国語の真似び(まねび) 受験と授業の国語の学習方法 

中学受験から大学受験までを対象として国語の学習方法を説明します。現代文、古文、漢文、そして小論文や作文、漢字まで楽しく学習しましょう!

2021年度共通テスト国語 解答解説と分析速報~意外とセンターぽいけど、難度は上昇。

はじめての共通テストが行われました。というわけで、国語の分析をして報告したいと思います。

はじめての共通テストが行われました。モデル問題、試行調査とはじまって、各予備校の模擬試験、対策問題集と実際にどんな風になるのかみんな不安でしょうがなかったわけですが、実際に行われるとどうなるかが見えてきますね。

毎年、やっていることではありますが、今回はそういう感慨もふくめて、さっと分析してみたいと思います。

 

全体を通して~意外とセンター試験ぽく普通だったけど、難度は間違いなく上昇。

まず、全体的なことですが、意外と形式的な変化は大きくありませんでした。

これは特例追試をセンター試験の過去問ベースで行う…というあたりでもわかっていたことですが、大きな変化は起こらず。

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他教科がどうだったのかはわかりませんが、国語に関してはたぶん大きなことは起こらないだろうな、というのが私の予想で、実際に大きなことは起こりませんでした。

じゃあ、実際に、新傾向として予想されたものがどうだったのか、ざっとまとめておきたいと思います。

  • 評論が、説明文、マニュアル文のような文章になる→普通の評論
  • 評論に図、写真、表、グラフなどが出てくる→まったく出ず。ただし、今後も出ないとはいいきれない。
  • 複数の文章を用いた出題→本文で複数の文章を使ったのは漢文のみ。小説の問の中で小説に対する批評を用い、古文で本文とは別の千載集との違いを説明した上で問題を作成。
  • 教室での討論など、読み取り、解釈の問題を出題→評論では、ノートにまとめるという形、小説では批評を用いてさらに別の解釈を試みる。古文では、文章が与えられ解釈を深める。漢文は教室ではないがもともとが複数の文章なので、そこから全体的な解釈を問うている。

というような感じ。

おおよそ、予想通りで、あまり新傾向に一気に踏み込む、という感じではなかったです。対策問題集でいえば、予備校が初期に作った、複数文章、図表山ほど入れる…というような問題より、記述が中止になって、おそらく少し後で作られた、ネタがなくなってきたような問題の方が似ていたということでしょう。

じゃあ、問題自体がセンターっぽいから、難度も維持されたかといえば、なかなかそうではありません。

これは、もう少し分析を待つ必要があるし、他教科の動きもあるので、国語だけでいえることではないんですが、そもそも試行調査では平均点の狙いが50%程度だとみることができて、センターより狙いが10%程度下がると予想されていたからです。

このあたりが今年の入試動向を占うときに、どうからんでくるか、難しいところなんですが、その話はおいておいて、要は、難度はどうなんだろう…ということ。

私がざっと見た感じでいうと、難しいと思います。

単語とか漢文の漢字なんかでは、わざとずらしてきているような、ひっかけの問題になっている感じもありますし、そもそも全体的な解釈問題になってくると、しっかり読み込まなくちゃいけない感じがすることを考えると、すごい簡単な問題で多少のひねりをいれられると、息する暇がないというか、裏切られるというか、やりにくかったんじゃないかと思います。

このあたりは、実際の平均点分析を待ちましょう。すぐ出てきますから。

そんなことで、詳細分析に入ります。

 

評論~今まで通りの評論出題。構成の問題をどう扱うかで問題の難度の感じ方が変わると予想。

評論ですが「妖怪」についての話で、普通の評論です。変に、図とか表とか取り込んで、「何読まされてるの?」っていうような感じでなく、普通の評論です。

逆に言うと、結局「近代」論、「個人」とか「人間」の独立の話で、それが「妖怪」の話とどう結びつくの?って思う人には難しかったかもしれません。よっぽど、取扱説明書、論説文、説明文的な文章の方が読みやすいでしょう。

さて、この問題、問5をヒントにできるかどうかですね。これ、すでに指摘したことなんですが、

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段落構成の問題があるときは、これに沿って読んでいくのが、時間短縮にもなるし、ヒントにもなりうる。あとでこの問題があることに気づくと、本文を読み直してチェックするので時間がかかるし、これまでの経験でいうと、段落分け自体が間違っていることはないので、参考にできる…なんてことも書いてきたわけです。

さて、今回の問5ですが、「ノート1」に段落分けがされ、さらに

  • 問題設定➀~⑤ ②~③、④~⑤
  • 方法論⑥~⑨ ⑦~⑨アルケオロジーの説明
  • 日本の妖怪観の変容 ⑪中世の妖怪、⑫~⑭近世の妖怪、⑮~⑰近代の妖怪

となっています。

これで、「最初に問題設定して、どういう方法でやるか、アルケオロジーってなんだかよくわかんない方法でやって、やったら、中世、近世、近代って妖怪が変化してくる」っていう話であることがわかります。

簡単。

で、「近代」なんていう語をみつけた時点で、「これもしかして近代論?」てあたりまでいければ超読みやすくなりますね。

先に、この(ⅰ)だけ片付けましょう。

第一段落に「娯楽の対象としての妖怪」と「いかなる歴史的背景のもとで生まれたのか」とあるから、楽勝で➀と②…というのは、早とちり。

だって、空欄Ⅰの見出しは、②~③ですからね。

つまり、①~⑤で第一段落の言っていることをやるわけで、②~③の要約をちゃんとやればいいわけです。

こういうくだらない作業やれば楽勝。

①と②はⅡも変ですね。というかこれも➀~➄の「問題設定」という大見出しから考えても、Ⅱの選択肢が細かすぎ、というか説明入っていますよね?

というわけで、「②~③がⅠ」「④~➄がⅡ」とちゃんと要約すれば、➄が➀と同じだと気がついて④に行き着きますね。

では、それをふまえて問2以降に戻りましょう。

問2。「民間伝承としての妖怪」の説明。「傍線部を含む一文」でやると、「~とはそうした存在だったのである」ですから、指示語の問題。つまり、直前。これだけ気がついて、本文の根拠を求めると「説明のつかない現象」「不安と恐怖」「意味の体系の中に回収」あたりですね。これを説明した➀。

問3。共通テストの評論は段落要約で進んでいきます。10段落ですが、この問題の場合、すでに問5(「すでに問5を見る」というのが本当にポイントです)で見たように、⑥~⑨がその説明であることがわかります。「方法論」ですね。特に⑦と⑧がその説明になっています。

「知の枠組みの変容」「秩序を認識し」「関係性を打ち立てるある一つの枠組みを通して」「秩序を認識」、⑧の「「物」「言葉」「記号」そして「人間」の関係性の再編成」というあたりがキーワードです。

ここから拾っていくと、②、③、➄あたりでまようことになるんだと思います。ここからあとは、キーワードを拾うだけでなくて、⑦⑧の要約をきちんとできるか、そして「選択肢をきちんと日本語として理解しようとしているか」というあたりで決まります。

まず、➄のラスト、「大きな世界史的変動として」「歴史的事象を」描き出すはまったくの意味不明。だって、「枠組みの変動」ですから。となると②③ですね。テクニカルに(つまり、よく塾なんかで説明される方法で)やると、③の「分類して整理し直す」がない…ってことになると思いますが、私は根拠確定派ですから、「秩序を認識し、知の枠組みを変容する」という要約を答えとすると、「秩序の認識」が「枠組みをとらえ」で重なる②が正解と説明したいですね。

問4。簡単。傍線部Cは「こうした」とあるように、直前。で⑭は近世の説明です。つまり、中世のキーワード、近代のキーワード、近世のキーワードと区別するのが基本。

中世は神霊から言葉を伝える。「記号」

近世はそうでなく、物で表象で視覚的。人間が約束ごとの中で作り出す。逆に言えば、作れなかったのが中世。

近代はリアリティに回帰。逆にいえば、近世はリアリティがなくなっていたということですね。で、迷信。それが近代は合理的思考で、自分が、人間が、内面でそれを作っている…といくわけですね。

その感覚で探すと、②か➄で迷う感じですかね。③は「視覚的」とありますが、「作り出す」などの要約要素、足らなすぎますもんね。④は「作る」はいいとしても、「ありとあらゆる局面や物におよぶ」…って、近代的すぎるし、さすがにずれてるってわかるでしょう。

近代との違いまでみれば、近代が人間の内面になりますから、「人間の性質」って内面ですから、ダメですね。というわけで、②。「楽しむ対象」はそもそもこの文章のスタート、問5の話です。第一段落ね。これが「娯楽の対象」でした。その意味ではかなり文全体を意識した出題ではありますが、まあ、部分照合で解けちゃいますね。

さあ、問5です。

(ⅱ)。Ⅲは近世の要約。問4を見てください。②は中世。キーワードからすれば、③か④でしょう。ただ直前に「作り出された」とあって「フィクショナル」では、要約要素が決定的に不足ですね。Ⅳは近代ですから、内面の④が第1候補。②は「私」では選びたいけど「自立」は関係なさすぎ。➀も気持ちはわかるけど、本文からはずれていますね。

最後に(ⅲ)。余計な文章が入ってきました。ただ問題としては簡単。近代のキーワードは「不可解な内面」ですね。各選択肢の文末、大事な部分をみると、➀から「神秘的」「不安定な存在」「未知なる可能性を秘めた存在」「コントロールされてしまう不気味な存在」「自分を制御できない部分を抱えた存在」で、②が本命でしょう。内容でいえば、➄もあるかもしれませんが、安心とか困惑あたりではずせるかなと思います。

 

小説~拍子抜けするぐらい普通。問6の批評を読ませる問題以外はセンターと変わらない。

詩が出るのか、随想が出るのか、複数文章が出るのか…戦々恐々でしたがたいしたことはありませんでした。確かに最後に批評が出るのは、「なるほど」って感じではありますが、さほど難しくはないし、受験生の苦手な表現の問題とかに比べればかなり簡単に感じたのかもしれません。

とはいえ、そもそもの設定が古くさいし、読みにくい、わかりにくい、そしてテーマに共感しにくい…というあたりの難しさがあったかもしれませね。テーマがひねくれた大人っぽくて、私はよ~くわかりますけど、受験生はいやかもしれないですね。

問1、意味問題は、辞書的な意味、例文を作って解くといいですね。そんなに難しい問題、ひっかけになるような問題はなかったと思います。

問2、「擽られる(くすぐられる)ような思い」とありますから、まずは、この言い換えだけで探すような感覚が必要。つまり、これも問1とたいして変わらないパターンの問題です。「落ち着かない」1択で、決まります。ここに着目できれば超簡単。

問3。これも同じように「やましい」「訳のわからぬ」「重苦しい感情」の言い換えを探す問題です。大きくわければ「やましい」と「重苦しい」ですから(「訳のわからぬ」は「重苦しい」にかかっているので)、このふたつの感情の言い換えを探します。

➀「釣り合わないぐらい立派」「熱意を過剰」

②「申し訳なく」「もったいなく」

③「欲の深さを恥じ」「批判を自分に向けられた」

④「情けなく感じ」「自分への哀れみ」

➄「申し訳なさ」「見返りを期待する底意」

という感じですね。この作業ができれば、➀を選ぶのは簡単。やましい、に引きずられると、②③➄あたりから選びだすかもしれませんが、「重苦しい」でいくと➀か➄でしょう。➄の「見返りを期待する」ははずすでしょうから、➀の前半をやましさと読み取れると思います。

問4は理由問題ですので「直前直後」。根拠を探します。直後、57行目から65行目あたりをまとめたものになります。➀の「責められる」という表現が一番しっくりきますね。③も読み取れますが、「偽善的な態度」ではずせるでしょう。②とか➄とかは勝手に想像しているパターンですね。読み過ぎともいえる。読み過ぎという表現がしっくりこない人には、「奥さんに文句を言われる」というあたりを選択肢にいれないといけない、ということです。記述問題なら絶対入れません?それが入っていないのはダメですね。④は「卑屈にへりくだる」あたりではずしているんじゃないかと思います。

問5。直後の「様子をうかがい」を見つければ、その前に書いてあった部分と合わせてほぼ決まります。選択肢が長いのは、この前の部分との関係ですね。簡単。

問6。今回のメインともいえる批評の問題。(ⅰ)は、評論の問題と同じ。傍線部の言い換えですから、小説関係なく、この傍線部と選択肢との対応をみます。

「羽織と時計とに執しすぎたことは」、これが選択肢の前半。「として」「結果」「ために」「ため」ですね。これは批評でいうと「小話臭味」です。

「作品の効果を増す力になっていない」、これが後半。これは「ユーモラス」の対比。

こうやってみれば④を選ぶのは簡単ですね。前半からすれば③か④。小話臭味ですから①とか②はそこからも違います。後半からすれば④だけという感じ。ちなみに後半を選ぶためには批評の傍線部の直前が参考になりますね。③は圧倒的に違う感じ。後半が。

(ⅱ)。これは、43行目と53行目を読むかどうかにつきます。その後、なんて書いてあるか、です。これ、覚えておいてください。読むだけです。つまり、「作品全体から選択肢の主張」ではなく「43行目53行目と選択肢の主張」と比べます。すると、「感謝の念とともに」やましく重苦しい、そして、「この二つが、Wくんと私を遠ざけた」ですから、④が同じであることに気づきます。

 

古文~出題をオーソドックスだが、必要とされる知識が細かく難度はあがったか?

古文については、栄花物語ということで中古の歴史物語となりました。共通テストとしてはかなり本格的な「古文」という印象ですから、そもそも難しく感じた人も多かったのではないかと思います。敬語の理解も必要ですので、ある意味で古文らしい古文、という感じの出題になっていました。

全体としては、オーソドックスな出題で、新傾向という感じではありません。ただ、問題自体が本格的であるのと同時に、選択肢自体も単語集そのままではない感じの出題になっていたのが、悩ましく感じたのではないかと思います。

問1。例年通りの意味の問題。(ア)、「え~ず」の「できない」と「まねぶ」の「まねをする、学ぶ」という感じの二つではさまれたかと思います。前者で考えると、①④➄からの選択、後者で考えると③の一択という感じ。当然、この両方を満たすことを考えるので、「え~ず」を「とても~しようがない」と変えていいかどうか。これ、ある程度良さそうに感じますね。もうひとつは、①④➄で「まねをする、学ぶ」という感じに訳せるものがないか。これも④がぎりぎり入ってくる感じですね。となると、本文の意味で通る④を、③④から選ぶ、という感じです。きついですね。本文の意味が通らない…というあたりで立ち止まれるかです。

(イ)ですが、これは「おはす」で尊敬語訳のある、②③➄ですね。あとは「めやすし」の訳で簡単に③です。

(ウ)は「未然+ば」ですね。完了の助動詞「ぬ」の未然形。これで、①②の二択。あとは「里」をどう訳すかで、①じゃないといけないです。

問2。「今みずから」の訳に困る可能性がありますが、選択肢を見るかぎり、「返事を書かない」ということで統一されています。したがって、ここの解釈は「そのうちに直接お会いして」というように書いた、とか、「直接会います」とか、そんな感じなんだろうな、となります。しかし、問題は「なぜか」ですから、理由問題。直前訳ですね。

そうなると、「よろしきほどは」という感じ。そうなると、「ほど」というのが程度とか身分とかそんな感じなんだろうなと。となると、ここを訳出しているのは➀。「並一通りの関わりしかない人たち」とうところですね。あとはぎりぎり②と➄ですが、②だと「妻と仲がよろしい」となるのに無理があるし、➄は「大切な相手」を「よろし」とするはずがない(「よし」ですね)ので➀しかありません。

問3。語句や表現といっていますが、要は訳の問題ですね。簡単に切れるのは、③④➄でしょうか。③の「ままに」が「それでもやはり」なんてのは無理ですね。④は「よろづにつけて」の誤訳。明らかに「いろんなことにつけて」ですよね。➄は二重尊敬ですね。どう考えても主語というか主体は長家でしょう。長家が思い出しているととるべき。

➀は、「そうしておいてよかった」がチェックですね。「参る」は「さしあげる」でしょうから、後は意味が通る。じゃあ、「そうしておいてよかった」はどこかといえば、「よくぞ…ける」ですね。まさに説明通り。

じゃあ②は?といえば、現代語風に「思い残すことはない」といえば、確かに「後悔はない」で、通じてしまいます。

しかし、どちらかが間違っているわけですから、何がおかしいんだろう…と考えていくと、思い残すことはない…というのは人生が終わるときのことだし、相手が死んでいくのに「思い残すことはない」とは言わないですよね?じゃあ、どう解釈するのかと考えれば、「思い出さないことはない」ぐらいにとるといいのかな…と気がつきます。

問4。こういう問題は、本文の対象箇所を探すことが大事。

➀は最初の一文。この殿ばらも…と並列になっているし、臥しまろばせ給ふ…で×。

②、僧都の君が出るのは4行目。前半の亡骸もおかしいし、そのあとの部分は完全に違いますね。特に「気丈に」は対応がありません。

③、「夢を見たらんやうに」ですから、夢を見ているかのように感じたので×。

④、「見ゆらん」とおそらく原因推量でとった方がいいんだと思いますが、いずれにせよ推量しているので、自分の話ではありません。

➄、さっきの問4のあたり、「顔かたちよりはじめ」で容貌、「手」で字、そして「絵」でこれが正解ですね。だからこそ、さっきの問4が、いろいろ思い出す…とつながるはずなんですね。

問5、歌の問題。基本的な説明があるので解釈はしやすいです。ZよりYの方が内省を深めるように書いている…とくれているわけです。

共通テストの歌の問題は、解釈と歌を対応させて、訳としてとれるか見ることが重要です。そのあたりを踏まえてみていきましょう。

➀、慰めよ…というのを「忘れなさい」というのは無理がありますね。

②、Xはいいとして、Zは「とまるべきにはあらねども」ですからいったんは肯定。しかし、「それでもなお先立たれたことが悲しい」ですから、「あえて肯定して慰める」とか、そもそも「悲しみを慰める」のが無理…という歌です。

③、「とまるべき世か」というのを反語で解釈したっていうのが前半。同意というのは「とまるべきにはあらねども」ですね。さっきの②の説明の通り、これが○です。

④、悲しみを癒やしてくれたことへの感謝、は大きくずれているのですぐ×とわかったでしょう。

➄、癒やせない…というのはありですが、「反発」というのはどこの訳か、ということになります。他人をわずらわしく思うとかも厳しいですね。

⑥、Yは「世の中の常なきことも知られざりけり」で、今は考えられないということ。でも、後半は妻への追慕をしていくわけです。というか、この問題、正確に言うと、➄と⑥の選択肢が、与えられた文章の「内省」ですね。そのあたりがわかっていれば容易に選べます。

 

漢文~漢詩と漢文の組み合わせ。受験生が苦手なところをついていて意外と落としたかも…

漢詩と漢文の組み合わせで、ただでさえ、おなかいっぱいのところに、意外と受験生が手を回していないようなところをついているので、落としたところが意外とあるような気がします。

決してレベルが高いわけでも、難しいわけでもないんですが、でも、なんだか満点はとれなかった…というような感じでしょうか。

内容的には、問6を先に読んでしまえば、だいたいつかめてしまうと思います。

では、問題を見ていきましょう。

問1。両方とも簡単。(ア)は「ただ」の読み。一般的ですので簡単。(イ)は「もとより」。当たり前すぎて➄を選ぶのに勇気がいったかもしれません。

問2。同様に漢字の問題ですが、意味を選びます。ただ実際には漢字そのものというより、選ぶ根拠がバラエティに富んでいます。

(1)「何」の読みは、「なんぞ」「なにを」「いづれ」「いづくにか」。となると、「なんぞ」の「どうして」を選びたくなりますが、このままの意味だとすると、疑問文です。文末は「~たる」ですからね。でもそうなると答えがほしい。疑問なのかな~と考えると、そうではない。反語ではないですよ。そもそも「ん(や)」じゃないんだから。というわけで詠嘆ですね。だとすると、答えは➄ですね。意外とひっかかったかも。

(2)一般的な漢字のパターン。「尋」という動詞の上にあるからたぶん修飾語的な役割ですね。あとは「周」のイメージで選びます。②か③でしょうが、場所ですから③。④は用意周到のイメージで作った選択肢でしょう。

(3)これは本文解釈。明らかに倒置法なので、何に、あるいはどこに「至れる」かは、後の部分です。となると人馬一体の「境地」と見るべきでしょう。

問3。まずは押韻の問題ですが、それだけでは候補がなんと②③➄と3つにしか絞れません。後は意味ですね。でも、さほど難しくないかも。

問4。基本的に意味、あるいは書き下し文から選べ…というのが鉄則ですが、「所」というのが直後から戻ってくるよ…というのを知っていると、それだけで③か④。そして、その後ろが動詞二つに見えれば、両方戻るしかないので④。簡単です。過去と照らし合わせても。

問5。「先んずればすなわち人を制し、後んずればすなわち人に制せらる」が浮かんだら楽勝でした。ひとつは「レバ則」。そしてもうひとつが後半が「于」の字。「於」と同じような漢字にとれれば、受身であることがつかめたでしょう。でも、意外と落としてますよね…。

問6。前半でほぼ決まり。後半がわからなくても前半で選べたのではないでしょうか。

 

というわけで最初の共通テスト国語の分析でした。復習が大事ですので、苦手なところを一気に復習しておきましょう。

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