漢文の方は句法の説明がある程度終わりました。ここから一番得点に繋がる漢字の読みと意味を説明します。今日は、基本的な句法で出てくる漢字をまとめました。
漢文は句法だと言われますが、実際に試験で得点を失わないためには、構文や漢字の理解が重要になります。
で、一方で、これらは「覚える」範疇。知っていれば得点できるし、知らなければ推測するしかない。別名、勘ともいいますね。
そして、「覚える」のだとすれば、入試前日であっても点が入る分野。
というわけで、漢文は、漢字の読みリストに入っていきたいと思います。
共通テスト国語の解法~こうやって解いていく!古文、漢文のポイント - 国語の真似び(まねび) 受験と授業の国語の学習方法
- 「句法」に関わってくる漢字を中心に。
- 助動詞としてメジャーな漢字
- 読めればほぼ終わりだけど、読めます?
- 前置詞だけどほかの読みもある
- 置き字や文末として読む漢字
- 疑問に関わる漢字
- 試験でよく見る一般的な漢字
- 一般的な漢字が問われた時は、一字を熟語そのものとして考える。
「句法」に関わってくる漢字を中心に。
優先して、重要なもの、知っていて当たり前のものから解説していきたいと思います。基本的には覚えることが中心ですので、細かい説明は少ないかもしれませんが、それは勘弁してもらって、試験前にざっとでもながめてもらって、実際の試験で出ればいいなあと思います。
如・若
- もし 文頭
- しく=しかず 戻る・不如
- ごとし 戻る
如 4.ゆく
若 4.なんぢ
試験に出やすい字です。しっかり理解しましょう。2と3は動詞扱いですから、必ず戻ります。返り点がつく、ということですね。2の「しく」は「しかず」「しくはなし」「しかんや」のいずれかで出てくると思って間違いないです。
与
- と 前置詞=戻る。返り点がつく。
- ともに 1と同じだが、戻らない
- より=than fromではない
- か 疑問文の文末
- かな 詠嘆
- あたふ
- くみす
- あづかる
とにかく、読みが多く、試験に出やすいパターンです。まず、1~4のパターンは意味に直結するので、覚えましょう。
1はwithのイメージ、必ず戻ります。なので「先生与生徒」の場合、「先生ト生徒与(と)」というイメージ。
3は、「与其為牛後」で「其の牛後と為るより」というように比較級です。
6以降は、漢字問題のパターンでもあります。7の「与す」は「寄与」とかのパターンでもありますね。
寧
- むしろ
- いづくんぞ
- なんぞ
- やすし
4だけが、普通に読むパターンです。「安寧」とかですね。それ以外は、句法に関わります。1は選択・比較形、2・3は疑問ですね。わからない人はそもそも句法を復習しましょう。
2ですが、「いづくにか」とは読みませんので注意。
1は、鶏口牛後。「寧為鶏口、勿為牛後」で「寧ろ鶏口と為るも、牛後と為る勿れ」ですね。
自
- より from 前置詞=戻る
- みずから
- おのづから
1が重要ですが、2と3も曲者です。漢字で書くと、両方とも、
「自ら」
で区別ができません。
2なら、「自分で」
3なら、「自然と」
意味を考えて読みを変える必要があります。
1は、「from」です。「来自学校」で、「学校より来たる」です。
助動詞としてメジャーな漢字
つづいて、基本的に助動詞として使われる漢字をまとめていきます。漢字そのものが問われるだけでなく、「書き下し文として正しいものを選べ」というような問題の時に、知識が問われます。
将
- まさに~んとす 再読文字 will
- ひきいる・いる
- はた = あるいは、もしかすると、いったい、などの訳になる
- しょう = 将軍のようなイメージ。名詞。
2だとするなら、動詞ですから、直下は目的語になるはずです。1なら、当然直下が動詞ですね。3や4の可能性も当然あります。特に4だとすると、名詞ですから、下が動詞になるか、あるいは上に動詞がきて目的語になるか、というのが大きなポイントでしょう。
且
- まさに~んとす
- (すら)かつ
- しばらく
わすれがちなのが「将」と同じ再読文字のパターン。2なら、比較の形です。3の「しばらく」も意外とテストに出ます。
可
- ~べし 助動詞=戻る
- か(なり)
試験で出ることが多いですね。
1なら、助動詞ですから、直後は動詞で必ず戻ります。
2なら、上に主語=名詞が必要です。もちろん、動詞でもいいんですが、「~こと」「~もの」というように、名詞にしたうえ、しかも、下にさらに動詞がくるのはおかしい、ということで気付けるはず。
可読か読可かということ。
可読だと、助動詞+動詞で、読むべし。
読可だと、あとに動詞がないから助動詞とはとれないので、読むこと可なり、です。
当
- まさに~べし 助動詞=戻る
- あたる
- あつ
試験で出るのは、1か2の見分けでしょう。
1ならば、助動詞ですから、必ず直下が動詞でもどります。「~して当然」ですね。
2なら、「~に当たる=~に出くわす、相当する」という意味にとれなくはないですが、その「~に」の部分は、直下で目的語になります。「~が」だとするなら、それは必ず「当」の上にないとだめですね。主語ですから。
「当たる」は「当てる」でもありますから、そのあたりは日本語で考えればわかるはずですね。それが2と3の違いです。
蓋
- なんぞ~ざる
- けだし =そもそも
- おほふ
基本的には、1と2ですね。1が「どうして~しないのか、いやする」という反語形。反語は、原則「ン(ヤ)」なんですが、この形は「~ザル」なので注意。おかげで、「何不~」も「~ざる」と読むことが多く、それでも反語になったりします。
「けだし」は「そもそも」ぐらいの意味。3はフタですね。
宜
- よろしく~べし 助動詞=戻る 「~のがよろしい」
- よろし・よし
- むべなり
1が基本で、戻らないなら2。「むべ」というのは「もっとも」ということ。「よろしく」というように「~く」は、「よろしいよ、以下のことを」なので読めたら意味がわかる。
須
- すべからく~べし 助動詞=戻る 「~すべし」
- もちいる・もちふ
1が基本ですが、2もテストで結構見ます。ちゃんと覚えましょう。「すべきだよ、以下のことを」のパターンですね。
読めればほぼ終わりだけど、読めます?
ここは何個も意味があるというよりは、ひとつしかテストに出ないけど、「そもそも読めます?」というのをまとめます。
苟
- いやしくも =もし~ならば
- まことに
2はほとんどみたことないですね。1は、順接も、逆接もあり。「もしも」です。
雖
- といへども
- ただ
特にありません。本当にこれだけ。2はありますが、ほとんど1ですね。読めないとかなり厳しい。
能
- よく 下に動詞がくる 戻らないが、「動詞」「~できる」という形。
- あたふ =不能 ~あたはず 下に動詞がくる=戻る
- よくす =動詞 これ一文字で「可能である」という意味をとる
- のう =名詞 能力
基本的に1と2は助動詞。なので、どちらも下には動詞がくる。はっきりいってしまえば、読み方は好みで、どちらで読んでもバツとはいえないが、「不能」となるときは「あたはず」と読み、「不」がないときは、「よく」と読むことが多いと思います。
3は、意味としては同じで、「できる」というのを一文字であらわす形。
4は名詞で能力。
微
- ~なかりせば
もちろん「び」と読んで熟語を作ることはありますが、「~なかりせば」の構文ですね。
冀
- こひねがふ
- こひねがはくは
「請い願う」という形。2の方が良く出て、「~くは」は「~以下のことを願う」という形。
尽
- つく 動詞。現代語では「つきる」
- ことごとく
わかると思いますが、2が出ますね。
嘗
- かつて
- なむ 動詞。なめる。
- こころみる
当然、「かつて」がよく問われます。
悉
- ことごとく
- つくす =尽きる
基本的に「尽」と同じ意味をもつ漢字ですね。
方
- まさに
- はう =ほう。方法・方角・四方
- あたり ~する時は=~するにあたり
これも1がテストに出ますね。
前置詞だけどほかの読みもある
続いて、前置詞として使うけれど、違う読みもあるよ、というのをまとめます。これも書き下し文の問題になったときに、意外と必要になる知識ですね。
為
- ~ために 前置詞=戻る
- なす
- なる
- たり ※戻る。後に名詞。
- る・らる ※戻る
- つくる
- おさむ
一番多いのは、1の「為に」でしょう。前置詞ですから必ず戻りますね。
試験でよく出るのは、2と3。国立あたりで、書き下しに直すとなると、この動詞の意味の違いがわからないと苦戦します。「なす」は「する」で、「なる」はまさに「なる」。先生になるのか、~を先生とするのか。
我為先生というのを、「自分が先生になる」なら「なる」、「自分が誰かを先生とする」なら「なす」です。「なす」と読むのは行為のときも。「我為登山」なんかだったら、「登山を為す」ですね。
4は、断定のパターンですが、これも戻ってきます。
5は、受身構文の流れと同じなんでしょうね。
動詞の読みも覚えておかないとセンターあたりで出るとはじいちゃいそうですね。
以
- ~もって 前置詞=戻る ~によって
- もって 意味がほぼなく、語調を整える感じ。「そこで」
- 以為 以て~と為す
- おもふ 「以為」を「おもへらく」と読む流れ。
- 「動詞」以「戻る」「文・語」 「動詞スルニ」「文・語」を以てす
- ゆゑ
- すでに
1は英語でいえば、byに近いと思いますが、2の形、戻らずになんとなくそのまま入っているパターンもあるので、全部を1にしないようにしましょう。
4は以為を「おもへらく=おもへり+く」と読むのか、「以て~と為す」と読むのか両方のパターンを覚えた上で、そのときの形ですね。
5は、1のパターンと基本的には同じだと思います。動詞、「以=by・~」ということですから、本来は、「~によって~する」と戻ればいいわけですね。でも、戻るのが面倒なとき、特に「以」以下が長くなってくると、戻りたくない。だから、先に「~するに」「~を以てす」と、先に動詞を読んで、「それは~によってね」といくわけですね。これ、意外と共通テストで使えます。これで選択肢が一気にひとつになるケースもあるので、覚えておいた方がいいですよ。
由
- ~より 前置詞 ~からfrom 自
- よる 動詞
- よし 名詞 理由・手立て
- なほ~のごとし
最後のものは、「猶」と同じパターンです。
置き字や文末として読む漢字
文末に関わる字もある程度ながめておかないと、書き下し文を選ぶような問題で苦戦しますね。
乎
- や・か 疑問
- かな 詠嘆
- や 呼びかけ
- こ 状態を表す=読むが意味としてはほとんどない。
- 置き字
疑問や詠嘆、呼びかけなど、さまざまな読みがありますね。
焉
- いづくんぞ
- いつくにか
- これ(より・に)
- 置き字
置き字だと思っていますが、意外と1~3までで試験に出るのでしっかり覚えないといけません。特に3は、最上級で使われますよね。「莫大焉」で、「これより大なるは莫し」のパターン。
夫
- や・か 疑問
- かな 詠嘆
- それ =そもそも
- かの =この・あの
読み問題では3が多いですが、1・2も知っていないといけません。
耳
- のみ
読めれば終わりですが、限定形でよく出てきます。
疑問に関わる漢字
疑問形については、すでに漢字の読みが重要だと説明しましたが、それをベースにその他の読みも確認しましょう。
悪
- いづくんぞ
- いづくにか
- わるし・あし
- にくむ
1・2をしっかり覚えて、4の動詞を確認しましょう。
安
- いづくんぞ
- いづくにか
- やすし
- やすんず
これもそんなに難しくないですね。
幾
- いくばく =幾何
- こひねがふ
- ちかし
一字でも1のように「いくばく」となるだけでなく、2の「こひねがふ」などもよく見ますので注意が必要です。
試験でよく見る一般的な漢字
ここからは、センターの問一を含めて、一般的な漢字で試験に出そうなものをまとめていきます。まだ整理しきれていない部分もありますが、ながめてください。
読みとして提示できるものは提示しますが、音読みしか一般的でなくても、熟語として意味がある場合には、熟語とその日本語の意味を示しますので、参考にしてください。
謝
- 感謝
- あやまる 謝罪
- 代謝 世を去る
- 謝絶 ことわる
読みは「しゃす」ですが、意味は4つにわかれます。
易
- やすし 安易
- かふ 交易・貿易
- 易=うらない
2の「かふ=かえる」がよく出ている印象です。
愛
- あいす
- めづ =めでる
- をしむ 愛惜
3の「おしむ」が頻出で、愛惜をイメージできるようにしておきましょう。
辞
- じす 辞退 断る
- じす 辞表 やめる
- じす =別れを告げる
- 辞典・祝辞 ことば
1・2と3はだいぶイメージが違います。
縦
- たとひ
- ほしひままにす 放縦
- はなつ
これはどちらかというと、解釈に直結するので、重要です。1と2ですが、3もみかけます。
数
- かぞふ
- しばしば
- せむ =責める=罪を数え上げて責めるということ。
- かず・すう
- すう =運命 命数・数奇
1や4はともかくとして、2と3が危ないのでチェック。
是
- ぜ 是非
- これ・この
- ここ
1の是非の「ぜ」を忘れがちなので注意。
説
- とく (せつ)説得
- とく (ぜい)説きすすめる 遊説
- よろこぶ
とにかく3ですね。よく見ます。
卒
- しゅっす 死ぬ・亡くなる 卒去
- をふ・をはる 卒業
- つひに
- にはかに 卒然・卒倒・卒暴
- そつ 兵士・兵卒
とてもよくテストで見る漢字。1の死ぬ、2の終わる、3の「ついに」、4の「突然」、5の兵士、すべてが問われる可能性のある、出やすい漢字。
遺
- のこす・のこる 遺言
- おくる 贈る
- すつ =すてる 遺棄
- わする =忘れる・なくす・失う 遺失・遺却
これも1から4までどれも出るような気がします。
故
- もとより
- ゆゑ・ゆゑに
- ことさらに
- ふるし
4は、故人が友人になるというやつです。温故知新、ふるきをたずねてあたらしきをしる、です。1と3もよく出ていると思います。
少
- わかし
- まれなり
- すくなし
- しばらく
1が頻出。反対語は「長」ですね。2と4も覚えましょう。
過
- あやまち 名詞 過失
- あやまつ 動詞
- すぐ =通り過ぎる 通過
- すごす =度を越える 過度・過剰
- よぎる =立ち寄る
4の時に問われることが多いですが、1・2もよく見ます。5も覚えておきましょう。通り過ぎるのと立ち寄るのは違う印象がありますから。
已
- やむ
- すでに
- はななだ
- のみ
1と2が基本です。3と4もとはいえ、よく出ているように感じます。
固
- もとより
- まことに
- かたし
基本的には1の「もとより」ですね。
逆
- さからふ
- むかふ
まずは2の「むかふ」を覚えましょう。
食
- くらふ
- しょく 名詞
- やしなふ
3ですね。養うと書けば、部首が消えただけです。
肯
- あへて
- がへんず
- うべなふ
2と3は読みは違いますが、意味は「肯定する」です。
事
- つかふ 従事
- こととす 処理する・実行する・専念する
- こと
1ですね。お仕えする、ということです。
舎
- おく・やどる =とどまる・やどる
- すつ =すてる
- しゃ =やど
2番目は、捨てるで、部首が消えています。1のイメージは宿泊です。宿ですから。
質
- ただす =質問
- たち =性質
- しち =人質
熟語が出れば問題ないですね。
中
- あたる・あつ 命中・的中
- なか 中央・中心
- なか 中間 間・内側
- なか 途中=時間的な幅
- なか 中止・中座
1がよくでますね。同じような中でもさまざまな「中」があり、意味が微妙に異なります。
直
- ただ・ただに
- ただちに
- なほし 形容詞
- あたひ 名詞
まずは1を覚え、2をそれの派生形として頭にいれます。
「直し」で「まっすぐである」という形容詞。
「あたひ」となるのは、「値」で部首がないパターンですね。
適
- まさに
- ゆく 動詞
- かなふ・てきす =ふさわしい。適当である。
- たまたま
- とつぐ =嫁ぐ
1と4がよく出ますが、2・3の動詞も覚えておく必要があります。
希
- こひねがふ
- のぞむ
- まれなり 希少・希有(稀有)
- き =かすか 希薄
1・2が希望とか希求とかですが、3と4も意味としてはありますよね。
具
- そなふ・そなはる・ぐす
- つぶさに
- ともに
2と3がよく出ます。3は「倶に」の部首なしですね。
私
- ひそかに
- わたくしす =自分のものにする
1が基本ですが、2で読むパターンも確かに見ます。
対
- こたふ 対談
- むかふ・たいす 対面・対応
- たいして
- たい(つい) そろい 対偶・対句
- たい あいて 敵対
1がもっともよく出ます。4とか5も頭に入るといいですね。
苦
- にがし
- くるしむ
- はなはだ
3がポイントですね。
愈
- いよいよ =ますます
- まさる
1が頻出です。その動詞形が2です。
疾
- やむ 疾病
- にくむ
- はやし・とし
1は、漢字のイメージから想像ができます。3は古文でいうなら、「とし」。現代語なら「はやし」ですね。
陳
- のぶ 陳述
- つらぬ =つらねる 陳列
両方の可能性がある漢字ですね。熟語をイメージしておきましょう。
遊
- あそぶ 回遊・遊説・遊歩道・遊客
- あそぶ
2のように、音楽や女性などをふくめて「あそぶ」ことと、1のように、歩き回る、旅をする、説得して回る、というような意味があることにも注意しましょう。
道
- いふ 報道
- みち
- みちびく 導く
1は有名ですね。3は部首がついたらわかります。
息
- やむ =終わる・やめる 終息
- いこふ 休息
即
- すなはち =すぐに 即効
- もし
- つく 即位
1が頻出ですが、2も覚えておきましょう。
雪
- すすぐ =雪辱
- ゆき
北
- きた
- にぐ =にげる 敗北
一
- 統一 まとまり
- 1 数字の1
- 一日 ある日
- 一過
- 同一 同じ
- 一名 もうひとつの
- 一様 みんな
意外とセンター系のもので見る出題ですね。
神
- 神様
- 精神
- 不思議な力 神奇・神通力
知
- 知る・わかる
- 感じる・意識する 知覚
- 親しむ・交際する 知己・知人
- つかさどる・治める 知事
- 知らせる 通知
4の知事に注意しておきましょう。
一般的な漢字が問われた時は、一字を熟語そのものとして考える。
センターの問一で多く出る可能性がある、「この漢字と同じ意味で使われている熟語を選べ」というような問題は、基本的に、熟語そのものを、その一字と比べるとよいでしょう。もちろん、熟語そのものがその一字を表しているとは限らず、「読書」のように「書を読む」だとすれば、下が「書」であるか、ほかの単語であるかはなんでもよく、重要なのは「読む」だけになりますが、これでさえ、熟語としてみるからこそ、「読む」という行為に気付けるわけですね。
したがって、こういう場合には、熟語そのものといれかえてみるのがいいわけです。
一方、普通の読解問題や訳の問題で、こうした漢字に出会ってしまったら、この字を含む熟語を探すことが大事です。
最後の「道」ではありませんが、「報道」という熟語をみたときに、「どうして道なのか」と疑問に思う心が重要なんですが、かりになんとか「報道」に気が付いたら、「報道」を動詞化するような読みをあてていく、というのが、漢文の読み方のコツです。
そもそもが訓読みそのものがすべて当て字、適当な読みなわけですから。
では、次回は、読みを揃えて、違う漢字を列挙する形でまとめます。