようなことが起こっている気がします。
というわけで、分解すると、「単語」と「文法」、特に文法では「どう訳すか」という部分が重要です。直前でもやればできる可能性のある部分です。
となると、
まずは単語です。
たとえば、一例をあげると、ここに載っていないような単語が出てきたと仮定します。
もちろん、その難しい単語の対応を見る必要があるわけですが、実は非常に簡単な単語が別の決め手になっているケースもあります。この問題の時では、実はその前に「いたく」という形容詞がついていました。これならほぼわかりますね。「ひどく・大変・とても」というようなものです。実はこれがちゃんと書かれているのが、選択肢ひとつ、つまり正解だけだった…なんてオチがあります。もちろん、もうひとつ、知っているべき単語がついているので、惑わされる形になるわけです。
さて、もう少し細かく書いていきましょう。
よく出題されるパターンの一つが敬語訳の問題です。
敬語は、尊敬語、謙譲語、丁寧語ですね。これらの訳を考えたいわけです。必ず対応するわけですから。
- 尊敬語…お~になる、~なさる、~していらっしゃる、~してくださる
- 謙譲語…お~する、~し申し上げる
- 丁寧語…です、ます、ございます
ということです。最後の丁寧語は「なかったとしても「です、ます」の文末になる」ということはありますが、尊敬語や謙譲語があるのに訳出されないというケースはありえません。
そして、実際の問題では、尊敬語や謙譲語が問題にふくまれながら、訳が前の3つになっているということが多いんです。
一番多いのは、「尊敬語訳2択、謙譲語訳2択、丁寧語1択」なんていうパターンです。したがって、敬語がつかめて、訳がわかれば2択になるということでもあります。
というわけで、しっかりおさえてください。
特に、
「お~になる=尊敬、お~する=謙譲」
というのが大事です。
「お話になります=尊敬」
「お話します、お話いたします=謙譲」
ということになります。
続いて、文法的なところで比較的多いのが、文末です。特に多いのが順接と逆接ですね。
- 已然形+ば=すでにそうなった→~ので
- 未然形+ば=まだそうなっていない→~ならば
- 已然形+ど、ども=~だけど
- 終止形+とも=~としても
このぐらいのことで、選択肢がしぼれることもありますね。
続いて、見落としやすいのが、逆接の助詞です。
- ~ものの、~ものを、~ものから
- ~ながら
- ~を、~に
などが忘れやすいところです。
最後の二つは、必ずしも逆接とは限りませんから、出題するとなると、逆に、訳を順接と逆接と変化をつけてくるわけです。
たとえば、「~に」だったら、「僕が言ったのに、どうして君は…」みたいなのが逆接ですね。「普通だったら桜が咲くものを…」とかいうと(ちょっと古くさいですけど)通じます。これと「学校に行く」とか「歩くのを見る」とかは、見分けられると思うんですね。
こういうちょっとした文末は怖いですよ。
というわけで、広げると文末といえば、終助詞と助動詞の訳になっていきます。
是非、ちょっと目を通しておいてください。
古文・漢文の理由問題はたいてい直前が根拠
続いて、古文と漢文の理由問題です。
そもそも理由問題は、「直前・直後」ですね。
しかし、古文ではほぼ、直前に限って大丈夫です。理由はシンプルで、「~ば」という形しかなくて、「なぜなら~だからだ」という表現がないんですね。
要するに、そうなると後に理由があるっていうのはないんです。
あるとすれば、「謎解き・後出し」パターンです。
たとえば、こんな形。
「先生が、広瀬すずちゃんにデートに誘われた。しかし、先生は断った。生徒は不思議に思って、なぜか聞きます。先生は答えます。だって、こんなのモニタリングに決まっていだろ、と。」
で、「先生はなぜ断ったか」と言われれば、後が理由になります。
これが「謎解き・後出し」パターン。漢文で多いですね。
古文はこういうパターンさえ、めったにない。
むしろ、理由問題の根拠は、ほぼほぼ次の二つ。
- 直前の「~ば」に当たる部分の単語をきちんと訳出しているものを選ぶ。
- 直前の会話文が根拠で、その会話文をきちんと訳出しているものを選ぶ。
という感じです。
実はこのうちの会話文パターンがすごく多くて、
「直前の会話文をきちんと訳出しているか選択肢と照合する」
ということさえ知っていると、「そこが訳せるかどうか」ではなくて、「訳として照合されているかどうか」ぐらいで、正解が選べてしまったりします。
このあたり、是非覚えておいてください。
傍線部の説明問題は、傍線部の単語の意味、文法解釈を忘れない。選択肢が長いときは、直前が根拠。根拠と照合を忘れない。
古文も漢文も、傍線部の説明は、傍線部と単語・文法、漢字・句法事項との対応が重要になります。
したがって、文法や単語など、傍線部そのものの理解、訳出が重要です。
したがって、単語問題同様、細かい照合作業が重要です。
で、実際には理由問題と同じような現象が起こります。
つまり、傍線部と比べて、選択肢が異様に長い、というような問題です。傍線部自体はシンプルな心情を表す一単語なのに、選択肢は非常に長いというようなパターン。
もちろん、傍線部の問題ですから、この単語の意味が入っていないものはだめですけど、長い以上は、そこだけでもダメ。
こういうのは、基本的には直前の部分、たいていは会話文だったりするんですが、会話文と選択肢の照合をしているものを選ぶだけになったりして、しかも、ひっかけが会話文を正確に訳しているかどうかでなく、「全体的」なものになっていて、「会話文との照合」ということさえわかれば、解けてしまうことがままあるんです。
こんなこと、覚えておいてね。
歌の問題は、歌と解釈との対応が大事。
というわけで、歌の解釈問題です。
「解釈」と言われて、歌の訳ではないように言い換えられているような印象があるから、とても難しく感じますが、これもほぼほぼ「照合」の問題です。
つまり、選択肢がどう歌の部分と対応しているかをチェックするだけです。
本当は、歌を訳出して、それこそわかる部分だけでもいいから訳出して対応させる。あるいは、歌の大事そうな部分を取り出して、選択肢と合わせて、訳として認められそうかどうかみるだけで十分。
だって、まったく対応していない選択肢がいっぱいあるので。
これ、漢詩でも、結構同じで、ちゃんと傍線部を訳して、訳と解釈の照合をしっかりやることが大事です。
漢詩だからついつい、詩全体と思います。で、なんか深いことを考えたくなります。で、「自分にはわからない」っていうことになるんですね。
そんな深いことじゃなくて、ある部分の訳でしかないんです。
だから、しっかり訳して、そのイメージが残る選択肢を選ぶだけなんですね。
漢文の漢字問題は、まず覚える。一般的な語は熟語で考える。
漢文にうつります。
漢文の漢字問題はいろいろなパターンがあります。
- 漢字に線を引いて、意味を問う問題。答えが意味になる。
- 漢字に線を引いて、読みを答える問題。
- 漢字に線を引いて、同じ意味を持つ熟語を選ぶ問題。
こんなのがノーマルな3パターンですね。
最初の二つは、次のページを使ってください。
この二つは、このブログの中でも、入試の直前になればなるほど、ものすごくアクセスされるページです。2020年のセンター試験の国語の直前の昼休みに圧倒的にアクセスされていたようなページです。
直前に確認するにはもってこいなのかもしれません。
で、そこでもある程度触れていますが、最後の熟語タイプの場合は、漢字一字と熟語そのものがイコールだと考えるわけです。
たとえば、「一」という変哲のない漢字ですが、
- 一日=あるひ
- 統一=まとまる
- 同一=同じ
- 一瞬=ちょっと、一度
みたいな感じ。むしろ、残った別の漢字と同じ意味ぐらいのイメージです。
これも練習してみてくださいね。
漢文で必要なことは、①構文、②句法、③漢字
漢文の基本は、
- 構文
- 句法
- 漢字
です。
漢文自体は「句法」と言われることが多いですが、構文的な知識と、漢字が大事です。
構文自体はたいしたことはなくて、なんで返り点があるかといえば、中国語が英語のような言語だからです。それを日本語に読もうとすれば、返り点が必要になります。返り点がつくのは語順が違うところ、
- 動詞
- 助動詞
- 前置詞
この3つです。これが日本語と中国語の違いです。こういうことを知っていればいいだけです。たとえば、よく出題されるものとしては、「可」とか「能」とかがありますね。
「可」の場合、
- べし=助動詞。下に動詞。「可読」よむべし
- かなり=動詞。上に主語。「読可」読むことかなり
ですね。つまり、語順で役割が変わるわけです。
「能」(英語のcan)の場合、
- よく=助動詞。下に動詞。「能読」よくよむ。(読むことができる)
- あたふ=助動詞。下に動詞。原則として、否定、たとえば前に「不」が必要。「不能読」よむあたはず
- よくす=動詞。前に主語。「我能」我よくす=私はできる
というような感じ。つまり、構文的な知識で読み方が変わるわけですね。意味はたいして変わらないけど。
漢文で答えを絞るためには、①訳、②書き下し文、③構文
というような知識が必要なんですが、確かにそうなんですけど、そう考えてしまうから、共通テストで訳がわからなくなる場合が多いんです。
つまり、優先順位は「構文」が最後で、
- 日本語訳
- 書き下し文
- 構文=漢字をどう返り点をつけるか
なんです。
共通テストは簡単です。
だから、日本語訳がある場合、まずこれから見る。漢字とか、書き下しを全部捨てて、日本語訳だけをみて、意味が通りそうなものをチェックする。
慣れてくるとわかるんですけど、実はめちゃくちゃな日本語が3つぐらい含まれます。どうやっても意味がわからない。「漢文が苦手」という意識が強いと、そのめちゃくちゃな日本語も「そうなのかな」と思うんですけど、慣れて自信をつけると「めちゃくちゃなんだから×」ということになります。
- 日本語として理解不能なものをはずす。
- 本文に入れて意味が通るものを選ぶ。
この二つを基準にして選びます。
残念ながら日本語訳がない場合、書き下し文を訳すようにします。「この漢字だけ(白文)をどう書き下すんだろう?」ではなく、「この書き下し文を訳すと…」と考えるわけです。そして、それを中心に考える。
そこまでやった上で、最後に構文知識を使います。
この順番が一番ハマると思いますので、試してみてください。
教室対話のシーンで、余計な文章がついたら、本文と余計な文の両面から考える。
全体的なところに戻ります。古文でも漢文でも、共通テストで多くなった教室対話の問題は、大きくわけると次の二つのパターン。
- 本文の解釈を教室で議論して深めていく。つまり、あくまでも本文解釈の問題。
- 本文の背景となる別の文章、歌、詩などを持ってきて、「違う話」をしだしている。
こんな感じ。
前者なら、本文解釈のヒントぐらいな話でいいんですけど、後者だと、なんだか新しい話が始まって、しかも専門的なマニアックな話に感じて、どのように解けばいいかわからなくなってしまうようですね。
この後者のパターンは、シンプル。
- あくまでも本文に付随してできた問題なので、本文のテーマ、主張、あらすじに沿っているものを選ぶ。
- しかし、別の文章を出してきた以上、当然、話の流れや引用された文、歌、詩自体の訳にも沿っているものを選ぶ。
- 空所補充の場合は、当然、主語や述語に合わせて、合うものを選ぶ。
というこれだけ。当たり前と言えば当たり前ですが、意識してみてください。
- 本文
- 与えられた文
- 教室の対話
置き換えれば、当たり前のこの3つから見て、重なったところに正解があるわけです。
表現の問題は、まず「テーマ」と「訳」、それとともに「表現そのもの」をチェック。
最後に表現の問題。
これは前回も触れています。
要するに、表現だから苦手意識が出るんですが、実は選択肢には、テーマ的な語句がかなりの割合で含まれていて、そのテーマ的な部分が違う物を切るだけでもかなりわかりやすくなります。
で、これが古文や漢文の場合、「 」で引用されている部分や前後の訳がちゃんとできているかという問題になっていることが多いんです。
もちろん、表現の部分もチェックしないといけないんですけど、「訳」として不適当であれば切れる、ということはとても大事なことです。
こう考えると他の問題とたいして変わらないので、まずは、「しっかり訳す」ということを意識してみてください。
対策問題集はこちら。
まずは対策問題集を紹介しておきます。個人的には、センターの過去問はちゃんとやった方がいいということと、あまり極端な問題、たとえば複数文とか、評論でなくて説明文みたいなものが出るのか、という懐疑はありますが、でも、対策問題集はやった方がいいと思います。