国語の真似び(まねび) 受験と授業の国語の学習方法 

中学受験から大学受験までを対象として国語の学習方法を説明します。現代文、古文、漢文、そして小論文や作文、漢字まで楽しく学習しましょう!

漢文頻出漢字その4 複合語~読みと意味を覚えたほうがいい単語

漢文の漢字シリーズの一応ラストは「複合語」です。要は熟語のようなもので、どう読むか、どんな意味かおさえましょう。

漢文で得点を重ねるためには、最後は「漢字」にたどりつきます。

構文と句法だけでは満点はとれないということです。最後は、漢字の知識をつめこむ必要があります。

というわけで、今までやったのがこちら。

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今日は、その最後で、「複合語」と呼ばれるものです。

まあ、熟語みたいなものですね。ある漢字の組み合わせが来たら、「必ずこう読んで、こういう意味になるよ」っていう形です。

そんなに数が多くないので覚えてしまうといいでしょう。

日本語として定着している語

已矣哉・已矣乎

読み:やんぬるかな

意味:もうどうしようもない。残念だ。これまでだ。

「已」が「やむ」で、「終わる」というこです。

不得已

読み:やむをえず

意味:やむをえず

まさに日本語になってしまった言葉です。読めれば、意味はとれます。

為人

読み:ひととなり

意味:性格、人物像

これも漢文から定着した言葉です。どんな人か聞くときに「人と為り」を聞いたりするわけですね。

所謂

読み:いわゆる

意味:いわゆる・俗に言う

日本語であてて読んでいるイメージです。読めることが重要

所以

読み:ゆえん

意味:理由・手段

これも同様に日本語であてています。理由にあたるものは、この語の下に来ます。

所以~者 所2以~1者

読み:~するゆえんのもの

意味:~する理由のものは

「所以」のあとに理由がきて、ここから戻り、その全体が「者」にかかっていきます。

就中

読み:なかんずく

意味:とりわけ・ことに

漢文が日本語に定着した…といいたいところですが、ほとんど使わなくなってしまったので、覚えないとだめな言葉かもしれません。ある程度の年齢層は知っている言葉ですから、当たり前のように出す可能性があり、しかも現代の高校生にはかなり厳しい言葉ですから、やっかりですね。

居数日

読み:おることすうじつ

意味:数日経って

「居」を「おること」と読むのですが、解釈としては「数日が過ぎて」となるので、注意しましょう。

疑問の意味を持っている語

何為・奚為

読み:なんすれぞ

意味:どうして

疑問句法でも入っている表現です。

「何をか為す」と読むこともできます。そうなると、「何をするのか」ですね。

何為者

読み:なんするものぞ

意味:何者だ?

「何を」「為す=する」「者=人」という感じ。

何如・何若・何奈

読み:いかん

意味:どうなっているのか

「何如」ですから語呂合わせで「男女の関係」で、「どうなっているのか」です。

如何・若何・奈何

読み:いかん

意味:どうしようか

「如何」ですから語呂合わせで「女難の相」で、「どうしよう」です。

無奈何

読み:いかんともするなし

意味:どうしようもない

「いかん」ということが「ない」という構造です。つなぐために「いかんともする」と読みます。これも日本語になっていますね。「いかんともしがたい」なんて使います。

幾許・幾何・幾所

読み:いくばく

意味:どれくらい

疑問の基本句法です。

何謂也

読み:なんのいいぞや

意味:どういう意味か

読めれば、なんとなく訳せるかもしれません。

何則

読み:なんとなればすなわち

意味:なぜなら

「則」は「レバ則」で「~すればすなわち」です。というわけで、「なんとなればすなわち」ですが、「なぜなら」となります。

何者

読み:なんとなれば

意味:なぜなら

「何則」が読めれば、その延長線上で大丈夫。

孰与・孰若

読み:いずれ

意味:どちらか

「孰」が「いずれ」と読めればさほど難しいことではありません。

接続詞のような役割をする語

是以

読み:ここをもって

意味:そういうわけで

以是

読み:これをもって

意味:「このような方法」で。「このこと」から。「これ」を用いて

「是以」と「以是」で読みも違えば、意味も若干違うというややこしいところです。

これ」とおぼえて上の是「こ」、下の是「こ」というのが読みの覚え方のおすすめ。意味は「以」が上にある方が「by」のイメージに近いので、それに近づけて訳出するといいでしょう。

於是

読み:ここにおいて

意味:そこで

さっきのとごちゃごちゃになるとつい「これ」と読みたくなりますが、違和感を感じて直してくださいね。

無寧

読み:むしろ~んか(や)

意味:むしろ~のほうがよい。どちらかといえば~したいものだ。

「寧」だけでも「むしろ」ですが、「無寧」にならないと文末は「んか(や)」にはなりません。

不則・否則

読み:しからずんばすなわち

意味:そうでないと、そうでなければ

「不」だけでは読めないので前に足します。「不」と「否」は部首抜きのイメージですね。文末の「不」を「~いなや」と読むときと逆の感覚です。

「しからずんば」は「しからざれば」とも読みます。

不者

読み:しからずんば

意味:そうでないなら

「何者」と「何則」と同様に、「不則」と同じ形になります。

そのほかの語

以為・以謂

読み:おもへらく(もって~となす)

意味:以下のように思う

「~く」という読みは、英語のthatの役割に近く「~する。以下のように」というイメージ。「いはく」「きけらく」「よろしく~べし」「すべからく~べし」など。

「以為〇」は、「以〇と為す」と読むこともでき、「〇と思います、〇とします」という感じ。そこであててしまって、「おもったよ、〇とね」と読んでしまうわけです。入試では「以て~と為す」と「おもへらく」の両方の読みを知っている前提で変えるような出題もあります。

「おもへらく」は「おもへり」に「ク」がついた感じ。

由是観之

読み:これによりてこれをみれば

意味:このことによって考えてみると

「観る」は観察からもわかるように「よく見ること」。

庶幾

読み:こいねがわくは・こいねがう・ちかし

意味:願います。以下のことを。~に近い、ほとんど同じ。

「く」というのは「おもへらく」と一緒で「以下のことを」。「近い」と読むこともあるので、注意。

今者

読み:いま

意味:今

昔者

読み:むかし

意味:昔

「者」が無視されるパターンですね。

大率・率・大概

読み:おおむね

意味:ほとんど

「大概」はわかりやすいですが、「率」が一番イメージできないかも。覚えておきましょう。

少焉・頃焉

読み:しばらく・しばらくして

意味:少しして、しばらくして

時間をあらわすイメージができれば簡単です。

仮令・縦令

読み:たとひ~とも

意味:たとえ~だとしても

「縦」は「たとひ」がありますよね。「仮」は「もし」のイメージなんですが、「令」がつくと、「たとひ」になります。

聞道・聞説

読み:きくならく

意味:聞くところでは以下のようである。

「~く」のパターンですね。以下のように聞いた…という感じです。

 

以上です。漢文の漢字はちょっと見ているだけで、どこか記憶に引っ掛かりますから、入試が近くなったら、ざっと全部を眺めてみてください。

 

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