国語の真似び(まねび) 受験と授業の国語の学習方法 

中学受験から大学受験までを対象として国語の学習方法を説明します。現代文、古文、漢文、そして小論文や作文、漢字まで楽しく学習しましょう!

古文単語は意味分類の表を作って理解しよう! 古文単語の覚え方 単語5「不快な気持ち(つらい・悩む)」をあらわす単語

古文単語は今回が大きな山場。

頻出単語が多い不快な単語です。失恋したり、死別したり、左遷されたり…ドラマには不快な気持ちがつきもの。というわけで不快な気持ちは2回にわけてお送りします。

不快な気持ちというのは、すごくシンプルにいえば、「いやだ」ということです。これから説明していきますが、日本語にはいろいろな種類の「いやだ」があることがわかります。それに比べて、ポジティヴな言語の少ないこと。まあ、「美しい」という言葉をポジティヴとすれば、同じぐらいになるかもしれません。

失恋、病気、失恋、左遷。世をはかなむことといったら、どの作品でも共通するテーマかもしれませんね。

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不快は「いやだ・つらい」。悩む感じの単語もまとめるといいです。試験に出やすい単語も多いですよ。

 

基本の「いやだ」。まさに「不快」グループ

さて、まずは、本当の「不快」。つまり、「いやだ」ってことです。

これがおさえられるとだいぶ楽になります。

典型となるのは、「うし」「うたてし」ですね。これが基本。

で、現代語でも存在しているタイプはだいたいこれ。

「うるさし」「むつかし」「さびし」「わびし」。これに加えて「うし」「うたてし」が、「不快」「いやだ」「つらい」。

そして、ここで一番重要なのは、

「つらい」になりそうな「つらし」をここからはずすこと。

「つらし」は「つれなし」に近い形で、恋愛系の言葉。

というわけで、「つらし」は「薄情だ・冷たい」という感じ。

もう一度おさえると、

「うし」「うたてし」「うるさし」「むつかし」「さびし」「わびし」が「いやだ・つらい」

「つらし」は仲間はずれで、「つれなし」を連想して「薄情だ」

です。

 

悩みを抱えてしまったグループ

つづいて、そういう気持ちは「悩む」気持ちになりますよね。

まどふ=とまどう どうしていいかわからなくて迷う

かきくらす=心がかきみだれる

ながむ=ぼんやり考え事をしてながめる

というようなイメージですが、要は「悩んで思い乱れる」という共通点があります。

「うんず・くんず」は、

それぞれ、「鬱す」「屈す」ですね。

鬱という状態を「す」、屈折という状態を「す」です。

ちなみに両方、サ変動詞ね。名詞+す、のパターンですよ。困ず、とか、念ず、とかね。

「かきくらす」は複合語なので、たとえば「かきくらさるる」なんていうふうに、係助詞と自発あたりがセットになって活用したりします。

「ながむ」は、悩みをもちながらぼんやり眺めるとすれば、「ありく」は「考えごとをして歩き回る」感じだし、「たどる」は「思い悩みながらたどっていく」という感じがあります。

「かこつ」は動詞ですが、嘆く、というのがいいでしょう。百人一首に「かこち顔なるわが涙かな」というのがありますよね。

モヤモヤして、それを何とかしたいと、待ち遠しくなるグループ

これが意外と間違うというか、覚え切れていないグループです。

古文はそもそも

  • 擬音のような漠然としたイメージ=和語としてのイメージ
  • 漢語(音読み)をベースとした名詞イメージ

のどちらかと見てもいいんですが、

「おぼつかなし」はモヤモヤという感じが一番。

なので、

まず、

モヤモヤしていて、気がかり

という意味があります。

そうすると、次に、

それをなんとか晴らしたい、気を晴らしたい、

というイメージ。

ところが、それが最後に転じると

待ち遠しい

というプラスイメージに転じます。

気がかり と 待ち遠しい って反対ですよね。

これに近いのが、

「こころもとなし」です。

「いぶせし」「いぶかし」は、現代語の「訝しむ」あたりがわかれば出てくると思います。

 

先行きが不安になると、安心

これと成立としては似ているのが、「うしろめたし」。

漢字で書くと、「後ろ目痛し」という雰囲気。

後のことを考えると不安になる

という意味で、先行き不安。これは実は「おぼつかなし」と似ています。

「うしろめたし」が使われるのは、やっぱり死を意識したときでしょうか。

関連語句でいえば「うしろみ」「後見」音読みすれば「こうけん」ですね。

反対語は「うしろやすし」。安心の「やすし」ですね。もう死んでも大丈夫、みたいな。

こころやすし」は「心安し」でひっくり返せば「安心」です。

「あさまし」は「意外」で覚える!

あさまし、は「おどろきあきれる」と単語集に載っていることが多いですが、「意外」を入れておきましょう。入試で意外とこれが正解選択肢になります。

不意をつかれておどろく感じです。

「惜しい」と「あたらし」

「惜しい」という意味は、もともと「あたらし」だったんですが、「くちをし」「をし」「くやし」などに負けていきます。

で、そのうち、「あたらし」は「新しい」になってしまいます。

「新しい」って「あたらしい」ですよね?

じゃあ、「新たに」は?

「あらたに」でしょ?

おかしいですよね?

もともと「新し」は「あらたし」だったんです。でも言いにくい。で、ちょうど「あたらし=惜し」もあった。ところがこれが使われなくなる。というあたりで、どうも「あたらし」が「新しい」になっていったようです。

「あたらし」にしろ、「をし」にせよ、不足のニュアンスがあります。その意味では、「物足りない」という訳がうかび、「あぢきなし」あたりが近い感じになります。

「都合が悪い」と「不都合」の意味の違いってわかります?

「便」が「都合」と覚えられれば、

びんなし=不都合

びんあし=都合が悪い

ですね。

厳密にいうと、意味が違うんですけどわかります?

たとえば、おじさんが女子学生をデートに誘います。

どっちで断るべきですか?

「すいません。都合が悪いんです」

と断った場合、

「じゃあ、いつなら都合がいい?」

と迫ってくるかもしれません。

「それ、不都合ですよ」

と断ると、「いけないことしてますよ。訴えますよ。奥さんに言いますよ」的なニュアンスが入るでしょ?

すぱっと振るなら、「不都合」を使いましょう!

というわけで、今回は、不快の1でした。

 

次も「不快」シリーズです。